秋から始めたい「ごはん」で体の中から冷え性対策

栄養士の堀口泰子です。

秋を感じる季節となりましたね。気温が下がると、手足の先端や腰など冷えが気になる人は多いのではないでしょうか。冷え性は一見、女性特有のものと思われがちですが、男性やお子さんでも冷えを感じる人は意外に多いようです。

おすすめなのが、「ごはん」を食べること。なぜごはんを食べると冷え性にいいのか、その理由をご紹介します。

本格的な冬を迎える前に、食生活から冷え性対策を始めてみませんか。


ごはんが冷え性にいい理由


基礎代謝を上げる


健康的な人の体温はおおむね36度から37度で、理想的な平熱は36.5度以上と言われています。私たちの体は寒さを感じると、血管が収縮して体内の熱を外に逃がしにくくしたり、震えによる筋肉の運動で熱が産生されるなど、体温を調節する機能が備わっています。

人は食べることで活動に必要なエネルギーをつくります。そのエネルギーの多くは基礎代謝といって、体温維持など、生きるために必要なエネルギーとして使われています。しかし、不規則な食生活や減量などによって必要なエネルギーが不足すると、基礎代謝が下がり、体熱や血流が影響を受けて冷えを感じやすくなります。そのため、まずはしっかり食べることが大切です。

また、熱量を作り出す栄養素の中でも、炭水化物は素早く熱をつくる効率の良いエネルギー源です。主食としておすすめしたいのはごはん。ごはんは粒食なので咀嚼が必要で、よく噛むことで胃腸の筋肉が活動し、熱を発生します。

特に起床後は就寝中に体温が下がっているため、活動のためのエネルギーを朝食として補給し、体温をあげる必要があります。朝食にごはんをしっかり食べることが冷え性対策になるのです。3食規則正しく食べられない場合は、エネルギー不足を補う工夫をしてみましょう。


冷えの原因のひとつ、ストレスを軽減

冷え性にはさまざまな要因があります。不規則な生活やストレスもそのひとつ。

幸せホルモンと言われるセロトニンは交感神経と副交感神経を調整する働きを活性化するので、ストレス軽減の助けとなります。またセロトニンは睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンに変化するので、セロトニンを増やすことは質の高い睡眠に繋がります。

セロトニンの原料となるのは必須アミノ酸のトリプトファンで、大豆製品やお米にも含まれています。朝食にごはんを食べることで、自然な眠りを誘い、入眠しやすくなります。

日ごろから規則正しい生活を心がけ、ストレスを溜め過ぎないよう心がけましょう。

腸内環境が整う


冷えは腸とも関係しています。腸内環境を整えると腸の動きが活発になり、血流がよくなることで冷えの改善が期待できます。

ごはんにはレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)が含まれていて、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方の特徴を兼ね備えています。ごはんを食べることで腸内環境を整えることができるのです。

女性に冷え性が多い理由と食事の関係は?


運動を行うと筋肉でエネルギーの産生が高まり、体温が上昇します。このことから、筋肉量が少ない女性に冷え性が多いことが理解できます。また、筋肉量が減少すると基礎代謝が低下するので、冷え性を招きやすくなります。

前述のとおり、筋肉量の低下は運動不足だけでなく、栄養不足によっても起こります。必要エネルギー量が不足すると、生命維持のためにたんぱく質が分解されて、エネルギー源になります。必要以上にごはん量を減らすと筋肉量が減少するため、冷え性を招くことになるのです。たんぱく質だけでなく、炭水化物、脂質はバランスよく摂取する必要があるのです。

また、食べたものを体温や筋肉につくりかえるための代謝にはビタミン、ミネラルといった副栄養素が必要です。理想的なエネルギー産生栄養素のバランスを目安に献立を考えてみましょう。


ごはんを全体のおよそ6割、残り4割はおかずと具だくさんのみそ汁にしてみましょう。ごはんを軸にたんぱく質と副栄養素を意識して食べることで、理想的なエネルギー産生栄養素のバランスに整えることができます。

また、鉄分不足による貧血も冷え性の原因となります。食事全体の栄養バランスを整えることは冷え性対策にはとても大切なのです。


いかがでしたか。ごはんを食べることでさまざまな角度から冷え性対策に期待が持てそうですね。

また、冷え性は医学的な病名ではなく、身体症状のひとつと言われていますが、貧血や糖尿病、甲状腺機能低下症、動脈硬化など、何らかの病気が起因して血流が悪くなることで冷えを感じることがあります。自己判断をせず、かかりつけ医に相談してみることも大切です。

睡眠の改善やメンタルの安定に「お米」を食べよう!

堀口泰子
栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じてさまざまな食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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