IT人材を農業分野にマッチングする「できる.agriコミュニティ」運営開始

ITの利活用促進を通じた農家支援を目的に結成された任意団体、できる.agri 実行委員会(代表:株式会社ルートレック・ネットワークス/代表取締役:佐々木伸一、所在地:神奈川県川崎市)は、10月25日(木)より、農家の挑戦を後押しするコミュニティ「できる.agriコミュニティ」の運営を開始した。

また、できる.agri 実行委員会は8月29日に1周年を迎え、新たにfreee株式会社、ワークスモバイル ジャパン株式会社、一般社団法人TheCAMPus、株式会社Lboseの4社も参画した。


「できる.agri プロジェクト」について

「できる.agri」(できるドットアグリ)は、ITを活用した農業の新しい姿を紹介することで、農業および生産者が抱える課題をITの力で解決するための取り組み。

運営主体となる実行委員会は2017年8月29日に結成され、ルートレックを含む4社・団体が発起人となり、ほか6つの自治体・企業を賛同者として迎えた。

実行委員会の活動として、実際に現場でITを活用して課題解決に取り組む農家や、ITソリューションの提供に取り組む企業キーマンの方々の事例を農家の方々に届けるウェブサイト「できる.agri」の運営、および「できる.agri」発起人ならびに賛同者による、セミナー、勉強会、座談会等を開催し、「農業 × IT」のさまざまな可能性を生産者とともに考えていく場を提供している。


「できる.agriコミュニティ」について

できる.agri実行委員会はこれまで、オンライン/オフラインでのIT農業普及に取り組んでくる中で、農家の方々のIT活用には「アイデア」「ノウハウ」「人手」が不足していることを実感してきたという。そういった課題を解決するためには、クリエイターやエンジニア、マーケッターなどの「非農業領域人材」とのマッチングが有効であり、さらに、彼ら非農業領域人材には、農業分野で自身のスキルを活かしてみたいというニーズがあることも判明してきた。

そのような背景から、「できる.agriコミュニティ」では、生産から経営管理、商品開発に至るまでIT×農業の「人材の六次化交流」の促進に取り組む。初期メンバーとして、阿部梨園の佐川友彦氏(栃木県)など、これまでに「できる.agri」の活動に関わった農家や、実行委員会参画企業のメンバーを中心に30名程度が所属、すでに複数のプロジェクトが進行している。


システム面はワークスモバイルジャパン株式会社が「LINE WORKS」を提供し、プロジェクトチームの組成は株式会社Lboseが運営する「TEAMKIT」と連携。コミュニティの運営は発起人の株式会社am.が取り組む。


IT×農業の“できる”事例

農業においてITの力で“できる”ようになることは、業務のあらゆる場面におよぶ。

たとえば、ある佐賀県のきゅうり農家では、「ゼロアグリ」を活用した潅水・施肥の自動化により、収量が20%増加した。また、栃木県のなし農家では、「freee」による経営管理のクラウド化により工数が79%減に、秋田県のコメ農家では農地管理をアプリ「agri note」で行うことで取引先を15%拡大することに成功した。



今回の新規参加企業・団体と提供サービス

「できる.agri」のこれまでの参加企業・団体と新規参加企業は以下のとおり。


LINE WORKS(ワークスモバイルジャパン株式会社提供)

LINE WORKS(ラインワークス)は、LINEの使いやすさはそのままに、仕事でも安心の「仕事仲間と使えるLINE」。チャット機能に加え、無料通話、掲示板、アドレス帳、メール、予定表、ファイル共有、ログ管理など仕事に必要なすべての機能を1つのアプリで網羅する。すべての機能をスマートフォンだけでストレスなく利用できるよう設計されている。LINEを使ったことがあれば導入教育不要、はじめて仕事でチャットを利用したい人に最適なツール。

TEAMKIT(株式会社Lbose提供)

TEAMKIT(チームキット)は、実績と繋がりで信頼を可視化することで、プロジェクトのメンバー募集や参加を促進する「プロジェクトシェアプラットフォーム」。これまで見えなかった「信頼」を可視化し、これまで巡り合わなかった「縁」を創造することで、“個の時代”に適したプロジェクトの流通インフラを作る。

freee(freee株式会社提供)

freee(フリー)は無料から使える、シェアNo.1のクラウド会計ソフトで、初めての決算書作成や確定申告も簡単に行える。中小企業の経理・会計を自動化し、時間を削減。消費税増税やマイナンバー制度など税制・法制改正に無料で自動対応するから安心。

The CAMPus(一般社団法人TheCAMPus提供)

The CAMPus(ザ・キャンパス)は、インターネットをプラットフォームとした「日本の農業の未来を担う若者たちの“ワクワク”を育むWEB マガジンタイプの学び舎」。農について「知る」「触れる」「鍛える」「伝える」の4つのチャネル運営を通じて、「農」という視点から日本の明るい未来を切り拓く。

<参考URL>
できる.agri
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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