睡眠の改善やメンタルの安定に「お米」を食べよう!【栄養士がごはんをすすめる理由】

栄養士の堀口泰子です。ごはん(お米)が心とカラダにもたらす変化について、3回シリーズでお伝えしています。

最終回は「睡眠とメンタル」編です。現代のストレス社会を生きるわたしたちにとって、睡眠やメンタルの安定は大きな課題と言えます。睡眠やメンタルは食生活にも大きく影響を受けています。ごはんを食べると良い理由について見てみましょう。

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睡眠の質が良くなる


日本人は、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中でも睡眠時間が特に不足している国のひとつです。睡眠は、心身の疲労感を軽減する働きがあります。睡眠不足や睡眠の質の悪化は、生活習慣病のリスクにつながることもわかってきました。厚生労働省でも「健康づくりのための睡眠指針2014」で心とからだの健康づくりにおける睡眠の重要性について示しています。

睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」は、体内時計に働きかけることで、自然な眠りを誘う働きがあります。メラトニンは「セロトニン」という神経伝達物質を原料としており、セロトニンは必須アミノ酸である「トリプトファン」によって合成されます。

そのトリプトファンは卵、大豆製品、乳製品のほか、お米などの穀類にも含まれるので、ごはんは睡眠ホルモンの材料にもなるのです。


朝、目覚めて光を浴びると、体内時計がリセットされ、体は活動状態に導かれます。朝食にごはんをよく噛んで食べることは胃腸を活発に動かすため、体を活動状態に導くことにも繋がります。

また、目覚めてから14~16時間ぐらい経過すると、睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されます。徐々にメラトニンの分泌が高まり、その作用で深部体温が低下して、休息に適した状態に導かれ眠気を感じるようになります。

朝食を欠食すると、カラダの目覚めを遅らせるだけでなく、体内時計のリズムが乱れるため、メラトニンの分泌が高まる時間が遅れ、深い眠りにつく前に朝を迎えてしまうことにもなりかねないのです。


また、夕食時間が遅かったり、寝る前に脂質が多いものを食べると消化吸収に時間がかかるため、深い睡眠を妨げることになります。パンやスパゲッティと比べてもごはんは脂質が少ない主食なので、睡眠前の消化器官に負担をかけにくい利点もあります。

忙しくて睡眠時間を長く取れなくても、睡眠の質を良くするためにできることはありそうですね。

メンタルの安定・幸せホルモンが味方になる


セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれており、緊張やストレスを感じると分泌されて、自立神経を整える働きをしています。

材料となるトリプトファンは体内で合成できない必須アミノ酸であるため、食事から摂取する必要がありますが、穀類や大豆製品にも多く含まれており、ごはんとみそ汁、納豆ごはんといった和食は幸せホルモンであるセロトニンの産生にも役立つのです。


さらにセロトニンは、主に小腸で産生され腸蠕動(ちょうぜんどう)に関与しています。パンや麺類と比較するとそしゃくが多く必要となるごはんを食べることは胃腸の活動を活発にするため、セロトニンを作りだす助けもしているのです。

また、ごはんの量を必要以上に減らしていると、カラダは糖質不足から甘いものを欲します。砂糖などの甘いものを食べると血糖値は急上昇した後、急下降してしまいます。低血糖状態に陥ると落ち込んだりイライラしたり、精神的に不安定になりやすいのです。

一方で、お米の糖質は分解されてからゆっくり吸収されるため、血糖値の上昇も緩やかです。お米をよく噛んで食べることはメンタルの安定や幸せホルモンを作る助けをしていると言えそうです。

いかがでしたか? ごはんが現代を生きるわたしたちの心とカラダを健やかにする可能性についてご紹介しました。ごはんをよく噛んで食べて、ストレスのない健康的な食生活にお役立てください。

厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針」(2014年)(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf
文部化科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html

堀口泰子
栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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