農林水産省、農業・食関連関係者を対象に「農業DX構想(仮称)」の意見を募集中

農林水産省は、農業者、農業・食関連産業分野の関係者から、農業デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現に向けて取り組むべき課題についての意見を、同省ウェブサイトから募集している。期限は2月25日まで。



現場から「農業DX構想(仮称)」実現のための課題を届けるチャンス


日本ではいま、社会全体でデジタル技術を活用した変革に向けた取り組みが進められている。クラウドやAIによる分析、ドローンによる輸送、AIによる感情分析など、デジタル技術による新たなビジネスモデルの創出や改変の例も増えてきている。

このことは農業分野においても同様だ。農業者の高齢化や労働力不足に対応しつつ、農業を成長産業としていくためには、農業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が不可欠。現在も実証プロジェクトのような形で、スマート農業として全国各地で課題解決のための取り組みが進められている。

そんななか、農林水産省は、農業DXの実現に向けた取り組みをさらに強力に進めていくため、コロナ禍による社会変容やデジタル社会の実現に向けた大きな流れも踏まえ、農業DXの推進に関する基本的な考え方やさまざまなプロジェクトを「農業DX構想(仮称)」として、2021年3月下旬に取りまとめる予定。1月27日からは「農業DX構想(仮称)検討会」を開催し、農業・食関連産業分野におけるデジタル技術活用の現状や、コロナ禍の下での課題、取り組むべきプロジェクト等について有識者による議論もスタートした。

具体的な論点としては、以下の5つと「その他」の自由記述の選択肢が用意されている。
  • (農業DX構想(仮称)策定の前提として)念頭に置いておくべきデジタルトランスフォーメーション(DX)(デジタル技術を活用した変革)の特質・潮流は何か。
  • 農業・食関連産業のDXを進めるのに有用と考えられるデジタル技術は何か。また、どのように活用できるか。
  • コロナ禍をはじめとする様々な社会的インパクトの中で、農業・食関連産業に大きな影響を及ぼすと考えられるものは何か。
  • 農業や食関連産業が抱える課題の中でデジタル技術の活用により克服できると考えられるものは何か。
  • 農業DX実現に向けたプロジェクトの検討に当たっての基本的視点や留意点は何か。
  • その他

これらに関する意見を、ウェブフォームから2000文字までで直接入力可能。応募するには名前、年代、職業・業種などが必要だ。

意見投稿フォーム

なお、具体的な生産者の現場課題がイメージしにくい方に向けては、「農業DX構想(仮称)策定に当たっての課題について」という別表(PDF)も用意されているので、こちらを一読の上で意見をまとめることをオススメしたい。

募集要領

募集内容:農業DXの実現に向けて取り組むべき課題/踏まえるべき視点
募集期間:2021年2月12日(金)~2月25日(木)
意見の取り扱い:農業DX構想(仮称)検討会で紹介し、本構想策定に向けた議論に活用する予定


意見投稿フォーム
https://www.contactus.maff.go.jp/j/form/kanbo/joho/210212.html
農業DX構想(仮称)策定に当たっての課題について(PDF)
https://www.contactus.maff.go.jp/j/form/kanbo/joho/attach/pdf/210212-2.pdf

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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