東京農業大学、2024年度からスマート農業に対応した新カリキュラム・研究室体制に

東京農業大学 地域環境科学部 生産環境工学科は、2024年度から新たなカリキュラム・組織体制となる。従来の農業工学の伝統を継承しつつ、スマート農業に対応した教育・研究を展開する。

次世代スマート農業に対応


生産環境工学科

東京農業大学 地域環境科学部 生産環境工学科は、その前身である農業工学科の創設からその歴史は80年を超える伝統ある学科。この農業工学の伝統を発展させ、時代の要請に対応できる新しい教育・研究を目指し、2024年度から新カリキュラムおよび2分野4研究室体制に生まれ変わることになった。

研究室は、スマートアグリ分野のバイオロボティクス研究室・ジオデータサイエンス研究室と、農業環境工学分野の農業土木学研究室・環境資源学研究室だ。

この内、バイオロボティクス研究室では、総合工学であるロボティクスをキーワードに、スマート農業やフード・アグリテックに挑戦。代替タンパク質をキーワードに現在進行形で研究を推進し、社会理解と教育展開を同時に行っている。

また、東京農業大学の下記イベントでは、4つの研究室の特徴を表した展示と説明が行われる予定だ。

2023年6月18日:キャンパスツアー
2023年8月5~6日:オープンキャンパス
2023年11月3~5日:収穫祭

各研究室の概要は以下の通り。

スマートアグリ分野 「AI×Tech×DXで切り拓くスマート農業」


バイオロボティクス研究室「スマート農業、フード&アグリテックで未来農業へ」

キーワード:AI、スマート農業、ロボット工学、フードチェーン、フードテック
教育ポリシー:フードチェーンを対象としたスマート化について、機械、ロボティクス、AI、IoTICT、DXなどを活用して設計・開発・評価・活用できる知識・技術を習得する。
特徴的な科目群:スマート農業入門/スマート農業(一)・(二) /ものづくり設計製図/電気・電子工学/農産加工流通工学/食品工学

ジオデータサイエンス研究室「地理情報とデータサイエンスで未来の農業を切り拓く」
キーワード:地理情報、データサイエンス、UAV、リモートセンシング
教育ポリシー:地域環境や生産フィールドを対象としたスマート化について、AI、データサイエンス、ドローン、GNSS、センシング、ビッグデータ、フィールドワークに活用できる知識・技術を習得する
特徴的な科目群:AI・データサイエンス応用/環境情報学/地理情報学演習/環境リモートセンシング工学

農業環境工学分野「土水基盤を守る伝統の農業工学」


農業土木学研究室「農地を支え、水を導き、安全・安心な生活空間を創造する」
キーワード:地球温暖化対策、気候変動の緩和・適応策、基盤整備、防災・減災、沙漠緑化
教育ポリシー:農業生産環境・生活環境にかかわる基盤整備・維持管理に関する知識・技術を習得する。
特徴的な科目群:環境土壌物理学/社会基盤工学/地水環境工学

環境資源学研究室「農村の資源有効利用、環境修復保全、新エネルギー生産に取り組む!」
キーワード:水環境、農地環境、環境修復保全、再生可能エネルギー、未利用物質・廃棄物の資源化
教育ポリシー:地域を人間の生活、自然および生物生産の共存空間と捉え、土地や水、生物などの地域資源を生態系に配慮して持続可能な利用・保全を実行するための理論と技術を習得する。
特徴的な科目群:地域資源持続学/環境資源学/農村計画学/国際農村開発学/エネルギー工学

バイオロボティクス研究室
バイオロボティクス研究室

ジオデータサイエンス研究室
ジオデータサイエンス研究室

農業土木学研究室
農業土木学研究室

環境資源学研究室
環境資源学研究室


東京農業大学 地域環境科学部 生産環境工学科
https://www.nodai.ac.jp/academics/reg/eng/

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WRITER LIST

  1. 加藤拓
    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
  2. 槇 紗加
    槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  3. 沖貴雄
    沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  4. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  5. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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