農林水産省、最新の農業技術や品種を紹介する「最新農業技術・品種2020」公開

農林水産省は、全国の研究機関で開発された研究成果のうち、農業現場での導入が期待される27の優れた技術や品種を「最新農業技術・品種2020」として公表した。

同省は、農業生産者および生産現場で普及指導に取り組む農業指導者に向けて、「現場に適した技術、品種を農業経営等に活用してほしい」とコメントしている。

出典:農林水産省
農林水産省では、全国の研究機関から新たに創出された研究成果のうち、現場への導入が期待される新技術や新品種を「最新農業技術・品種」として公表している。

2019年は、光反射シートを利用したシャインマスカットの増収技術や高温耐性に優れたイネの新品種「にじのきらめき」などの研究成果が選出された。

最新の優れた品種と技術を選出


今回公表された「最新農業技術・品種2020」には、21件の技術と6件の品種の研究成果が選出されている。

技術部門では、予測を含む気象データを利用した水稲・小麦・大豆の栽培管理支援システムや、ナシ黒星病の被害軽減のための農業機械を用いた落葉処理技術、畜産経営における臭気低減対策評価方法の確立などが選出された。

品種部門では、倒伏に強く多収が見込めるインゲンマメの新品種である「秋晴れ」ほか、大果で日持ち性に優れたイチゴの新品種「恋みのり」等が選出されている。

農林水産省は、「最新農業技術・品種2020」の公表にあたり、
「農業の競争力強化、農産物の安定供給および自給率向上といった現下の農政課題の解決を図るためには、これらの課題の解決に向けた技術開発を推進すると共に、開発された技術を生産現場へ速やかに普及させることが重要」
と述べている。


農林水産省「最新農業技術・品種2020」
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo03/gityo/new_tech_cultivar/2020/index.html#04
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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