トラクターの自動運転の開発をサポートするAIキットが発売

株式会社PALTEK、サイレックス・テクノロジー株式会社、株式会社ディジタルメディアプロフェッショナルの3社は、農業機械や建設機械、搬送ロボット等に搭載される自動運転技術の開発をサポートするAIキット「AISG-GDM-ZIAC3-EV-KIT」を共同で開発した。価格は49万8000円(税別)。

今回の開発は、PALTEKが提供するディジタルメディアプロフェッショナル製のAIプロセッサIPを搭載した「ZIA(TM)C3Kit」と、サイレックスが提供する産業用車両向けの無線LANブリッジ「GDM-3250」の連携で実現したもの。
3社は「AISG-GDM-ZIAC3-EV-KITの提供を通じ、自動運転技術の開発をサポートする」としている。


PALTEKは、半導体製品の販売やハードウェア・ソフトウェアなどの設計受託サービスを展開する企業で、日本のエレクトロニクスメーカーの製品開発パートナーとして、仕様検討から試作開発・量産までをサポートする。

サイレックス・テクノロジーは、産業機械や医療機器、ディスプレイ機器などに接続するネットワークやワイヤレス技術の研究開発を行う企業。北米や欧州、中国、インドにも拠点を構えるなどグローバルなビジネスを展開。

ディジタルメディアプロフェッショナルは、AI技術を中心としたIPライセンス、SoC等のモジュール販売ほか受託開発を手がける半導体ベンダー。AIプロセッサIPの提供ほか独自に構築したAIエコシステム等を展開している。

農業用トラクターなど自動運転技術の開発をサポートするAI評価キット


3社が共同開発した「AISG-GDM-ZIAC3-EV-KIT」は、自動運転機能付き農業用トラクターなど自動運転技術の開発をサポートする車両専用のAI評価キットだ。


「AISG-GDM-ZIAC3-EV-KIT」は、自動運転に関する技術の安全性などの評価を目的としており、AIプロセッサIP「ZIA(TM) DV720」を搭載した「ZIA(TM)C3Kit」と、映像対応型のCAN/無線LANブリッジ「GDM-3250」を連携したものという。


AIプロセッサIP「ZIA(TM) DV720」を搭載した「ZIA(TM)C3Kit」

柔軟かつ迅速なディープラーニング(機械学習)が特長のAIモジュール。


映像対応型のCAN/無線LANブリッジ「GDM-3250」

CAN/無線ブリッジ機能によるリモート運用が可能で、映像とCAN情報を同時に伝送する。
防塵・防水・耐震・動作温度・電源/電圧等に優れた耐環境性仕様だ。

「AISG-GDM-ZIAC3-EV-KIT」は、「ZIA(TM)C3Kit」と「GDM-3250」を有線LANで接続するのみで使用できることから、3社は「映像AIを利用した自動化・安全ソリューションの実証開発が早期に開始できる」としている。
製品の出荷は2020年7月から開始する予定で、「GDM-3250」や「ZIA(TM)C3Kit」をすでに使用しているユーザであれば、製品ファームウェアをアップデートするだけで利用できるという。

PALTEK、サイレックス・テクノロジー、ディジタルメディアプロフェッショナルのコメント


農業人口の減少や高齢化、担い手不足など日本の農業を取り巻く環境は年々厳しさを増しており、農林水産省では、これらの課題を解決するために自動運転等の先端技術を活用した「スマート農業」を推進するなど、スマート農業化の動きは加速しつつある。
今後の農業の一翼を担うとされているAIキット「AISG-GDM-ZIAC3-EV-KIT」の開発にあたり、3社は下記のようにコメントした。

株式会社PALTEK(代表取締役社長 矢吹尚秀氏 ) 
「この度、自動運転に不可欠となる無線通信に強みを持つサイレックス・テクノロジーと、弊社が取り扱っているDMP様のZIA(TM)C3 Kit」組み合わせで車両AI評価キットの提供開始ができることを大変うれしく思います。本製品が農業や建築業の担い手不足が叫ばれている世の中に対し、各車両メーカが急務で目指してる自動運転開発加速の一助になれると確信しております。」

サイレックス・テクノロジー株式会社(執行役員グローバルマーケティングセンターセンター長 綱嶋和也氏)
「この度、映像エッジAI機能を実現する「ZIA(TM))DV720/C3 Kit」と連携することで、車両AI評価キットを提供開始できることをうれしく思います。DMPおよびPALTEK両社のエッジAI技術や経験と、サイレックスの無線・ブリッジ製品の組み合わせにより、車両メーカによる自動化ソリューションの開発加速に大きく貢献できると確信しています。」

株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル(代表取締役社長CEO 山本達夫氏)
「我々はサイレックス・テクノロジー様およびPALTEK様と一緒にビジネスができることをとてもうれしく思います。農機・建機向けに実績のあるサイレックス社のソリューションと当社が開発したC3モジュールを組み合わせることで農機・建機の自動運転・自律運転の遠隔操作・監視が可能となります。当社は今後もAIを活用した自動運転・自律運転における豊富な開発実績とノウハウを活用し、お客様の課題解決を強力に支援します。」


株式会社PALTEK
https://www.paltek.co.jp/index.html
サイレックス・テクノロジー株式会社
https://www.silex.jp/
株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル
https://www.dmprof.com/jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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