果実非破壊測定器 「おいし果」 の新モデルが発売

千代田電子工業株式会社が、果実専用の非破壊測定器「おいし果」の新モデル「おいし果CD-H300」と「おいし果CD-H240」を発売した。価格はオープン。
これにより従来の「おいし果」で解決できなかったコスト面での課題や、より専門的な測定が可能となった。


糖度測定専用モデルと農研機構との共同開発モデルを発売

従来モデルの「おいし果 CD-H100」は、果実や野菜の糖度・熟度を“0.5秒”で瞬間測定できるハンディタイプの非破壊測定器だ。

フル充電時の測定可能回数は3,000回以上で、2,000件のデータの記憶が可能、100件の検量線が登録でき、糖度は30Brix、硬度は10Kgまで表示する。本体重量は550gで7.4Vのリチウムイオンバッテリーを使用している。

対応果実は、トマトやブドウ、桃、梨、リンゴ、柿、小玉スイカ、メロン、ミカン、マンゴ、 イチゴ、トウモロコシ等で、現在も静岡県を中心に、桃太郎トマトを栽培する農家や、クラウンメロンを栽培する農家、ブドウを栽培する農家などで活用されている。

新発売の2機種は、自照型タッチパネルディスプレイを採用した3.5インチの大型画面が搭載されていることが共通している。

「おいし果 CD-H300」 糖度測定専用モデル

糖度測定のみに特化した専用モデル。従来モデルよりも安価で購入できる。
測定対象はトマト、桃、梨、柿、リンゴ、イチゴ、ぶどう、マンゴー、グアバなどで、測定結果をその場で印刷できる専用の無線プリンターとの接続も可能だ。
おいし果 CD-H300モデル

「おいし果CD-H240」農研機構との共同研究の成果を反映

農研機構と共同で特許を出願した「クロロフィル含有量の測定方法および果実の熟度判定方法」技術を採用したモデル。糖度・熟度の同時測定が可能で、測定対象は「梨」。対象作物はリンゴや桃など順次追加していく予定とのこと。
おいし果CD-H240モデル

従来モデルよりも安価で高性能な果実非破壊測定器を

「おいし果」を販売する千代田電子工業は、主にワイヤーハーネスの設計や製造・販売を行う企業で、国際的視野のもと顧客から信頼と満足を得られる製品を提供している。今回の発売は、農産物の品質保証が求められる昨今において、従来モデルよりも安価で高性能な果実非破壊測定器を提供することが目的とのこと。


千代田電子工業株式会社
https://www.chiyoda-denshi.co.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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