テックファーム、ドローンで農地管理を行えるアプリとシステムを開発

ソフトウェア開発のテックファーム株式会社(以下:テックファーム)は、ドローンで農地の生育状況を確認するためのアプリとシステムを開発した。NTTドコモのスマート農業ソリューションに採用されている。

ドローンで農地の状態を確認


同システムは、スマートフォンアプリによる自動操縦で農地を撮影し、写真を解析することで生育状況を確認できるというもので、株式会社NTTドコモが提供するドローン農作業支援システムの一部として採用された。病害虫の早期発見や収穫量予測の精度向上など、人手不足の解消・畑の管理効率化に貢献していくとしている。


テックファームが開発したのは、ドローンを自動操縦で畑の上空に飛ばして撮影するAndroidアプリと、そのアプリと連携して撮影した畑の写真を解析するシステムだ。

ドローンを指定の場所に設置し、アプリのボタンを押すだけで自動操縦がスタート。アプリはシンプルなデザインにすることによって操作性を高め、ドローンやスマートフォンを使い慣れてない農業従事者の方でも簡単に扱えるようにしている。

ドローンのスマートフォンアプリ開発は、安全な動作検証を実機で行うために専門的な知識や操縦技術を持つ人材の確保が必要となり、ユーザー企業にとって障壁が高いものとされている。しかし、テックファームの開発担当者は、DJI Japan株式会社が認定を行う操縦者向けの「DJIスペシャリスト」の資格を有しており、アプリ開発からドローンのオペレーションまでワンストップでの提供も可能だ。

また、テックファームが提供するIoTプラットフォーム「MoL」を活用することで、収集したデータを別のシステムと自動連携も可能としているところも特徴となっている。「MoL」は“Monitoring of Location”の略で、ドローン以外にも、温度・位置などの情報を取得する環境センサーやBeaconなどさまざまなデバイスに対応でき、LPWAやWi-Fiといった通信方式も利用環境に合わせて選ぶことが可能。IoTシステムの中でも数少ない“屋外”で利用可能な位置管理機能が特長だという。

今回のシステムはBtoBでの開発となっており、ユーザーはNTTドコモのソリューションとして同社の技術に触れることができる。今後の展開についてテックファームは、「産業用ドローン向けのスマートフォンアプリ開発によって、農業、点検、防災といった幅広い分野でのドローン活用に貢献していきたい」としている。

<参考URL>
テックファーム株式会社

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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