AIにより栽培方法や病害回避を助ける「e-kakashi」の連携アプリ2種類がリリース

PSソリューションズ株式会社は、農業向けIoTソリューション「e-kakashi(いいかかし)」の新サービスとして、AI(人工知能)を活用したスマートフォン向け栽培ナビゲーションアプリ「e-kakashi Ai(いいかかしアイ)」と、「e-kakashi」のサービスと連携する農作業専用の装置を遠隔で制御するアプリ「e-kakashi Tetori(いいかかしテトリ)」を、7月12日から提供開始した。


「e-kakashi」は、田畑などのほ場から自動で収集した環境データを植物科学の知見を組み込んだAIで分析することで、作物の生育ステージに合わせた最適な栽培方法や病害などのリスク回避策をフィードバックするソリューション。

「e-kakashi Ai」は、一般財団法人日本気象協会が独自に開発した「1kmメッシュ気象情報」を農業用に応用し、ユーザーが登録したほ場周辺の気象情報を表示させるだけでなく、収集した気象情報を植物科学の知見を組み込んだAIが分析し、気象災害への対策や作物の生理障害・病害虫発生の予防方法を事前に提案することで、必要な農作業の判断を助けるアプリ。作物ごとにお薦めの設定がプリインストールされているため、ユーザーは栽培マニュアルを独自で作成する必要がなく、アプリをインストールしてすぐに利用できる。農作物の品質管理や農作業の効率化に役立てることが可能。


「e-kakashi Tetori」は、「e-kakashi」のサービスと連携する専用の装置を遠隔で制御するアプリ。装置を設置したほ場周辺の1kmメッシュ気象情報も参照でき、農作業に必要な判断をサポートする。複数の装置の制御も可能で、農作業の負荷軽減と効率化に貢献する。


第1弾の専用装置として、園芸施設(ビニールハウス)の窓を開け閉めする窓開閉モーターと、水やりを行う灌水バルブの提供を開始。園芸施設を丸ごと刷新することなく、既存の装置に後付けが可能なため、コストを抑えながら栽培をスマート化できる。窓開閉モーターは7月12日から予約受け付けを開始。灌水バルブは2018年度中に発売予定。

なお、7月20日に「e-kakashi」開発をリードするPSソリューションズの戸上崇氏による新サービス説明とトークセッションを実施する。トークセッションでは、PSソリューションズが目指す新しい農業を通した食育や環境問題、文化やテクノロジーの融合などをテーマに、各業界の有識者と対談する予定だ。

■e-kakashi Ai概要
・1kmメッシュ気象情報:日本気象協会が提供する1kmメッシュ気象情報を活用し、農学的知見に基づいて1km四方の範囲の気象を予測するサービス。農業に活用しやすい形で気象情報を提示。設定したほ場の天気、気温、湿度、日射量、風向、風速、降水量を把握できる。
・ナビゲーション機能:1kmメッシュ気象情報を植物科学の知見を組み込んだAIが分析し、簡易的な栽培ナビゲーションを提供。気象災害対策、病害虫発生の予防策、作業適期を提案し、農作業の判断をアシストする。
・アラート通知機能:晴天が72時間以上継続することを予測する「連続晴天アラート」や1時間以内の降水を予測する「降水アラート」のほか、高温、低温、強風など、栽培に役立つ豊富な種類のアラート機能を搭載。最適な防除作業が計画でき、農薬の散布タイミングの効率化や作業時間の削減をサポートする。
・月額利用料
無料(アプリ内課金有り)
・動作環境
iPhone 5s以上、iOS 9.0以上、Android™ 4.4以上
※一部の機種で利用できない場合あり。

■e-kakashi Tetori概要
・遠隔制御:現地に行かなくてもスマートフォンから遠隔で装置を操作できるため、農作業の工数削減に貢献する。
・低コスト:専用装置は単品で購入可能で、既存の装置に後付け可能。コストを抑えながら栽培のスマート化を実現する。
・制御盤不要: ほ場に制御盤を設置する必要がなく、アプリから装置の制御やステータスの確認が可能。また物理的な制御盤が無いため、第三者によるいたずらを防ぐことも可能。
※e-kakashi Tetoriは専用装置とセットでの利用が必要。
・年間利用料
アプリ:無料
基本料金:9,800円/年
窓開閉モーター利用料:18万8,000円/2台1セット/年
※提供開始は2018年7月23日(月)を予定。
・動作環境
iPhone 5s以上、iOS 9.0以上、Android™ 4.4以上
※一部の機種で利用できない場合あり。

イベント概要 かかし★大作戦
日時: 2018年7月20日(金)11:00~17:30
場所: BPM Cafe住所: 東京都世田谷区池尻2-31-24 信田ビル2F
内容:
トークセッション第1部 「農業の再価値化(仮)」 13:00〜14:00
1) 農業AI ブレーン「e-kakashi」の次世代サービスの説明
2) トークセッション
<登壇者>
PS ソリューションズ株式会社 e-kakashi 開発チーム 戸上崇氏
株式会社アグリゲート 代表取締役CEO 左今克憲氏
株式会社FARMFES 代表取締役社長 小平勘太氏

トークセッション第2部「これからの農育(仮)」 15:00〜16:00
1) 農業AI ブレーン「e-kakashi」の次世代サービスの説明
2) トークセッション
<登壇者>
PS ソリューションズ株式会社 e-kakashi 開発チーム 戸上崇氏
株式会社ブラウンシュガーファースト 代表取締役社長 荻野 みどり氏
モデル NOMA氏

<参考URL>
e-kakashi
https://www.e-kakashi.com/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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