農研機構、「ジーンバンク」などをオンラインで見られる「春の一般公開」開催中

農研機構は、農業・食品分野での最新の研究成果やサイエンス情報を一般に向けて無料で公開する「春の一般公開」を、2021年4月12日(月)からオンラインで開催している。

会場は農研機構が開設した「春の一般公開特設サイト」で、期間中であればいつでも誰でもアクセスできる。開催期間は2021年5月31日(月)17時まで。

ジーンバンクや植物工場のレポート映像を公開


「春の一般公開」は、農研機構が保有する施設や農業・食品分野の研究成果等を一般に向けて公開するイベント。例年は、最新の農業技術や育成品種等への理解を深めてもらうため、科学技術の大切さを広く一般に普及する科学技術週間にあわせて、現地(茨城県つくば市)で開催してきた。今年は新型コロナウィルス感染拡大防止の観点からオンラインでの開催となっている。

出典:農研機構
主な内容は以下の通り。

1.最年少の10歳で野菜ソムリエプロを取得した緒方湊くんを特別ゲストに迎え、農研機構が保有する「ジークバンク」や「植物工場」といった研究施設をレポート映像で紹介。「ジークバンク」は、世界第6位の植物遺伝資源数を保存する施設。「植物工場」は、次世代型施設園芸の構築を目指した実証施設だ。

2.「スマート農業・お米・果樹・昔の農機具」をキーワードに、茨城県つくば市の「食と農の科学館」で収録した研究者らによる特別講座を映像で紹介。

3.農研機構公式YouTubeチャンネル「NAROチャンネル」の⼈気動画から、学びに役⽴つ動画や育成品種を使用したレシピを紹介。

なお、農研機構九州沖縄農業研究センターでも、九州・沖縄地区で取り組む最新の研究成果を公開した同様のオンラインイベントを2021年5月31日(月)まで開催している。

開催概要


農研機構「春の一般公開」
期間:2021年4月12日(月)~2021年5月31日(月)17時
場所:オンライン(https://www.naro.go.jp/event/spring2021/
料金:無料

展示概要


春の一般公開


オープニング編

日本最大級の、農業系の公的研究機関である農研機構最新の農業技術や農研機構の育成品種を、皆様にご理解を頂くため「春の一般公開2021オンライン」をダイジェストでご紹介しています。

野菜ソムリエプロ 緒方湊の「農研機構ってスゴイ!」


ジーンバンク編
タネ、それは人類共有の財産。農研機構ジーンバンクはタネだけで様々な遺伝資源を保存・研究するいわば現代のノアの箱舟です。植物遺伝資源数について本施設は世界第6位の規模を誇ります。緒方湊君がレポートします。

植物工場編
農研機構の植物工場は、高い生産性と品質を兼ね備えた「次世代型施設園芸」の構築を目指した実証施設です。緒方湊君がレポートします。

食と農の科学館 特別講座


ロボット農機編

明日の日本農業の重要な担い手になるであろうスマート農業技術に関して、キーテクノロジーの一角であるロボット農機を中心に説明します。

お米の品種編
農研機構では「あきだわら」「つきあかり」などの社会のニーズに応える良食味・多収品種の育成を進めています。また、人工知能やビッグデータなどの新技術を品種育成に活用して育種期間の短縮や効率化を目指す研究も行っています。

果樹の新品種育成編
皆様が食べているフルーツには農研機構が開発したものがたくさんあります。新しい品種を作るには、お米と同じく長い年月が必要です。農研機構発のいろいろな品種をご紹介します。

農業技術発達資料館編
人々の知恵や工夫は様々な農機具などを生みだし、農業技術の発達を促してきました。
今ではなかなか目にすることがない農機具などをご紹介します。

旬なセミナー「果物の糖度を光で測る」


果物の糖度を光で測る
果物を傷つけずに光をあてるだけで、甘さ(糖度)を測れる仕組みを紹介します。この技術は条件を工夫することにより、いろいろな農産物の糖度やそれ以外の様々な成分を測ることもでき、品質管理などにも使われています。

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農研機構
https://www.naro.go.jp/index.html

農研機構九州沖縄農業研究センター オンライン一般公開
https://www.naro.go.jp/laboratory/karc/online2021/index.html
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WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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