赤や紫のお米「古代米」は栄養価が高い? 炊き方は?【ごはんソムリエのお米コラム】

料理研究家でごはんソムリエの秋元です。この連載ではお米をおいしく食べるために“知っておくと役に立つお話”やレシピをお伝えします。

最近、よく見かけるようになった赤や濃い紫色のお米。市販の雑穀ミックスに入っていたり、ほんのりピンクに色づいた雑穀ごはんがデパ地下のお弁当やビュッフェに並んでいるのを目にすることもあると思います。

今回は見た目がきれい! だけではないこの「有色米(古代米)」について、種類や栄養、食べ方など、知っておくと便利な知識をご紹介したいと思います。


有色米ってどんなお米?


有色米とは、玄米の表面部分に色素が含まれている色のついたお米のことです。赤い色のついたお米は「赤米」、濃い紫色のお米は「紫黒米(黒米)」と呼ばれたりしています。

また、有色米は稲の伝来時期から栽培され、古代の稲の特色を色濃く残していることから「古代米」と呼ばれることもあります。

代表的な有色米


代表的な有色米は、赤い色の「赤米」と濃い紫色の「紫黒米(黒米)」。それぞれに粘り気の少ない細長い形状の「インディカ」と日本で主に栽培されている「ジャポニカ」があり、さらに「うるち」と「もち」のお米があります。

栄養価は?


玄米ですから、当然白米と比較した時には、たんぱく質や各種ビタミン、ミネラルが多く含まれていますが、特出すべき栄養素は色素部分。赤米にはタンニン、紫黒米にはアントシアニンというポリフェノールの一種が含まれていて、活性酸素を取り除く抗酸化作用、血糖値の上昇を抑制する機能性があるといわれています。

体の中で活性酸素が作られると生活習慣病の引き金になってしまいます。このことから、有色米にはガンや動脈硬化、糖尿病、脳卒中などの予防の他、老化制御に対する効果も期待されているのです。


食べ方は?


有色米は玄米ですが、色素部分のポリフェノールには渋みがあるため、そのまま炊くよりも白米に1〜3割を混ぜて白米と同様に炊飯することをおすすめします。洗米は色が出やすいので、白米とは別に小さなボウルなどでさっと2回程度洗い、白米と合わせて水加減、浸水して炊飯しましょう。

色のついたごはんを白米の代わりに楽しむのはもちろん、チャーハンやリゾット、ピラフ、お赤飯風に豆を入れたり、さつまいもなどを入れて炊いても美味しくいただけます。ちらし寿司や海苔巻きに使うと、とても華やかに仕上がるので、イベントのごはんとしても楽しめます。


健康への関心が高まる中で、有色米は色のついたごはんや菓子、餅、酒などさまざまな加工食品にも利用されています。有色米は食卓に彩りや楽しさを添えるだけでなく、天然の健康・長寿食材としても注目されているのです。

市販では雑穀ミックスの中に入っていたり、古代米、赤米として自然食品のお店やネットで販売されていますので、皆さんも食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

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忙しい方や、家族の中で自分だけ玄米を食べるという方も、いつでも手軽にふっくら玄米をお召し上がりいだだけます。


「スマート米」とは
全国各地のこだわりの農家さんと共にスマート農業を活用し、農薬の使用量を抑えて育てています。
玄米の状態で第三者機関の検査により「残留農薬不検出」と証明されたお米、農林水産省ガイドライン「節減対象農薬50%以下」のお米、そして「特別栽培米」も選ぶことができ、家族みんなにあんしんなお米です。

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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