住友商事、イスラエルのスマート農業関連企業CropX社への出資・参画を発表

住友商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 CEO:兵頭誠之)が、欧州住友商事会社(本社:英国ロンドン市、社長:山名宗)を通じた、スタートアップ投資を実施。イスラエルのスマート農業アグリテック)企業であるCropX Technologies Limited(本社:イスラエル、CEO: Tomer Tzach)への参画を発表した。

肥料、農薬、農業機械、食料等の農業周辺ビジネスを世界44か国で展開する住友商事グループは、今回の出資を通じCropX社の事業成長に加え、CropX社が保有する技術と既存の事業を掛け合わせた、高度なビジネスを目指す考えだ。

CropX Technologies Limited社


イスラエル ネタニアに本拠を構えるCropX社は、「The Internet of Soil」をビジョンに、独自のアルゴリズム分析を用いたデジタルアグロノミーサービス事業を展開しているアグリテック企業だ。

デジタルアグロノミーサービスは、灌漑、地質、土壌、病害虫、雑草、天候などに関するさまざまなデジタルデータを活用し、作物栽培に必要なアドバイスを包括的に提供するサービスだ。米国アリゾナ州で実施したトライアルでは、灌漑用水を40%削減しながらも、収穫量は10%向上させるという成果をあげた。

CropX社が開発した土壌センサー


出資の背景


世界人口は、現在の70億人から2050年には約100億人に達し、必要となる食糧は70パーセント程度増加すると推定されている。一方で、農業用地や水資源は減少しており、農業従事者の高齢化も進行している状況にある。

増加し続ける食糧需要に対応するためには、農業の生産性向上や効率化が急務であり、今回の同社による出資は農業分野のデジタル化の加速に向けた新たな一手といえる。

同社は「今後も革新的な技術を保有する企業との連携を進め、社会のニーズの変化をとらえた世界の産業発展に寄与していく」としている。

<参考リンク>
住友商事株式会社
欧州住友商事会社
CropX Technologies Limited
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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