「農研機構技報第2号(NARO Technical Report)」がスマート農業を大特集

農研機構は「スマート農業」を特集した農研機構技報 第2号を刊行した。
本冊子は、特集やトピックスなど交えながら、スマート農業を支える農業機械や栽培管理システム、経営評価法などの技術開発といった農研機構の研究技術成果を分かりやすく紹介したものとなっており、農研機構のホームページからも閲覧可能だ。



農研機構技報(NARO Technical Report)とは


農研機構は、開発した研究成果を産業界、農業界、大学、マスコミに発信することを目的に、新しい連携の開拓や成果の実用化を加速させるため「農研機構技報」(英名「NARO Technical Report」)を刊行した。

第2号では、「スマート農業」を支える技術開発の一端を紹介。

年4回、冊子として発行するとともに、農研機構のホームページ上でも公開している。

「スマート農業実証プロジェクト」にもフォーカス 

スマート農業における技術開発および実例、経営的評価など多角的な特集が組まれている同書だが、同機構が取り組む「スマート農業実証プロジェクト」についても注目したい。

同機構では、農業の担い手不足や高齢化が進み、労働力不足が深刻化している国内での課題を受け、2019年度から2年間にわたる「スマート農業実証プロジェクト」を全国の様々な農場で開始。

同プロジェクトではスマート農業技術の実証、全国で行われている69の実証課題の情報発信などをしながらスマート農業の社会実装を推進する活動を行っており、「農研機構技術第2号」では全国規模ではじまったプロジェクトの全貌や具体例がわかりやすく説明されている。


「農研機構技術第2号」目次


  • 特集「スマート農業」4
  • 特集によせて5気候変動対応と営農の効率化に貢献する
  • 栽培管理支援システム6
  • 大区画ほ場乾田直播栽培における
  • 収量マップを活用した精密施肥技術10
  • 野菜用の高速局所施肥機の開発14
  • 楽に真っ直ぐ!自動操舵機能付き田植機の直進性と経済性18
  • 土地利用型経営におけるスマート農業技術の経営的評価22
  • ロボット・自動化農機の安全性検査の実施方法および基準26
  • 窒素施用時期の変更によるナシ発芽不良軽減技術の開発30
  • スマート農業実証プロフェクトが全国でスタート34
  • 農業データ連携基盤WAGRIが本格稼働36
  • 温故知新38


<参考URL>
刊行物詳細 農研機構技報 (NARO Technical Report) No. 2|農研機構
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
  4. 鈴木かゆ
    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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