奈良市、「農業所得の向上」と「就農促進」をテーマにした連続講座&日帰りツアーを開催

奈良市は、市内の農業生産者と新規就農希望者を対象にした新たな取り組みをスタートした。


地域農業の課題を解決


現在、奈良市では農業人口の減少や担い手不足、耕作放棄地の増加、市産農産物の販路拡大、農業生産者の所得向上などさまざまな課題を抱えているという。

参考資料1:奈良市の産業別就業人口と生産額割合
全国平均と比較して第1次産業の就業人口や生産額の割合が少ない。
参考資料2:奈良市の販売農家数の割合と経営耕地面積
 販売農家の数や経営耕地面積も年々減少している。

参考資料3:品目別の農業産出額
 野菜や果実、畜産など単価の高い農産物の割合が低いため、農業者の所得が向上しにくい状況にある。
参考資料4:産地別の購入先
他の産地と比較してスーパーマーケットでの販売割合が低いため販路が限られている。
同市が実施したアンケート調査では63%の農業者が「販路拡大に興味がある」と回答。
その理由として「機会・縁がない」、「ノウハウがない」などの答えを挙げている。

今回の取り組みでは、市内の農業生産者と新規就農希望者を対象にした2つのイベントを実施。
「稼げる農業」の実現を目標に、市産農産物の販路拡大、農業生産者の所得向上、新規就農者の確保の3つを推進していく。

各イベントの内容は以下の通りだ。

1.めざせ販路拡大!なら農業応援塾

第1回:トークセッション(2022年11月28日(月)13:30~16:30)
・販路拡大に向けた農業界全体の課題を把握することで、現在の販売方法やスタンスを見直す。
第2回:セミナー(2022年12月16日(金)13:00~16:00)
・販路拡大の基礎知識と販売力向上に向けたマーケティング知識を学ぶ。
第3回:フォローアップ(2023年1月18日(水)13:00~16:00)
・営業資料の作成と発表を通じ、自らが営業活動していける力を身に着ける。
第4回:事業者とのマッチング(2023年2月実施予定)
・参加した農業者と小売店・飲食店等の事業者をマッチングして市産農産物の取引を推進する。
申し込み
・奈良市農政課ホームページまたはマイナビ農業ホームページ
締め切り
・2022年11月24日(木)

2.奈良市就農促進ツアー

第1回:2022年11月12日(土)|イチゴ・茶(※実施済み。)
第2回:2022年11月19日(土)|イチゴ・トマト(※実施済み。)
第3回:2022年12月3日(土)|ほうれん草・水稲
第4回:2023年3月5日(日)|イチゴ・ちぢみ小松菜

内容
・新規就農希望者を対象にした日帰りツアー。
・奈良市内の農業者を訪問して新規就農に対する不安や疑問を解消する。
スケジュール
・市役所集合(12:00)~農場訪問(2カ所)~市役所解散(17:00)
参加費
・無料(1名につき5000円を限度に宿泊費・交通費を補助。※宿泊費は市外在住者のみ)
定員
・各日5名
申し込み
・奈良市農政課ホームページ
締め切り
・各実施日の2週間前


奈良市
https://www.city.nara.lg.jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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