日雇い農作業をスマホで受発注できる「ワクラク」、導入事例を公開

Wakrak株式会社は2019年3月より、デイワークアプリ「ワクラク」のサービス展開を熊本県でスタート。その導入事例として、熊本県の農家と実際に働いた学生の導入事例インタビューを公開した。


「ワクラク」は登録者5万人を超える日本最大級のデイワーク(日雇い労働)サービス。2018年10月のサービスリニューアル以来、関東を中心に6都道府県にサービス提供エリアを拡大している。

ユーザー側は、「アプリのダウンロード」「プロフィールの入力」「ワークの契約」の3ステップでデイワーク(日雇い)の仕事を決定でき、履歴書や面接を受ける必要なく、スマホ一つで仕事への申し込みが完結する。

また、利用企業は都内や近郊の大衆居酒屋からカフェ、高級レストランといった飲食店やEC企業、イベント会社、ホテルなど幅広い業種で活用されており、募集の日時や内容を専用の管理画面で入力するだけで簡単にアプリに反映され、契約者が現れると通知が届き、契約書と顔写真や名前、年齢、プロフィールを確認するだけ。この手軽さと1日単位で働けることが大学生やフリーター、主婦と相性がよく、登録者(ワーカー)数は5万人を突破したという。

熊本県の導入事例は、人口減少や高齢化に伴い人手不足が深刻化する農業の人手不足解消のために導入した農業法人、株式会社味咲。企業側とワーカー側の双方へのインタビューをご紹介する。

株式会社味咲 インタビュー(代表取締役社長 坂本清一氏)


──農業においての人手不足の状況を教えてください。


農業には「農繁期」と呼ばれる時期があり、田植えや収穫期は特に忙しくなります。年間通して人が必要というよりは農繁期に助けてくれる人手が必要になります。ですので、必要な時にバッと人を集められるワクラクは農家にとってすごく相性のいいサービスだと思っております。

──ワクラクの導入に至った背景を教えてください。

導入に至った背景は2点あります。1点目は農繁期に対する人手不足の解消です。もう一点は若い人たちに農業に興味を持ってもらいたいという思いです。一日単位のアルバイトを通して農業に興味をもつ人が一人でも増えると嬉しいなと思います。

──最後に、ワクラクは熊本や九州で普及すると思いますか?

はい。とてもニーズがあるサービスだと思っています。九州圏では、業界・職種問わず人手不足が起きているので、どの企業も利用したいと思いますよ。農業に特化する必要は無いと思うので、いろんな企業様に使ってもらえるといいと思います。それが熊本、九州の発展に繋がるんじゃないかと考えています。

ワーカーインタビュー(九州東海大学 草野壮大氏)


──ワクラクを使ってみた感想はどうでしたか?

普段のアルバイトは飲食店のみですが、その中で農家さんの仕事ができたことはすごくよかったです。また、普段のアルバイトまでの手順は履歴書とか面接などがありますが、それがワクラクだと簡単な個人情報の登録をスマホで完結できる点が何よりもよかったです。

──味咲(農家)様で働いてみてどうでしたか?

普通に学生をしていたら、絶対にやる機会がない農家さんでの仕事だったのですごく不安でしたが、やったことない仕事をとても気さくに丁寧に教えてくれました。仕事内容はみかんの収穫と選別作業です。ワーク時間は7時間と長時間だったのですが、楽しかったのでとても時間が短く感じました。

──ワクラク を利用するメリットを教えてください。

柔軟に予定を組むことができるのでとても助かります。給料もすぐに申請ができるので、お金が苦しい時は重宝しています。また、シフトを組むまでもないけど、やってみたいアルバイトがあって、それを気軽に試すことができることです。個人的にはアパレルとかやってみたいです(笑)。
このお試しでのアルバイトを経て、将来やりたいことが見つかるかもしれないという期待感も含めて、すごくいいサービスだと思っています。

※ ※ ※

繁忙期に近隣の農家同士で協力することは現在も行われているが、農業従事者の高齢化や人口減少による人材不足は待ったなしの状況だ。農業に従事できる人数が減っている地方自治体ほど、今後はこのようなサービスが役立つかもしれない。

<参考URL>
Wakrak株式会社
「ワクラク」導入事例
株式会社味咲

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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