「新米」の語源とは? 新人との違いや使い方も解説

いよいよ新米のシーズンですね。

新米といえば、お米だけでなく新人や不慣れな人のこともそう呼んだりしますよね。新米ママ・パパや新米教師など、世間ではよく使われている言葉ではありますが、どうして「米」という字が使われているのか不思議に感じたことはありませんか?

語源には諸説あり、純白のお米のようだからという説もあるとか。今回は、不慣れな人のことを指す「新米」の語源をはじめ、似た意味を持つ新人との違いなどについて説明します。


「新米」の語源


特定の物事に対して不慣れな人という意味を持つ「新米」は、江戸時代から使われていたとされています。なぜ、「米」という字が使われるようになったのでしょうか。諸説ある「新米」の語源を紹介します。

純白なお米説
白いお米のように、まだ何色にも染まっていないことから新米と呼ばれるようになった。

江戸に人が集まるようになって米も集まった説
江戸に職を求めて人がやってくるようになるとともに、たくさんのお米が集まるようになり庶民的な食べ物になったことから、新人の「人」という文字と米をかけて新米と呼ばれるようになった。

新前掛けから新米になった説
雇われたばかりの人は新しい前掛けをしていることから、新人を新前掛けと呼ぶようになった。これが新前と略され、さらに訛って「シンマイ」となり米という字が当てられた。

新前から新米になった説
日本語では「男前」や「腕前」といった言葉があるが、元々「前」という字は「それらしいこと・もの」という意味を持つ。新人のことを新しいものという意味で「新前」と呼んでいたが、だんだんと音が変化していって米という字が当てられるようになった。

「新人」との違い


新米と新人は同じような言葉としてとらえている方も多いと思いますが、実は言葉の持つ意味や使い方に違いがあるのをご存知でしょうか。

新米は、仕事などを始めたばかりで慣れていない人のことを指しますが、一般的には職場の上司や先輩から呼ばれたり、自ら名乗る時など謙遜した言い方で使われたりしています。

一方で、新人は会社などの組織に新しく加わった人という意味で使われるので、中途採用や部署移動などで仕事や作業に慣れている人にも使われている言葉です。

新米と新人という言葉は、仕事や芸事など特定の物事に対して慣れているかどうかが大きな違いになります。混同してしまいがちですが、新米が「不慣れな人」、新人が「新しく加入した人」と覚えるようにしましょう。


いつまでが新米?


お米の場合、現在では収獲された年の12月31日までに精米と袋詰めされたものが、新米と表示できることになっています。

人に対して使う新米の場合は、明確に期限が決められている訳ではありませんが、会社員などでは入社から1年経過すると新米ではなくなるというのが一般的です。また、日本で昔から受け継がれてきた伝統職では、1年を経過しても新米として扱われることもあるようです。


今回は、「新米」という言葉について深掘りしてみました。新米の語源を知ることで、改めて日本人とお米の強いつながりを感じることができたのではないでしょうか。


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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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