スマート農業の実証状況を知る「関東地域スマート農業サミット」、8月23日に開催

関東農政局は、「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」及び「スマート農業加速化実証プロジェクト」の実証課題の発表等を行う「関東地域スマート農業サミット」と、農業者が農機メーカー等と直接情報交換できる「マッチングミーティング」を、2019年8月23日(金)にさいたま新都心合同庁舎にて開催する。参加者は募集中、申し込み期限は2019年8月16日(金)まで。


スマート農業の実証プロジェクトとは

「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」及び「スマート農業加速化実証プロジェクト」は、2019年度から行われている取り組みで、IoTやAI・ロボットなどの最先端技術を生産現場に導入・実証するもの。各地域や各営農分野の計69の実証グループが生産現場に最先端技術を取り入れ、その経営効果を実証中だ。

農業現場では人材不足や生産性向上の問題が深刻化しており、スマート農業の実装が問題解決策として大きく期待されている。今回の実証プロジェクトが、今後のスマート農業の普及拡大に向け、非常に重要な事業であることは間違いないといえる。

実証状況の把握と農業者&メーカーが情報交換できるイベント

今回開催される「関東地域スマート農業サミット」では、関東ブロックから12の実証コンソーシアム(共同事業体)が実証課題の概要を発表。

スマート酪農実証コンソーシアムによる「次世代閉鎖型搾乳牛舎とロボット、ICTによる省力化スマート酪農生産の実証」や、小型自律多機能ロボットを用いたスマート農業実証コンソーシアムによる「小型自律多機能ロボット『MY DONKEY』を用いた中山間地域におけるナスの機械化一貫体系の実証」などが発表される。

また、農業従事者と、農業新技術を提供する農機メーカーやICTベンダー等が直接情報を交換できる「マッチングミーティング」も同時開催。ドローンを開発するサイトテック株式会社やトラクタ、自動操舵コンバイン、収量マップを提供する株式会社クボタなど、最新技術を提供するさまざまな企業が登場し、ショートプレゼンテーションや個別相談を実施する。

マッチングミーティングの開催により、農業現場での新技術へのニーズを踏まえたサービスの改善や新技術の現場導入の促進がなされることが期待される。

なお、イベント冒頭に行われる全体会議では、農林水産技術会議事務局 研究推進課 課長補佐 稲垣晴香氏による情勢報告「スマート農業実証プロジェクトについて」と、農業技術革新工学研究センター スマート農業推進統括監 杉本光穂氏による基調講演「スマート農業 研究開発状況と今後の展望」が開催される。

関東地域スマート農業サミット及びマッチングミーティングの開催日時は、2019年8月23日(金)の13時から17時。さいたま新都心合同庁舎2号館5階で行われる。参加申し込みはインターネットから可能で、参加申し込み可能人数は200人程度。申し込み期限は2019年8月16日(金)まで。

参加範囲として規定されているのは、農業者、農業団体、民間企業、研究機関、自治体等だ。本イベントは公開され、カメラ撮影も可能である。

今回のサミットのように実証プロジェクトの発表の場を設けることは、今後のスマート農業の発展において非常に有意義な取り組みだといえる。また、マッチングミーティングで農業従事者の声をメーカー等に伝えることは最先端技術の更なる発展に寄与する可能性が高い。

まだまだ実装化に向けて先は長いが、スマート農業の取り組みは着実に前に進んでいると言えるだろう。

開催概要

日時:2019年8月23日(金) 13時00分~17時00分
会場:さいたま新都心合同庁舎2号館5階 共用大会議室501、共用大研究室5A、共用中研修室5B
アクセス:埼玉県さいたま市中央区新都心2-1
参加費:無料
参集範囲:農業者、農業団体、民間企業、研究機関、自治体等
定員:200名程度(定員になり次第締め切り)
申込方法:申込みフォーム(https://www.contactus.maff.go.jp/j/kanto/form/R10823.html)より
申込期限:2019年8月16日(金)

<参考リンク>
関東地域スマート農業サミット及びマッチングミーティングの開催及び参加者の募集について:関東農政局
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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