岩手県・八幡平スマートファームが次世代型IoT園芸施設でハローキティとコラボ

岩手県八幡平市でIoTを活用した次世代型園芸施設を運営する、株式会社八幡平スマートファーム(代表取締役社長:兒玉則浩 氏)が、ハローキティコラボレーションオリジナルデザインの商品化権の獲得を発表した。

-サンリオ社コラボレーションによる売り場展開イメージ-

八幡平スマートファーム×ハローキティ


株式会社八幡平スマートファームは、岩手県・八幡平市(市長:田村正彦 市)と、IoT関連のシステム開発を手がける株式会社MOVIMAS(本社:東京都新宿区、代表取締役:兒玉則浩)による、IoT農業の振興を目的とした包括連携協定の締結により設立された農業法人だ。

同社は、熱水を利用したIoT技術による次世代型の園芸施設で、年間を通して栽培と収穫が可能なバジルを生産している。

今回のコラボは、同社が八幡平市と交わした企業立地協定締結の事業本格化によるもの。サンリオ社と共同で企画したオリジナルデザインのハローキティは、同社の次世代型園芸施設で生産される「温泉バジル」のパッケージに使用される。

-サンリオ社オリジナルパッケージデザイン-素材には株式会社精工製の鮮度保持フィルムS&Sを使用。

夏季常温(28度)と冷蔵(10度)の環境下で行われた他構成フィルムとの比較実験にて、S&Sフィルムの方が萎れや劣化が少ない結果となった。

八幡平市と熱水ハウス

八幡平市は、1966年に運転が開始された日本初となる商業用地熱発電所の開所以来、観光や農業振興施策を目的とした国の支援のもと、施設野菜団地の整備を進めてきた。

1984年には、岩手山の裾野に位置する十和田八幡平国立公園の麓で花卉栽培を行うなど、熱水ハウスの栽培施設地として振興したが、近年は高齢化による離農や施設の老朽化等の問題により未活用の施設が増加していた。

2017年9月、同市は地域の宝である自然エネルギーと、最新の栽培技術やIoT制御システムを融合した熱水ハウスの再生を目的とした、スマートファームプロジェクトを発足。

以来、IoTを活用した次世代型施設園芸への転換を図るとともに、持続的かつ発展的に農業経営ができる人材の確保や、新規就農者に向けたIoT技術の習得支援の場としても機能する施設づくりを推進している。


 


現在同市では、十和田八幡平国立公園の麓に拡がる松尾寄木地内の高石野団地(2ヘクタール)に50棟の熱水ハウスの新設を予定。2019年からの3年間で50人規模の雇用も創出していく考えだ。


<参考リンク>
株式会社八幡平スマートファーム
株式会社サンリオ
八幡平市HP
株式会社MOVIMAS
NEXT AGRI PROJECT in TOKYO
株式会社精工
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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