2022年度の「スマート農業実証プロジェクト」21件が採択 「産地形成」がキーワードに

農林水産省農研機構は、「2022年度スマート農業実証プロジェクト(スマート農業産地形成実証)」の委託予定先事業を決定し、21件の採択地区とその概要を公開した。2019年度は69件、2020年度は52件、2021年度は31件だった。

2022年度のスマート農業実証プロジェクトは、応募総数25地区について、外部の有識者等による厳正な審査を踏まえ、農水省が設置した運営委員会において21地区の採択地区が決定された。

スマート農業を活用した産地形成


「スマート農業実証プロジェクト」 は、農林水産省と農研機構が2019年に開始したスマート農業に関する実証プログラム。2021年度は「輸出」「新サービス」「スマート商流」「リモート化」「強靭な地域農業」という5テーマが掲げられていたが、2022年度はスマート農業による産地形成が共通テーマとなっている。


審査にあたっては、産地単位でのスマート農業技術の活用、作業集約やシェアリング、経営改善といった目標が検討され、先進性や有効性、無理のないスケジュールと費用対効果、実証後に産地に定着することなどが比較・検討された。個別の生産者が活用できる栽培技術そのものよりも、シェアリングやフードバリューチェーンなどを意識した、生産から出荷までの持続可能な農業が進められている。

2022年の採択21件の内訳は、北海道が4件、東北・関東が3件、中部が4件、近畿・中国・四国が3件、九州・沖縄が7件。水稲が減少した代わりに、小麦・大豆・トウモロコシといったコメからの転作が期待されている作物やさとうきびなどが増加。野菜や果樹なども地域性の高いものが取り組まれていく。


(お知らせ) スマート農業実証プロジェクト(スマート農業産地形成実証)の採択について
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/naro/152061.html

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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