【イベントレポート】水稲から他作物へ、防除DXからさらなる活用へ ──オプティムが目指すスマート農業の現在地

農林水産省スマート農業について本格的に研究し始めたのが2013年頃のこと。2014年にはスマート農業のロードマップが策定され、ロボットトラクターの実用化や、AI農業、データ活用といった目標を掲げて10年以上が経過しました。

この間、人が作業することなく、AIやセンサーで働く自動走行トラクター、散布ドローンといった機器の普及、営農データの蓄積、AIの活用が進められ、日本の農業は着実に省力化、効率化が進められていますが、10年以上が経過してもなお、現場レベルではまだまだ導入が難しい条件も存在しています。

そんな中、日本のスマート農業の発展とほぼ同時にスマート農業ソリューションを投入してきたのが、株式会社オプティムです。IT企業ながら、代表取締役社長の菅谷氏が佐賀大学農学部出身ということもあり、農業DX分野にいち早く注目。スマート農業のパイオニアとして数々の特許を取得し、現場の役に立つスマート農業ソリューションを投入しています。

そんなオプティムのスマート農業の成果が報告される「OPTiM スマート農業サービス 2026」が、2月9日から開催中です。今回はそんな報告会の概要をお伝えします。

OPTiM スマート農業サービス 2026
https://smartagri-jp.com/news/13277

「ピンポイントタイム散布サービス」の散布面積が3万2000haに


オプティムは、スマート農業に参入した当初から、農業は国の基幹産業であり、労働人口減少の課題をAI・IoTで解決することを目的に掲げてきました。

その代表的なサービスが「ピンポイントタイム散布サービス」、通称「PTS」です。AI×ロボット×農業技術を駆使した共同防除DXサービスとしては国内シェアNo.1を誇ります。

サービスの概要を一言で言えば、事前準備や情報のデジタル化、実際の散布まで含めた、共同防除のあらゆる作業をDX化するというもの。注文書の作成、散布地図の作成・管理、散布作業、生産者ごとの面積集計までまとめて実施してくれます。


特に、気候変動や天候などのトラブル発生時に、柔軟に運用を変更して散布してくれる点は、これまでの日程優先の共同防除とは一線を画しています。いくらDX化しても自然相手の農業においては、突発的なトラブルはつきもの。こういった人が動く部分に関してもAIなどを活用して最適化している点は、農業の現場を知るオプティムだからこその対応と言えるでしょう。

実際に散布面積は全国で3万2000ha、散布圃場数は13万カ所以上。稼働しているドローンパイロットのチームも266チームと、年々拡大し続けていることも伝えられました。さらに、水稲だけでなく、果樹やネギなど対象作物も拡大しています。



ドローンの多様な活用法 遮光・遮熱剤の散布


オプティムが実施する散布DXサービスはこれまでは防除中心でしたが、気候変動対策として、ハウスなどに遮光・遮熱剤をドローンで散布するサービスが2025年からスタートしています。農業用温室に限らず、畜舎や工場・倉庫といった遮熱対策が必要な施設にも展開可能で、販売パートナーと連携して普及を進めていくとのこと。


さらに、農作業の中でも除草・収穫・貯蔵などの作業支援サービスも拡充し、労働力不足と気候変動という「二重の課題」に対して、現場作業そのものを支えるラインナップを増やす方針が示されました。


加えて、補助金活用を前提とした協議会運営の負担(周知、希望調査、作業者手配、報告書作成など)を、専用Webやアプリ、AIを用いて軽量化する運営DX・コンサルティングの提供も提示され、自治体側の事務負担を下げつつ、地域の対策実行を加速させるとしています。


スマート農業を始めたい個人・JA・自治体などに有益な情報も多数


ここまでお伝えした以外にも、初心者からのドローンパイロット育成とドローン防除作業のあっせん、オプティム・ファームによる地域農業の実践と研究開発の事例などなど、さまざまな取り組みが紹介されました。また、JAや自治体の共同防除のように、関係者が多く、天候変動の影響も強い領域ほど、計画・実行・記録・精算の一連をDXする効果が大きいことが、オプティムの取り組みからもわかります。その意味では、より効率的な委託先を検討している場合は、有益な情報となるでしょう。

もちろん、スマート農業に興味がある農家・法人にとっても、具体的なサービスの概要と成果が見えるため、検討しやすいと思います。

個々の農家が抱え込みがちな作業を、デジタルと分業の仕組みでサービスとして集約し、規模の利益とデータ活用によって生産性を上げていく。その際、高額な農機などを販売するのではなく、あくまでサービスの対価としてのスマート農業ビジネスをオプティムは実施しています。

日本の基幹産業である農業を持続可能にしたいという思いが、オプティムのスマート農業ソリューションに一貫している思想です。

スマート農業を導入したい、あるいは効率的な農業に挑戦したいと考えている方は、「OPTiM スマート農業サービス 2026」を視聴してみてはいかがでしょうか。

今後の実施予定
2026年3月6日(金) 13:00〜15:00


ドローン適期防除サービス | ピンポイントタイム散布
https://www.optim.co.jp/agriculture/services/pts
農業DX事業|オプティム
https://www.optim.co.jp/business/agriculture


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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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