ドローンでの農薬散布免許を取得できる「セキド農業ドローン講習」開催

株式会社セキドは2月25日から3月1日にかけて、農薬散布用ドローン「AGRAS MG-1」を利用して、農薬の散布に必要な技術認証の取得が可能となる講習会プログラム「セキド農業ドローン講習」を、新潟県五泉市にて開催。講習プログラムへの参加者を募集中だ。


「セキド農業ドローン講習」で使用するのは、DJI社が開発した8枚ローターを搭載する次世代ドローン「AGRAS MG-1」。液剤、粒剤の農薬・肥料および除草剤など様々な薬品散布を高精度に行う折りたたみ式ドローンだ。高度なセンサーシステムとGPSを搭載し、安定した飛行はもちろん、最大で10kgの農薬を備え付けのタンクに積載可能。液剤と粒剤、2種類に対応した散布装置を備え、水稲を筆頭に各種農作物への防除作業としての農薬散布において、作業コストの軽減、作業時間の短縮、均一かつ正確な農薬散布を、場所を選ばず実現可能にする。

また、自動飛行で農薬の散布を行う技術も搭載されており、今後の規制緩和によっては、設定後にボタンひとつで適切なルートを正確にフライトする自動航行での農薬散布が実現し、日本国内でもより一層の規模拡大が期待されている。 

このAGRAS MG-1の取扱い(導入)には技術認定証が必要となるが、セキド農業ドローン講習は、座学・技術講習内で10時間の飛行訓練飛行を行い、試験を経て、AGRAS MG-1の取扱い(導入)に必要なオペレーター免許である「(一社)農林水産航空協会」を取得するためのプログラムとなっている。 


また、国土交通省登録管理団体である「SUSCセキド 無人航空機 安全運用協議会」で培ったプロ講師によるドローンの技術講習と、2018年MG-1による水稲・五泉名物の里芋の防除を実施した農業法人代表(産業用無人ヘリコプター免許を持つ空中農薬散布のプロフェッショナル)による、農薬散布の実績に基づいた即時農薬散布の現場で役立つ知識やノウハウを学ぶことが可能。

農薬散布は薬剤の散布のため、実際の散布経験に基づく技術習得やコツ、押さえるべき知識も非常に多く、プロ視点の農薬散布裏話などもセキド農業ドローン講習の特徴となっている。

さらに、MG-1での農薬散布の実績例による農業ドローン導入のメリットとして、新潟県五泉市で講師も務める現役農家が、2018年8月下旬に行った水稲防除の実績から、農家視点で得られたメリットについても紹介。

■実績例
場所:新潟県五泉市
対象作物:米
対象農薬:除草剤、殺菌剤
作業時間:(1ヘクタール〔1000㎡〕を対象)約10分で散布完了(10aで約3分)

■4大メリット
1. 10aの散布に約10分程度掛かる従来の動力散布機と比較して、約3分と大幅な作業時間短縮を実現。
2. 夏場の炎天下で水田に入って散布するという重労働がなくなり、ドローンの操縦や機体のバッテリー交換といった軽作業に変わる。
3. 散布作業従事者の農薬吸引リスクの大幅低減が実現。
4. 農作物に対して均一な農薬散布が可能。上空から一定速度、一定量を散布する事ができるため、段差の影響も少なく圃場の端まで均一な農薬散布が可能。


また、講師の斎藤佑樹氏が地元新潟の「広報 JA新潟みらい」の巻頭記事に掲載され、「ドローン活用で地域農業に光」という見出しと共に、里芋・水稲への農薬散布に活躍したMG-1と一緒に撮影された写真付きで大きく紹介。記事では、若い農家が最新機器であるドローンを利用して、省力化を行なっているということで、農業の未来について斎藤氏のインタビューを交えて掲載されている。


費用は、5日間の座学・講習で31万3200円(税込)。 
詳細は下記URLから。

<参考URL>
一般社団法人 農林水産航空協会認定 セキド農業ドローン講習 in 新潟五泉【技術認定証取得】
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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