SynoJapan、アフリカの社会課題を解決するオープンイノベーションに採択

グローバルな消費者を対象にアンケートの収集・分析・活用のプロセスを最適化するプラットフォームを開発するSynoJapan株式会社は、独立行政法人国際協力機構(JICA)が主催するアフリカの社会課題解決を目的としたオープンイノベーション「Africa Open Innovation Challenge」に採択されたことを発表した。

SHEPアプローチの効果を高める仕組みを構築


同社が提案した「TANSHEP Anzia Sokoni マーケティングプラットフォーム」は、 「Anzia Sooni(まずは市場からはじめよう)」を合言葉に開発を進めるプラットフォームソリューション。

プロトタイプの開発段階から実証実験まで現地の農家や農業普及員、 バイヤーなど実際のユーザー関係者が参加して、タンザニアの環境やニーズを考慮し「SHEP(市場志向型農業)アプローチ」が重視する自発的なデータ収集・共有・活用の仕組みを構築するという。

「SHEP(市場志向型農業)アプローチ」とは、ケニア農業省とJICAによって開発された小規模園芸農家支援のアプローチのことを指す。実際の市場調査等を通じて農業者が能動的・積極的に情報を収集し、自立的な農業活動の改善を促すために有効な手段であることが確認されている。

しかし、農業者の多くは市場調査の経験が少ないため、 どの市場を調査すれば良いのかわからず、バイヤーが提供する情報を鵜呑みにしてしまうケースが多いそうだ。


そこで、2021年7月に行われる予定の実証実験では、タンザニアの農家が実施する市場調査のデータと既存の市場情報サービスを連携。データの一元管理を実施してデータ共有から活用に至るプロセスを効率化する。

今後は、農家グループ内や近隣地域の農家の間で市場調査や販売結果等の情報を共有することで、近隣地域での市場機会を把握することができるため、品種の選定や作付けのタイミング等を具体的に計画・実施できるようになるという。

同社はSHEPアプローチのさらなる向上に貢献し、各地の農家が抱える課題解決を目指す考えを示している。


SynoJapan株式会社
https://www.synoint.jp
TANSHEP Anzia Sokoni マーケティングプラットフォーム
https://synoint.jp/2021/04/jica_synojapan/
独立行政法人国際協力機構(JICA )「Africa Open Innovation Challenge」
https://openinnovation-2020.com/tanzania-agriculture
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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