エアコンが寒い、夏の冷え対策に積極的にとりたい体を温める食事とは?

栄養士の堀口泰子です。

厳しい暑さが続いていますね。熱中症予防のためにもエアコンは欠かせません。その一方で、冷房による冷えの対策も大切です。

そこで今回は、食事による夏の冷え対策をご紹介します。


夏の冷えの原因は?


冷房で冷えた身体は、屋外との温度差に適応できず自律神経のバランスが乱れると、血流の低下により冷えを感じやすくなることがあります。冷房は適度に利用しながら、身体を冷やしすぎないように、カーディガンやスカーフ、靴下など服装で調整する必要があります。

しかし、夏の冷えは冷房だけが原因とは限りません。冷たいものを口にする機会が多いので、たくさん飲みすぎて消化液が薄まると消化不良を招きやすくなります。

さらに胃腸が冷えて血流が下がり胃腸の活動が低下すれば、栄養を体に十分に取り入れることができません。時には温かいスープなどを意識してとる必要があるでしょう。

また、暑さで食欲が落ちたり、冷たい麺などで簡単に食事を済ませていると、栄養バランスが崩れます。特にたんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維などが不足します。欠食やダイエットでも同様に栄養不足が起こる可能性があります。

人は食べることで活動に必要なエネルギー得て、体熱を産生しながら体温を維持しています。その多くは筋肉で作られ、活動することで体温は上昇します。

しかし、必要なエネルギーが不足すると、熱産生の役割をする筋肉量が減少し、体熱や血流が影響を受けて冷えを招きやすくなります。筋肉量が減少すれば冷えも起こりやすいのです。

暑さが厳しい夏は屋外での活動が少なくなり、運動量も少なくなるので、筋肉量を維持するためにも食事を意識する必要があります。

夏に食べたい体を温める食材




脂質が少ないエネルギー源。食物繊維が豊富で、よく噛んで食べることができるので、胃腸の活動を促します。体調を整えるビタミン、ミネラルも豊富です。

  • 豆腐、納豆、鶏むね肉、ヒレ肉など

脂質が少ないたんぱく源。消化に負担をかけません。

  • 緑黄色野菜、魚介類、海藻類など

ビタミン、ミネラルが体調を整えます。血流を促したり、血液産生を助ける役割があります。


夏は食欲不振から栄養不足が起こりやすいので、よく噛んで食べることで胃腸の活動を促すことが大切です。

また、炭水化物は消化吸収が早いのでエネルギーに変わりやすい栄養素です。中でもお米は脂質が少ないので、消化に負担が少なく、よく噛んで食べることができます。自律神経を整えるために役立つトリプトファンも含まれています。

玄米は白米と比べるとGABA、食物繊維、ビタミンB1、B2、B6、マグネシウムが多く含まれており、自律神経を整えてくれるので冷え対策として期待できます。

玄米と合わせる温かい料理として、野菜や豆腐を入れた具だくさんのみそ汁は手軽に栄養不足を補えるだけでなく、熱中症対策にもでもよいですね。体を温めるとされるしょうが、一味や七味の唐辛子を加えるのもおすすめです。


いかがでしたか。玄米など今回紹介した食材を中心とした食事でしっかり栄養をとり、冷え対策を万全にして暑い夏を元気に乗り切りましょう。

堀口泰子
栄養士。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。健康食育事業やアスリートサポートに従事。健康的で美味しく食べる食事術を伝える。講演、栄養指導、コラム執筆、レシピ、商品開発、料理講師など幅広く活動。離乳食から介護予防まで様々な食育活動のなかで、健康に役立つお米の食べ方を紹介。スポーツの現場ではジュニア育成と競技競技力向上ための心と体の成長に注力している。
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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