農業の体験型施設「KUBOTA AGRI FRONT」にAIやロボットなど最新技術が導入

株式会社クボタは、プロ野球・北海道日本ハムファイターズの新球場内に建設を進めている農業学習施設「KUBOTA AGRI FRONT(クボタアグリフロント)」に、株式会社レグミンが提供する「自律走行型ロボット」と株式会社ルートレック・ネットワークスが提供する「AI潅水施肥システムゼロアグリ」の2つを導入することを決定した。


最新の農業技術を体感できる農業学習施設


「KUBOTA AGRI FRONT」は、「“食と農業”の未来を志向する仲間づくりの場」をコンセプトにした農業学習施設。
最新の農業技術を体感できる屋内栽培エリア「TECH LAB(テックラボ)」を中心に、食と農業の未来について考えられる場所をつくっていく。

TECH LAB
アスパラガスやリーフレタス、いちご、トマトなどを栽培する予定。

今回、導入を決定した「自律走行型ロボット」と「AI潅水施肥システムゼロアグリ」の特長は以下の通りだ。

1.自律走行型ロボット(自律走行型ロボットによる自動防除)
畑の畝の壁面を認識して自動で走行するバッテリー式の農薬散布ロボットで、ノズルの種類や位置を自由に変えられるほか、農作物の生育状況を観察する専用のカメラも取り付けられる。


大容量の100リットルタンクを搭載。専用コントローラやパソコン、スマートフォンなどのデバイスを使用して操作する。


2.AI潅水施肥システムゼロアグリ(AIを活用した最適な水やりと施肥の自動化)
土壌センサ情報と気象情報を基に、農作物が必要としている最適な潅水量と施肥量を割り出して、潅水と施肥を自動で実行するAI搭載型の地下部環境制御システムで、以下3つの特徴がある。

1)AI施肥制御とAI潅水制御を同時に実現する地下部環境制御システム

・AI潅水制御

土壌センサと気象情報を基に、AIが農作物に必要な潅水量を割り出して手動では実現できない高精度な潅水作業を自動で実行する。安定した土壌状態を作ることで根域の水ストレスを減らすことが可能になる。



・AI施肥制御
土壌センサで計測したECの目標値を基に、AIが農作物に必要な施肥量を割り出して施肥作業を自動で実行。多施肥を防げるため化学肥料の使用量を低減することが可能になる。



※青森県で83%(施肥量比較)・茨城県で67%(コスト比較)の減肥効果を確認。

2)栽培状況の見える化、潅水・施肥作業のリモート化を実現

パソコンやスマートフォン等を利用して、土壌センサ情報や潅水・施肥の供給履歴などの栽培データを確認。また、そのデータを基に潅水量や施肥量の調整の遠隔操作が行える。



3)CO2の排出量を見える化するカーボンニュートラル機能
CO2の排出量を自動で計算してグラフで表示する機能。慣行基準との比較や前作との比較、将来予測も行える。



※CO2排出量の計算については、環境省と経済産業省が公表する「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス等の算定のための排出原単位データベース (ver.3.2)」に準拠して算出。

開業の予定は2023年春頃で、株式会社farmoが提供する「ハウス内の温度や湿度等の環境情報を見える化する技術」や株式会社プランテックスが提供する「人工光型植物栽培装置と搬送ロボットによる栽培の最適化・自動化技術」の導入も決定しているとのこと。


株式会社クボタ
https://www.kubota.co.jp/
株式会社レグミン
https://legmin.co.jp/
株式会社ルートレック・ネットワークス
https://www.routrek.co.jp/
AI潅水施肥システムゼロアグリ
https://www.zero-agri.jp/
北海道ボールパークFビレッジ
https://www.hkdballpark.com/
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WRITER LIST

  1. よないつかさ
    1994年生まれ、神奈川県横浜市出身。恵泉女学園大学では主に有機栽培について学び、生活園芸士の資格を持つ。農協に窓口担当として5年勤め、夫の転勤を機に退職。アメリカで第一子を出産し、子育てをしながらフリーライターとして活動。一番好きな野菜はトマト(アイコ)。
  2. syonaitaro
    1994年生まれ、山形県出身、東京農業大学卒業。大学卒業後は関東で数年間修業。現在はUターン就農。通常の栽培よりも農薬を減らして栽培する特別栽培に取り組み、圃場の生産管理を行っている。農業の魅力を伝えるべく、兼業ライターとしても活動中。
  3. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  4. 沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  5. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。