天地人、地球規模の課題解決に向けたプログラムで日本企業初の優勝

地球観測衛星データを活用した土地評価エンジン「天地人コンパス」を提供する株式会社天地人は、地球規模の課題解決に向けたプログラム「Gravity Challenge」で優勝したことを発表した。


樹木間のスペースに着目


同社は、イギリスの果樹栽培企業であるBardsley社とその関連企業で炭素排出量取引のプラットフォームを運営するBx社が掲げる「炭素排出量削減に向けて土の健康を維持し、荒廃した土地を再生する事業」という課題に対して提案を行った。

今回の課題では果樹園の樹木間にあるスペースに着目し天地人コンパスを活用。各土地の気候風土に適合し、かつ最も土の中に炭素を固着させる可能性のある植物を特定できるソリューションのプロトタイプを開発したという。

天地人が開発したソリューションの特徴
  • 炭素を土の中で固着する各土地の気候風土に合った植物を特定。
  • Bx社が保有する炭素取引プラットフォーム上で活用できる。
  • 世界中の農地で利用可能。
  • 収量の増加や採算性の向上が見込める。
  • 衛星データの分析・解析を得意とする専門家によるコンサルティング的なサポートが可能。

次の段階である「スケールフェーズ」に進出


現在、世界では二酸化炭素など温室効果ガス排出による気候変動の影響を背景に、環境配慮型農業への転換など、持続可能な農業生産に向けたさまざまな取り組みが行われているという。

同社は、日本企業では初めてとなる今回の優勝を機に、プログラムの次の段階である「スケールフェーズ」に進出。
今後は、「Gravity Challenge」サポートの下、 Bardsley社とBx社と共同で実用化に向けた開発に取り組む方針だ。


株式会社天地人
https://tenchijin.co.jp/
天地人コンパスAPI
https://tenchijin.co.jp/compass-api/
Gravity Challenge
https://gravitychallenge.space/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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