農林水産省、スマート農業の新たな施策を示した「スマート農業推進総合パッケージ」を発表

農林水産省スマート農業実証プロジェクトの成果として、スマート農業の現場実装を加速化するための新たな政策パッケージである「スマート農業推進総合パッケージ」を公表した。

同省は、この政策パッケージに基づき、2025年までに農業の担い手のほぼすべてがデータを活用した農業を実践できるよう施策を集中展開していくと示した。

スマート農業実証の成果の普及や新たな農業支援サービスの創出等を


「スマート農業推進総合パッケージ」は、全国の農業現場で展開されているスマート農業実証プロジェクトにおける課題を解決するために策定された指針である。
この指針には、以下5つの項目を柱に今後の施策の方向性が示されている。

1、スマート実証の着実な実施や成果の普及
スマート技術の費用対効果を明らかにし、中山間地域を含むさまざまな地域・品目での横展開を推進する。

2、新たな農業支援サービスの創出
導入コストを低減し、誰もがスマート技術を利用・活用できるような新しい農業支援サービスを育成・普及に努める。

3、農地インフラやデータの活用など実践環境の整備
農地整備やデータ活用などハード・ソフト両面から環境を整備する。

4、農業高校等でのスマート農業教育の充実
スマート農業技術を有する人材育成や若者の関心を醸成する。

5、スマート農業技術の海外展開
知的財産の保護に留意しつつ、スマート農業技術の海外展開を戦略的に推進する。

出典:農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/attach/pdf/package-1.pdf
同省は、「令和3年度予算概算要求」においても、関連予算として「スマート農業推進総合パッケージ」の内容を加味した概算要求を行っている最中という。

同省のホームページには、農業を支援するサービス事業者や農作物のセンシングデータ等を分析して農業者に情報を提供する、事業者らを対象にした「スマート農業支援サービス育成プログラム」も公表されている。


スマート農業推進総合パッケージ(概要版)
https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kihyo03/attach/pdf/201001-6.pdf
スマート農業支援サービス育成プログラム
https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kihyo03/attach/pdf/201001-4.pdf
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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