子どもの朝食、ご飯とパンどっちがいい?

こんにちは! 離乳食インストラクターの中田馨です。

朝ご飯というと、「ご飯派?パン派?」なんて話を1度はしたことがあるのではないでしょうか? 今回は、「子どもの朝食、ご飯とパンどっちがいい?」というテーマでお話しします。

世間一般、ご飯派とパン派、どちらが多いの?


皆さんもご存じの通り、昔から日本人の主食は、「ご飯」です。でも近年、それが変化しているようです。

全国農業協同組合中央会(JA全中)が2014年に実施した「朝食に関する意識調査」によると、朝食に最もよく食べるものとしてご飯派が39%、パン派が50%と回答しています。

また、別の資料を見てみましょう。朝ごはん実行委員会「作り手の意識から見る朝食実態調査」(2002年12月)によると、「食べさせたい朝食」は、ごはん食が72.1%で、パン食が24.6%。それに対して、「実際に作っている朝食」は、ごはん食メイン派が36.1%で、ごはん食とパン食両立派は15.4%。パン食メイン派が48.6%という結果でした。

資料が少々以前のものだといえども、この比率は現在もそう変わらないか、もしかすると、実際に作っているのはパン食派が多いかもしれません。どうしてもご飯は「時間がかかる」「調理が面倒」といったイメージがあるようです。


子どもの朝食、ご飯とパンどっちがいいの?


「子どもの朝食、ご飯とパンとどっちがいい?」という問いには、おすすめは「ご飯」という答えです。実はこれ、子どもだけでなく大人になっても「ご飯」がおすすめです。

ご飯とパンを比較すると、以下のような特徴があります。

・ご飯はパンに比べて、脂質が少ない
可食部100g当たりのご飯の脂質は0.3gで、食パンの脂質は4.1g。10倍以上違うのがわかります。

・ご飯のおかずはヘルシー。パンのおかずは脂質の多いおかずになる傾向がある
ご飯の朝食のおかずといえば? お味噌汁に焼き魚、おひたし、煮物のような和食がイメージされます。パンのおかずといえば、コーンスープ、目玉焼き、ベーコン、サラダというメニューがイメージされますね。見てもらってわかるように、パンは脂質が多いメニューになる傾向があります。

・パンには、塩分、糖分、添加物が含まれている
パンは小麦粉から作られた加工食品ですので、作る際に、塩分、糖分、添加物、油などを入れます。ご飯には、塩分、糖分、添加物は含まれていません。

・ご飯の方が噛める
ご飯の粒を噛み砕こうと思ったら、何度も何度も噛まなければいけません。よく噛むと、顎が育って、将来の歯並びやお口の環境にもよい影響を与えてくれます。

他にも、ご飯の方が腹持ちが良かったり、血糖値の上昇が緩やかだといいます。

また、内臓機能が未発達で胃が小さい赤ちゃんにとっても、シンプルに素材のままでいただけて、さらに腹持ちが良いという理由でも「ご飯」がおすすめなのです。


子どもの発達への影響は?


ご飯とパンを比較したときに「ご飯の方が、噛める」と紹介しましたが、少し噛むことについて深堀りしていきましょう。

「1回の食事に何回噛んでいますか?」と質問されてすぐに答えられる方はいないと思います。もちろん私も数えたことはないのですが、農林水産省のサイトでは「戦前の食事は、1回に1420回噛んで、約22分の食事時間に対し、現代の食事は、1回に620回噛んで、約11分の食事時間」とのこと。戦前の人々に比べ、私たちがどれほど噛んでいないかがわかります。

子どもの時に「よく噛んで食べなさい」なんて親から言われた経験のある方もいると思います。なぜよく噛むのがいいのでしょう? よく噛むことで得られる効果は様々あります。

・味覚の発達
よく噛むと、よりその食べ物を味わうことができます。お米は噛めば噛むほど甘みを感じることができます。

・顎の発達
よく噛むと、顎が発達し、将来の歯並びにも良い影響を与えます。また、唾液が分泌されるので口の中がきれいになります。

・脳の発達
よく噛むと、脳細胞の動きが活発になります。


小さなひと粒のご飯は、よく噛まないとなかなか飲み込みにくいものです。よく噛むことができるお米を食べることはメリットがたくさんあるのです。

パンではダメなの……?


ご飯がおすすめ! というお話をすると、「じゃあ、パンはダメなの?」と思ってしまいますが、そうではありません。パンもおいしい食材のひとつですので、子どもや赤ちゃんに味を合わせてあげたいものです。

前にも書きましたように、パンには脂肪分、塩分、糖分、添加物など、赤ちゃんには気になる部分がありますので、与える頻度や量に気をつけながら、ご飯と併用していただければと思います。

パンは、食パンを選ぶとよいでしょう。バターロールはやわらかくて、赤ちゃんが食べやすそうに感じますが、バターが食パンの倍以上含まれていますし、トランス脂肪酸が気になるマーガリンを使用しているものもあります。

総菜パンや菓子パンは、糖分や塩分、油分も多く、赤ちゃんには不向き。ということで、やっぱりシンプルな食パンがおすすめです。また、近頃増えてきた、米を砕いて粉にした米粉の「米粉パン」を使ってもいいかと思います。

赤ちゃんや家族の朝食を何にするか考えるとき、お米の良さを思い出してもらえたら、とてもうれしいです!

 

 

■子どもにあんしん・安全なお米を選ぼう!


子どもの成長にとって良いことばかりのごはん食ですが、お米を買うときは農薬や化学肥料の使用量を抑えて育てられた、子どもや家族みんなにあんしんなものを選びたいですね。

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、AI・ドローンなどを利用し、農薬の使用量を最小限に抑えたお米です。

スマート米は、玄米の状態で第三者機関の検査により「残留農薬不検出」と証明されたお米、農林水産省ガイドライン「節減対象農薬50%以下」のお米、そして「特別栽培米」もお選びいただくことができます。

お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。



農政ニュース/JACOM
https://www.jacom.or.jp/archive01/document/news03/03021204.html
食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/
ゆっくり食べる:農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics4_02.html
朝食に関する意識調査 | リサーチ・リサーチ|調査データ探すならリサリサ
https://www.lisalisa50.com/research20140818_6.html
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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