休みはあるの? 農業研修生のリアルな1週間【目指せレモン農家! 槇紗加の農業奮闘記 第3回】

こんにちは! レモン農家を目指し、神奈川県小田原市の矢郷農園で農業研修中の槇 紗加(まき さやか)です。

第3回では、農業研修生である私のリアルな1週間についてご紹介します。


このコラムをお読みいただいている方の中には、これから新規就農を目指して研修をはじめるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。「研修って、どんなことをするの?」「休みはあるの?」「農家さんのもとに住み込みで働くイメージがある」など、気になることも多いはず。

私自身、師匠の農園に雇用していただきお給料をいただいて働くという形をとって研修しています。また、住み込みではなく一人暮らしをしながら農園に通っているため、自分の時間も確保できています。

このように、イメージと異なる部分も多い農業研修について、実際にリアルな1週間のスケジュールをお見せすることで少しでも研修に対する不安を払拭できたらうれしいです。

もちろん、研修先の農園によってスケジュールは大幅に異なります。野菜や果樹、花きなどの種別によって作業時間や頻度が変わってきたり、農園によって雇用形態が違ったりするためです。

私のスケジュールは以下のようになっており、しっかりお休みもいただいています。


今回ご紹介するのはあくまで一例となっています。なりたい農家のカタチを整理してからそれに合った研修先を探してみてください。

平日は農作業! とにかく実践を重ねて学ぶ


私が所属している矢郷農園では、7:30~11:30、13:00~17:30が作業の時間となっています。間の1時間半はお昼休憩です。

晴れの日は、基本的には外で農作業をします。矢郷農園ではレモンだけでなく、みかん・オレンジ・キウイフルーツ・梅・オリーブなどさまざまな種類の作物を育てているため、行う作業はさまざま。日によって異なる作業を、とにかく実践を重ねながら学んでいきます。

雨の日は、小屋の中で作業をします。収穫した作物の選別を行ったり、梱包作業を行ったりと室内でできる作業を行います。私が学生時代にインターネットに関する企業でインターンをしていたこともあり、農園のHPづくりやECサイトへの出品作業を行うこともあります。

農作業は体力勝負なので、しっかり休みを取ることも非常に大切です。11:30~13:00は1時間半のお昼休憩。ご飯を食べたり、ゴロゴロしたり、自分の好きなスタイルで自由に過ごすことができます。私がお昼休憩に欠かせないのは何と言ってもお昼寝。横になって体を休めることでリフレッシュでき、午後からの作業も頑張ることができます。

このように、矢郷農園ではしっかりお昼休憩を取ることで農作業の効率を上げています。


農作業が終わって帰宅したら……


17:30に農作業が終わったら、帰宅します。帰宅後は、就農後に備えた準備をすることが多いです。

具体的には、インターネットや本を用いて情報収集をしたり、地域のイベントでのプレゼンやコラムの執筆・SNSの投稿などを通して将来やりたいことを発信したりします。

▲地域でプレゼンしたときの写真

新規就農するにあたり事業計画を作成する必要があるため、周りの人に相談しながら計画を作っていく作業も行います。

また、矢郷農園の矢郷さん・高橋さんや同世代の農業研修生友達とご飯に行くこともあります。楽しくワイワイ過ごしたり、真剣に相談し合ったり、いろんな話をします。

このように帰宅後は何かしらの作業をしたり外にご飯に行くことが多いですが、農作業で疲れたときは頭が回るようになるまでのんびりお風呂に入ったり、帰ってすぐに寝ることもあります。農業は油断するとケガをしてしまうこともあるので、日中の集中力を保つためにも自分の体と相談しながらしっかり休むことが大切です。

土日は基本的にお休み


「農業研修って休みはあるの?」と休みについて気になっている方もいらっしゃると思います。矢郷農園では、キウイフルーツの受粉時期など農繁期以外は土日はお休みしています。

農園によってさまざまですが、農の雇用事業という国の補助金を活用している場合は支給の条件で研修生の休みが確保されているため、しっかり休むことができると思います。

土日の休みでは、師匠の矢郷さんが矢郷農園とは別の団体で運営している貸し農園に遊びにいったり、友達とプライベートを楽しんだり、1人でふらっと出かけてリフレッシュしたり、自由に過ごしています。

研修先選びは慎重に!


今回は、研修生のリアルな1週間をご紹介しました。冒頭でも述べたとおり、研修する農園によって形態はさまざまです。

私はお給料をもらいながら研修していますが、無給のところや逆に研修生が受講料金として金銭を支払うケースもあるそうです。中には研修生を利用する悪質な農園に入ってしまうことも。研修をはじめる前にしっかり下調べをすることが重要になってきます。

農業に興味を持って、これから輝くはずの方が研修の段階で折れてしまうのは本当に悲しいことです。夢を持った若者を潰してしまうような研修先に入らないように、周りの方にしっかり相談しながら慎重に決めましょう。

農業研修についての相談など、私でよければいつでも答えるのでぜひぜひSNSなどでご連絡ください!

槇 紗加Twitter @maru_nougyo

今回も最後まで見てくださりありがとうございました。次回のコラムもお楽しみに!

余談ですが、先日熱中症になってしまいました。普段、しっかり休んでいても体調不良になるときはなるものです。自分の体と相談しながら、おかしいな? と思ったら農作業の手を止めて休むことが重要だなと私自身学びになりました。みなさんもお気をつけください!
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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