「AIを活用した自動収穫ロボット」がつくば市未来共創プロジェクトに採択、実証プロジェクトがスタート

つくば市(茨城県)は、先端技術や近未来技術の提案窓口「つくば市未来共創プロジェクト」に、アグリスト株式会社が開発する「AIを活用した自動収穫ロボット」を採択した。

実証プロジェクトは2020年4月1日に開始。つくば市は「収穫ロボットの社会実装に向け、市内のきゅうり農家やピーマン農家と連携し実証実験を進めたい」とコメントしている。

アグリストが開発したAIによる自動収穫ロボット

つくば市未来共創プロジェクトは、つくば市が2019年4月に開始した、先端技術や近未来技術の実証実験プロジェクトである。
プロジェクトでは、実証実験のフィールド提供やPR、広報支援、施設やモニターのあっせん、大学・研究機関等への技術相談のサポート等を行っている。

農家にとって最も大きな「収穫の際の人手不足」を解決

アグリストは、地方創生の優良事例地域である宮崎県児湯郡新富町が設立した、食と農のシリコンバレー「新富アグリバレー」に本社を置くロボティクス企業だ。

同社の自動収穫ロボットは、農家にとって最も大きな解題である「収穫の際の人手不足」を解決するもので、地元農家の声を反映した安価でシンプルな収穫ロボットだという。

アグリストの自動収穫ロボットは、2019年11月に新富アグリバレーで開催された「スマート農業サミット in 宮崎」にも出展され、ピーマンを対象に行われた実演では連続5個の収穫に成功。現在は、「ハウス等で使用する野菜等を自動で収穫できる吊り下げ式のロボット」として、PCT(Patent Cooperation Treaty)国際特許への申請も行われている。

同社では、農業用ロボットの開発のほか、人工知能やソフトウェアの開発にも取り組んでおり、2019年に開催された宮崎県の地域資源を生かすビジネスコンテスト「MIYAZAKI TECH PLANTER」では、「パナソニック・アプライアンス社賞」を受賞した。


つくば市はプロジェクトを通じ、「先端技術や近未来技術を呼び込むことで、市民生活の向上、行政上の課題解決、業務効率化を図り、地域経済の活性化につなげたい」としている。


つくば市未来共創プロジェクト
https://www.city.tsukuba.lg.jp/shisei/torikumi/kagaku/1006957.html
アグリスト株式会社
https://agrist.co/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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