オプティムら6社で、アスパラのハウス栽培スマート化実証実験を開始

株式会社クボタ、inaho株式会社、株式会社オプティム、株式会社ルートレック・ネットワークス、株式会社レグミン、株式会社関東甲信クボタの6社は、ハウス栽培のスマート化に向けた実証実験を開始した。

参画企業各社が保有するロボットやAI等を活用した自動化ソリューションを持ち寄ることで、潅水(水やり)、施肥、防除(病害虫の予防・駆除)、収穫といった各栽培工程で収集するデータを相互利活用できる実証環境を構築し、新たなソリューションの開発を目指す。



互いの強みを生かしてハウス栽培を敬労化&自動化


施設園芸は、温度や二酸化炭素濃度等の栽培環境を制御することにより、収穫量の増加や農作物の品質安定化が可能。なかでもコスト的に参入がしやすいビニールハウス栽培は、広く一般に普及している。

中でも、ビニールハウスでのアスパラガス栽培のように、数カ月にわたって収穫期が続く作物の栽培においては、生育状況に応じてきめ細かい潅水や施肥、防除等の管理作業や、収穫適期を迎えた対象のみを選別した収穫が必要となり、農家の経験と人手による作業に大きく依存している。

このため、軽労化や栽培の最適化が強く求められており、各社ともにこれまでロボットやAI等を活用した自動化ソリューションの開発に取り組んできた。

本実証実験は、各社の自動化ソリューションを導入することにより、各栽培工程を軽労化するとともに、自動化ソリューションが収集する土壌水分量等の栽培環境や作業データを相互に利活用することにより、栽培全体の最適化につながる新たなソリューションの開発を目指すもの。

この取り組みを通じて、軽労化と栽培の最適化が可能な次世代のハウス栽培モデルを確立し、他の作物へ展開していくことで、ハウス栽培のスマート化を実現していくとしている。

実証実験の概要


開始時期:2021年7月
内容:ロボットやAI等の技術を活用したアスパラガス栽培作業の自動化・効率化
各ソリューションが収集するデータを相互利活用することによる新たなソリューションの創出
場所:Kubota Incubation Farm ※クボタ イノベーションセンターによる実証実験専用ほ場



参画企業と主な役割


  • inaho株式会社:収穫作業の自動化・効率化
  • 株式会社オプティム:栽培している作物のモニタリング実施並びにデータの解析や生育状態推定AIモデルの構築
  • 株式会社ルートレック・ネットワークス:潅水・施肥作業の自動化・効率化、肥料の使用量低減
  • 株式会社レグミン:防除作業の自動化・効率化、農薬の使用量低減
  • 株式会社関東甲信クボタ:栽培管理全般
  • 株式会社クボタ:データの相互利活用環境の構築


inaho株式会社
https://inaho.co/
株式会社オプティム
https://www.optim.co.jp/
株式会社ルートレック・ネットワークス
https://www.routrek.co.jp/
株式会社レグミン
https://legmin.co.jp/
株式会社関東甲信クボタ
http://www.kantokoshin-kubota.co.jp/
株式会社クボタ
https://www.kubota.co.jp/

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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