Tokkyo.Ai、特許生成AIを活用したアグリテック分野の研究開発支援ツールを開発

Tokkyo.Ai株式会社は、特許生成AIを用いたアグリテック分野の研究開発支援ツールを開発した。アグリテック業界における新たな技術の創出と迅速な権利化、市場導入を支援する。


特許生成AIでアグリテック分野の課題解決をサポート


Tokkyo.AIは、法務や知財といったリーガルサービスのDXを推進するリーガルテック株式会社のグループ企業。ChatGPTを活用し、特許出願のための特許明細書と請求範囲を自動生成する「プライベート特許検索®️」の提供を行っている。

農業は、気候変動や世界人口の増加、資源の効率的利用や労働力不足、持続可能な農業実践への移行といったさまざまな課題に直面している。

これらの課題を対処するため、アグリテック分野では生産性の向上や持続可能性の促進、効率化やコスト削減などを目指した技術開発・応用が行われている。その中でも特に注目されているのが、以下の5つの技術だ。

1.センシングによる地形等の把握
センサー、GPS、ドローンなどを利用して、土地の状態や作物の成長を正確に把握する技術。必要な場所に必要な量の水や肥料を適用することで、資源の無駄遣いを減らし、環境への影響を最小限に抑えることができる。

2.バイオテクノロジー
遺伝子編集技術を利用して、病害虫に強い作物、乾燥や塩分濃度が高い土地でも育つ作物を開発する技術。農作物の収穫量を増やし、食料安全保障に貢献する。

3.屋内栽培
LEDライトや水耕栽培、エアロポニクス(霧で栄養素を供給する方法)などを利用し、屋内で多層に作物を栽培する技術。スペースを効率的に使い、都市部での農業を可能にする。

4.ロボット技術
収穫や除草、植物の検査などを自動化する技術。労働力不足の問題を緩和し、生産性を向上させる。

5.農業データ分析
ビッグデータやAIを活用して、天候の予測、病害虫の発生予測、作物の最適な収穫時期の判断など、農業経営の意思決定を支援する技術。


特許生成AIやAI特許検索は、このようなアグリテック分野における課題の解決方法を探索する際に活用されてる。

同社が提供する特許AIツールを活用することで、新しいアイデアやコンセプトを生み出すことができ、アグリテック分野でのイノベーションを加速させることが可能になるという。

具体的には、作物の成長を促進する新しい遺伝子編集技術や、環境に優しい農薬の開発などが挙げられる。

また、独自の技術や発明を効率的に特許申請することができるため、企業の知的財産を保護し、競争優位性を確保することができるほか、特許ポートフォリオの管理や戦略的なライセンス交渉にも役立つ。

関連する特許情報の収集や分析が迅速に行えることで、アグリテック分野における最新の技術トレンドや、競合他社の研究開発動向を把握することも可能だ。また、既存の特許との類似性を調べて、特許侵害のリスクを事前に把握するといった活用方法もあるという。

さらに、マーケットの分析にも活用可能で、特許情報の分析を通じて、市場における未開拓の領域やニーズを特定することで、新たなビジネス機会を見出し、戦略的な研究開発計画を立てることができるとしている。

特許AIツールの活用事例


1.先進農業技術を追求する大手農業企業のケース
「農業用ドローン関係のアイデア出しで活用」
A社は、国内外で高品質な農産物の生産に注力する大手農業企業です。この企業は、農業用ドローンの開発を加速させるために、特許AIツールを活用しました。

特に、ドローンを用いた精密農業技術や作物監視システムに関する特許情報の収集と分析に焦点を当てていた同社は、特許AIツールのAI特許検索機能と特許要約機能を駆使することで、関連する最新の特許情報を迅速に収集し、農業プロセスの効率化と最適化のためのドローン技術の革新の可能性を探りました。

結果として、特許検索や特許生成AIから得たヒントを元にドローンを活用した精密散布や作物モニタリングシステムの開発に成功し、大幅な作業効率向上とコスト削減を実現しました。

2.スマート農業ソリューションを提供する新興スタートアップのケース
「環境モニタリングとデータ分析による農業イノベーション」
B社は、スマート農業ソリューションの開発に特化した新興のスタートアップ企業です。特許AIツールを導入することで、農業用ドローンに関する先端技術の特許情報を収集し、環境モニタリングとデータ分析のための新しいアプローチを探求しました。

特に、ドローンを使用した土壌分析、病害虫監視、作物の成長状況のリアルタイム追跡に関する技術が焦点となりました。特許分析を利用して業界の最新動向を把握し、未開拓のニーズに応える画期的なソリューションを開発する際のヒントを収集し、自社の技術的強みを活用できる分野を開拓しました。

同社は、特許AIツールを活用することで、農業の課題に対する革新的なソリューションの開発を加速し、アグリテック業界の持続可能な成長を支援していきたいとしている。


Tokkyo.Ai株式会社
https://www.tokkyo.ai/pvt/
リーガルテック株式会社
https://www.LegalTech.co.jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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