野菜の収穫時期や市場価格を予測する「DATAFLUCT agri.」、農家も利用可能に

株式会社DATAFLUCTは、野菜の収穫時期や市場価格を予測するサービス「DATAFLUCT agri.(β版)」を2020年4月にリリースした。料金は無料。

「DATAFLUCT agri.(β版)」は、食品メーカーや外食産業など事業者向けに提供してきた「DATAFLUCT agri.」を一般生産者向けに無料開放したもので、同社はβ版の提供を通じ「農業情報の格差を解消することで青果サプライチェーンの最適化を目指す」としている。


DATAFLUCTは、宇宙航空開発機構(JAXA)の職員が出資設立したJAXA認定のベンチャー企業。データとサイエンスの力で社会課題を解決することをミッションに、同機構が保有する知的財産や業務で得た知見を活用した事業活動を行っている。

衛星画像データで収穫時期を割り出し、AIが将来の市場価格を予測する


「DATAFLUCT agri.」は、AIの機械学習と農地衛星画像を活用した農産物の収穫時期・市場価格を予測するサービスだ。

収穫時期の予測は、圃場を撮影した分解能5m以上の高解像度衛星データから、産地の生産状況を割り出され、栽培期間中は画像を連続撮影し生育状況をモニタリングする。
生育状況は「良好」、「遅れ」、「不良」の3段階で評価。

寒波や長雨、台風、病虫害の発生など、生育に遅れが出る際にはアラートで通知を受け取ることができる。

キャベツ圃場の生育状態解析ヒートマップ

市場価格の予測は、過去の価格や気象データを学習したAIによって行われ、契約栽培や市場での価格をモニタリングすることで、1週間後と1か月後の価格を予測する。
市場価格の変動にも対応しており、大幅高騰が予測される際のアラート設定も可能だ。

2020年3月22日時点のDATAFLUCT agri.の価格予測画面市場価格の予測画面

なお、現在DATAFLUCTでは「DATAFLUCT agri.」のさらなる開発に向け、生産現場のモニタリングを希望するパートナー生産者を募集している。条件は、面積10ha以上で栽培品目はキャベツ、価格は無料で予定数に到達次第終了するとのこと。応募期間は2020年4月3日〜5月8日までで、下記のフォームから申込みできる。


パートナー生産者申込みフォーム
https://datafluct.com/service/agri/ 
DATAFLUCT agri.(β版)登録フォーム
https://agri.datafluct.com/
株式会社DATAFLUCT
https://datafluct.com/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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