100%自然に還る和紙の力で収量増加、土壌改良アイテム「キュアシート」

GreenSnap株式会社が限定発売している土壌改良シート「CURE SHEET(キュアシート)」が、発売わずか2カ月で販売件数1000個を突破した。農業事情や環境への安全性に配慮した新たなアイテムとして、今後もますます注目を集めそうだ。


「キュアシート」は、100%天然植物である和紙繊維から生まれた農園芸用の「土壌改良シート」。製造元の株式会社キュアテックスが、植物に特化したコミュニティサイト「GreenSnap」のユーザーによるモニタリング結果や、アンケート調査の結果などをもとに開発した商品だ。

和紙を糸にした多孔質な繊維は微生物の快適な棲みかとなり、微生物の多様性や活性化を促すため、肥沃な土となる。これにより、キュアシートを野菜づくりに使えば甘くて美味しい作物に育ち、多肉植物に用いると茎や葉が肉厚になるのだという。

「キュアシート」が微生物(バイオ)のちからを活性化


土壌は、微生物が有害物質を無機物に分解することで、より健やかな土に生まれ変わる。逆に微生物がいない土では、病原菌や病害虫が繁殖しやすい環境となり、植物や野菜が生育不良に陥るおそれがあるのだ。

その点、和紙繊維でできたキュアシートは、繊維の中に極小な空洞がいくつも空いた多孔質であるため、微生物にとっての快適な棲みかとなり、働きも活性化するという。吸湿性が高く、連作障害も抑止する効果がある上に、100%植物由来のため最後は土に還って、土壌や環境に不可をかける心配がない。

使い方はシートを適切なサイズに切り、そのまま土の上に被せるだけであるため、作物の生育環境に問題を抱える農家や菜園初心者のハードルは低くなりそうだ。

キュアシートは、微生物の力を生かして植物の品質向上や収量の増加などの効果をもたらす、バイオスティミュラント資材に分類される。

バイオスティミュラント資材は、既にヨーロッパを中心に世界中で一般化しているカテゴリーで、植物やその周辺環境が本来持つ自然な力を活用することにより、植物の健全さ、ストレスへの耐性、収量と品質、収穫後の状態および貯蔵などについて、植物に良好な影響を与える「生物刺激剤」を指している。

農業においての土地改良には時間を有し、災害やコストなどのデメリットがあるものの、GreenSnapではそれらを踏まえつつバイオスティミュラント関連の動向に着目し、今後も情報発信やモニター調査、商品企画などに取り組む意向を固めている。


キュアシートの商品概要

機能:土壌改良、連作障害防止、浄水
原材料:和紙繊維100%
サイズ:家庭用60✕60cm、業務用60×500cm
販売価格:家庭用1800円(税込)、業務用1万2000円(税込)

ユーザーの声(公式サイトより一部を紹介)


・家庭菜園にはスペースに限りがあり、連作障害は悩みどころです。誰でも簡単に設置でき、いい土で元気な作物がつくれる。キュアシートを使うことでより家庭菜園の可能性が開ける、そんな期待を持っています。(エイミさん)

・モニターで使わせて頂いてから、気に入って買わせて頂きました!鉢で野菜や植物を育てているので、土の使い回しができることに好感を抱いています。野菜もしっかり育っています! (そらみさん)

・大きくなって、植え替えが難しくなってしまった姫紅花月に使用しました。柔らかいので、中心まで一カ所に切り込みを入れるだけで鉢土全体を覆えるので使いやすいです。また、コガネムシの幼虫対策にもなりそうでいいですね。 これからもっと元気になって、たくさん花をつけてくれるようになるといいなと思っています。 (ちゃまさん)

<参考サイト>
CURE SHEET(キュアシート)

GreenSnap

植物情報サイト「horti」
株式会社キュアテックス
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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