オプティム、「ピンポイントタイム散布サービス」の2024年度成果を発表 ドローン散布面積は2万6000haに

株式会社オプティムは、2025年1月23日に「OPTiM スマート農業サービス 2025」を開催。ドローン散布DXサービス「ピンポイントタイム散布サービス(PTS)」の2024年度実績とともに、ドローン散布DX関連サービス・テクノロジーを一挙に発表した。「第26回全国農業担い手サミットinさが」と同日開催となっている。


共同防除をDX化する「ピンポイントタイム散布サービス」の全容


「OPTiM スマート農業サービス 2025」は、2025年1月23日にオプティム 佐賀本店にて開催された、2024年度の農業DX事業の成果発表会。生産者、自治体やJAと取り組んできたドローンによる共同防除サービスの実績や成功事例、「ピンポイントタイム散布サービス」がもたらす効果などを中心に発表された。

「ピンポイントタイム散布サービス」(PTS)とは、国内初(※2)のドローンを活用した幅広い農作物に対する散布DXサービス。これまで一般的だった無人ヘリコプターなどによる散布業務だけにとどまらず、散布作業全体をDX化。生産者には、高品質な農薬散布の実施で防除効果の向上、収量・売上の向上をもたらし、共同防除の場合には、防除組合やJAに、DX化による大幅な作業負担の軽減(当日の散布作業の立ち合い不要など)をもたらすという。

「ピンポイントタイム散布サービス」とは

「OPTiM スマート農業サービス 2025」発表内容


1. 数値で見る2024年度「ピンポイントタイム散布サービス」の実績

2024年度の水稲防除における実績では、26府県133市町村のエリアにて、約100防除組合・JA等に国内最大となる約2万6000ha、約11万圃場が導入し、国内ドローン散布サービスにおいて最大規模(※1)となった。また、利用者の94%以上が2025年度の継続利用意向を、92%以上が利用拡大の意向があったという。

2024年度「ピンポイントタイム散布サービス」の実績

2024年度「ピンポイントタイム散布サービス」の提供エリア

2. AI適期防除効果(従来の無人ヘリコプター防除委託との比較)


「ピンポイントタイム散布サービス」では、AIによる適期散布を実現しているところがポイント。従来の一律日程による無人ヘリコプター散布の一般的なデータと、オプティムが実施・検証したAIによるドローン適期散布を比較した結果、着色粒(※3)による等級落ちが大幅に削減し、平均約60%(※4)の品質向上に寄与したという。品質が向上することで、収量が増え売上の向上にも期待できる。


3. 「ピンポイントタイム散布システム」の概要


・散布デジタルマップ作成(特許出願中)

圃場のデジタルマップを作成する。独自のAIを用いて散布対象の地番の正確な位置を特定し、散布効率のよいマップ作成が可能となる。

・パイロットルーティング(特許出願中)

独自のAIが18万パターン以上の演算を行い、パイロットのシフト管理、当日散布を効率的に行うための最適な散布ルートを作成する。

・散布状況可視化

遠隔でリアルタイムに当日の散布進捗を確認することが可能。

「ピンポイントタイム散布システム」の画面イメージ


対応作物の拡大と全国展開を目指す


オプティムは、2022年より実施してきた水稲での「ピンポイントタイム散布サービス」の経験やノウハウを基に、今後は柑橘類をはじめとして、大豆・枝豆、麦、ネギ、カボチャ、サツマイモ等のさまざまな作物で「ピンポイントタイム散布サービス」を提供し、散布DXを実現する予定とのこと。

園芸作物・果樹への展開

※1 2025年1月22日時点、オプティム調べ。
※2 2025年1月22日時点、オプティム調べ。全防除工程(注文書作成からデジタルマップ作成、デジタル管理による補助者なし散布、画像診断による科学的な適期フィードバック等)のDXを実現するサービスとして。
※3 主にカメムシの吸汁等により米粒の表面に黒や茶色の斑点などの着色がみられる米粒。
※4 2025年1月22日時点、オプティムによる「ピンポイントタイム散布サービス」提供エリアでの調査より。


株式会社オプティム
https://www.optim.co.jp/
「ピンポイントタイム散布サービス」の詳細
https://www.optim.co.jp/agriculture/services/pts
製品情報
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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