韓国の営農支援アプリ「ファームモーニング」が圧倒的に便利で人気な理由

スマート農業には、膨大な情報を収集するシステムが不可欠です。また、収集した情報を利用者が簡単に利用するためには、アプリなどのプラットフォームが欠かせません。でも、日本では、営農を幅広く支援する誰もが使っている情報システムやアプリはほとんどどないと思います。

ところで、お隣の韓国には、「ファームモーニング(팜모닝。略称、FM)」という、大半の農家が使用している営農支援アプリがあります。

「ファームモーニング」は、単なる作業日誌や気象データ提供にとどまらず、市況、病害虫情報、補助金情報、品目に合わせた農業資材の推薦と購入、果ては余剰農産物を販売する仕組みまであり、至れり尽くせりのサービスを行っています。


ここでは、「ファームモーニング」を例にして、韓国における民間での営農支援サービスの現状を説明します。

また、政府が主導して「ファームモーニング」のような民間サービスを下支えするためのデータ共有システム「スマートファームコリア(스마트팜코리아、以下:SFK)」を簡単に説明することで、韓国におけるスマート農業を活用した営農支援や情報共有化の仕組みも解説していきます。


コロナ禍で一気に普及したスマホアプリ「ファームモーニング」


いちご育苗の様子(慶尚北道、2023年8月、筆者撮影)
私が「ファームモーニング」の存在をはじめて知ったのは、コロナ禍による渡航制限が解除されて間もない2023年8月のことでした。

韓国資材の輸入商談をしに訪韓した際、メーカーの社長さんに無理を言って案内していただいた慶尚北道の高設いちご農家の方(推定年齢55歳)が使っていたのです。

いちごの育苗自体は輸入製品とは全く関係ないのですが、私の経歴上、作物の苗を見るとどうしても話したくなります。以下、農家と筆者とのやり取りです。

筆者「子苗の親株からの切り離しと、苗の夜冷はいつ頃だったのですか?」

農家「(スマホを取り出し、画面を見ながら)切り離しは、今年は計画どおり7月13~15日にできました。でも、去年は7月27~31日と、直近2年より10日以上も遅れたんですよ。コロナ禍で外国人労働者もいないし、村の行事が立て込んでいたので。うちでは例年、夜冷は8月5日に開始し、早い作型は8月28日頃には定植したいので、昨年の切り離しは本当に苦労しましたよ」

筆者「ところで、スマホで農作業を記録しているんですね。アプリは何ですか?」

農家「ああ、『ファームモーニング』というアプリを友達から勧められたんです。最初はインストールだけして放置していましたが、いつの間にかこれがないと農業ができないようになりましたよ」

筆者「確かに農作業の記録をスマホで見られるのは便利ですが、大げさじゃないですか?」

農家「農作業だけならこれまでもパソコンで記録していましたよ。でも、『ファームモーニング』は農家が“とりあえず知りたいこと”がだいたい載っているんです。それに、3年前のコロナ禍の時は、郡農業技術センターやいちご生産者仲間の集まり自体が激減したので、手早く情報を入手するためでもあったんですよ」

以上の会話から、「ファームモーニング」には以下のような特徴があることがわかります。

  • 日々の農作業入力や履歴閲覧だけでなく、他の情報も豊富に掲載されている
  • 使い慣れると、利用頻度は高い
  • コロナ禍で他人との接触が減った時期に急激に農家に広がった


「ファームモーニング」の初期設定と主な機能


日本への帰国後、いちご農家の方が言っていたアプリが気になったので、覗いてみることにしました。

検索した結果、「ファームモーニング」はAndroid(Google Play)でもiPhone(APP Store)でもインストールでき、Google Playでは100万以上のダウンロード数を記録していました。

2023年現在、韓国の農家戸数は約100万戸(自給農家含む)、農家人口が約210万人であることを考えると(※1)、戸数ベースで単純に考えると過半数がダウンロードしていることになります。また、アプリのインストール自体は誰でもできる仕様になっています。

さて、このアプリは韓国語だけなので、ほとんどの読者のみなさまにはわからないかと思います。


そこで、ここからは下のように、筆者が日本語に翻訳した画面を用いて紹介していきます。


なお、本記事では、株式会社グリーンラボ(그린랩스)が運営するアプリ「ファームモーニング(팜모닝)」からキャプチャー画像を使用しています。あらかじめご了承ください。

「ファームモーニング」の初期設定


日本での大部分の農業アプリと同様、まず地域名と品目名を選択します。

筆者は韓国で農業をしていないので、便宜的に[慶尚南道]・[密陽市]・[三浪津邑]の農地で[水稲(その他)]、[イチゴ(ソルヒャン)]、[ブドウ(シャインマスカット)]の[栽培に関心を持っている]と入力してみました。

初期設定が終了した[プロフィール]画面は以下のようになります。[私の営農団体]の入力を促す画面が上にありますがここでは無視して次に行きます。



「ファームモーニング」の主な機能[ホーム]・[営農]・[市場]


「ファームモーニング」の構成は、大きく[ホーム]、[営農]、[市場]という3つの機能に分けることができます。ここでは、それぞれの項目別にどのようなことができるのかを見ていきます。

[ホーム]機能


ここは、アプリ利用者が投稿したコンテンツが閲覧できるとともに、アイコンのスクロールやタッチで以下の項目についての情報を得ることができます。



「2P」というのは現在までに貯まった「ファームモーニング」独自のポイント数です。先ほどの[私の営農団体]、[営農日誌]への入力や各種コンテンツの投稿、そして毎日アプリにログインしたことを示す[出席チェック]により、ポイントが貯まるようになっています。たまったポイントの使い道は後で説明します。

このように、[ホーム]は、農業者の方の関心が高い事項をアイコン表示するとともに、情報共有機能を備えています。

[営農]機能


[営農]機能の代表的なものは、[農作業]入力です。定植日を入力することで、自分と似た栽培をしている方の農作業がどの程度進んでいるかを見ることができます。

また、[農作業]入力により、自身の作業の進行具合も他人と比較して一目瞭然でわかるようになっています。


他に、利用者が作成したコンテンツや気象から発生しやすい病害虫を教えてくれたり、自身が栽培している農産物の卸売市場での単価を知ることができます。

[隠れた補助金]コマンドまである!


日本の農業アプリにはない独特のコマンドが[隠れた補助金]です。


補助金情報の収集方法について、「ファームモーニング」の運営会社「グリーンラボ」の安ドンヒョン共同代表(当時)は以下のように話しています。

「農業支援事業は、年間予算規模が14兆ウォン(訳注:日本円で約1兆6000億円)に達するが、中央政府・市郡などの事業主体別に散発的に続いており、オフラインでの紙での配布やプラカードのみで告知されることもいまだに多い。これらの情報は、当社職員が全国300~400カ所を一つ一つ訪問して関連情報を集めた」(※2)

というから驚きです。

[市場]機能で資材購入、農産物販売、ポイント還元まで


[市場]は、その名のとおり、農業生産に必要な各種製品が販売されています。

[農業資材]:肥料・床土、かん水資材、農具・雑貨、付帯施設・設備、ハウス資材、園芸資材、種子・種苗
[生活雑貨]:家庭雑貨、建設資材、安全用品、道具類

また、利用者の関心の高い以下の製品は、別カテゴリーになっています。

[除草用品]:マルチ、草かき、のこ鎌、刈払機の刃や交換部品
[被覆資材]:マルチ、マルチ抑え
[無料配送]:上記の農業資材、生活雑貨、除草用品、被覆資材のうち、配送料がかからない商品

[市場]のトップページに行ってみると、以下のようになっています。


以上のように、自分と同じ品目を栽培している農家が購入した製品が優先的に表示されることがわかります。

前述の「ポイント」は、農作業記録と同様に、資材の購入によっても貯まることがわかります(ポイント還元率は3%~10%までさまざま)。また、特に断り書きがない限り、農作業記録や資材購入で獲得したポイントだけでも資材の購入ができます。

このように、基本的には日本でよく見られるECモールと同様のシステムですが、「ファームモーニング」では品目や地域でその時期に必要な「お勧め商品」が表示されることで、結果として農業生産技術の平準化にも役立っていることが見て取れます。


出荷できない農産物などを直販できる「農水産物」


さらに、「ファームモーニング」の[市場]には、[農水産物]というカテゴリーもあり、収穫したものの何らかの理由で市場への出荷が困難な農産物を、利用者が直接販売できるようになっています。

その一例を見てみましょう。

[果実]→[イチゴ・ブルーベリー]とクリックすると、以下のような画面が出てきます。


6月21日という閲覧時期の関係上、いちごの季節が終わり、ブルーベリーばかり並んでいました。ブルーベリーの場合、どの出品者もだいたい1kg当たり2万5000ウォンで販売しており、出品者により100gのおまけを付ける場合があることがわかります。

日本でも、自由に価格を決めてよいはずの農産物直売所の実店舗で、いつの間にか同じような価格で売られているのはよくある話ですが、同じようなことが「ファームモーニング」というプラットフォーム内で全国的に起きているのです。

この中から、カートに入れることができる農産物を見てみましょう。

写真をクリックすると、全羅北道の出品者画面に遷移します(黄色部分は利用者の顔写真、黒色部分は市郡名と利用者のハンドルネームですが、個人情報保護の観点からマスクしました)。


出品者により商品の特徴や詳細な配送条件などの説明が書いてあります。実際にはさらに説明が15行程度続きますが、ここでは省略します。出品者に直接問い合わせるための電話番号などが記されている場合もあります。

このブルーベリーを実際に買った方のレビューもあり、以下のように書かれていました。

「ブルーベリーが安くて2kg買いました! 体にいいのはわかっているけど、これまでは高くて食べれませんでした。甘酸っぱくて美味しかったです。きゅうりとかぼちゃもおまけしてくれました。ありがたい買い物でした^^」

以上のような「ファームモーニング」の特徴をまとめると、次のように整理できます。

  • 「ファームモーニング」は、利用に先立って地区名と作物名など利用者情報、そして日々の農作業を継続して入力する仕組みがあることで、アプリ内の情報の信頼性を高めている。
  • [ホーム]、[営農]、[市場]とも、情報を入力することでポイントを獲得できる仕組みがある。これにより、利用者をつなぎとめてビッグデータの収集を維持している。
  • 付与されたポイントで農業資材等が割安で購入できるので、多くの情報を効率的に収集でき、また情報の正確性がより高まる。
  • 基本的には利用者の情報集積でアプリが成立しているが、補助金などの重要な情報は運営会社職員が直接調査することで、情報の正確性を期している。


「ファームモーニング」運営会社とビジネスモデル


以上のように、「ファームモーニング」はいいことづくめのプラットフォームであるように見えます。しかし、運営する側の視点から見ると、苦労も多いようです。

というのは、少し調べただけで、以下のことがわかるからです。

  1. 運営会社グリーンラボは、2021年までの5年間累計額で1700億ウォンという多額の投資を受けている(※3)
  2. グリーンラボは、多額の投資を受け、売上が順調に伸びたにもかかわらず、営業利益は毎年赤字であり、特に2022年には1020億ウォンの赤字であった(※4)。
  3. 2023年以降、グリーンラボは事業の見直しを行い、ここ1~2年は全世界のリアルタイムの穀物価格をAIなどで把握し、最適な輸入先を大口需要者に提案・契約する「グレインスキャナー」(※5)や、「ファームモーニング」で収集した農家情報をもとに、大口需要者に納品提案・契約を行う新たな流通システム構築に力を入れている(※6)。

また、本記事の依頼を受けて、筆者が個人的に知っている韓国の農家何人かに聞いたところ、異口同音に「『ファームモーニング』は、少し前はポイント還元率が高くて有利に資材購入できたが、今は他の業者とさほど価格が変わらない」との答えが返ってきており、利用者に有利なサービスを長期間継続していくことの難しさがうかがえます。


公共システム「スマートファームコリア」におけるデータ共有の仕組み


ミニトマトのスマートファーム(出典:慶州市 市政ニュース

韓国「農林水産食品教育文化情報院」が運営する「スマートファームコリア」とは?


今まで見てきたように、ビッグデータの収集・管理を民間企業のみで継続して実行するのは簡単なことではありません。

また、気象データや農産物市況のような法に基づいて政府が収集したデータを、民間企業が使いやすいような形で提供するのも非常に重要な課題です。

そこで韓国では、2016年頃から準政府機関の「農林水産食品教育文化情報院(以下、農業情報院)」を中心に、データを収集・加工して民間に提供する仕組みを確立してきました。

そのプラットフォームが「スマートファームコリア(SFK)」で、量的な水準が確保できたものから、民間が自由にデータを使用できるように開放しています。以下のキャプチャー画像は、SFKから取得しました。

ちなみに、韓国農林畜産食品部(日本の農林水産省に相当)は「スマートファーム」を、「ビニルハウス・ガラス温室・畜舎などに、IoT・ビッグデータ・人工知能・ロボットなど第4次産業革命技術を接ぎ木し、作物と家畜の生育環境を遠隔・自動で適切に維持管理できる農場」と定義しています。

本来はビニルハウスや畜舎の高度化を念頭に置いたものですが、ここ2~3年で灌水施設が完備された果樹園や畑を「露地スマートファーム」と呼ぶことも増えているようです。

2024年6月現在、以下の品目で[連携農家]によるデータの収集、[連携農家]から得られて蓄積した[データセット]の提供を行っています。


[データセット]の提供状況を少し詳しく見ていくと、2024年6月現在、いちご・トマト等の施設野菜5品目、養豚・韓牛等の畜産4品目に限定されています。

ただし、先に見たようにデータ自体は露地品目でも収集していることから、今後は露地品目のデータセット提供も行われると思います。


「SFK」における[データセット]提供内容


画面は省略しますが、[品目]・[年次]・[地域]・[ハウス規模]などを選択すると、提供できる[データセット]の一覧が表示されます。

この中から、[トマト]・[2022年]・[全国]・[中規模(30a~99a)]の任意のデータを選択してみると、農家ID・地域・単棟/連棟の別・規模・品種などが整理された[農家情報]が出現し、その下には以下のような画面が出てきます。


[環境情報]は、ハウス内CO2濃度、露点温度、湿度、土壌水分、外部日射量、外部温度、内部温度、外部の風向風速、(定植日からの)積算温度等が表示されています(キャプチャーでは一部しか表示されていない)。

ここまでは、日本での類似サービスと全く同じようなものです。


しかし、[制御情報]欄を見ると、「左側一層天窓の作動有無」などという、ごく細かい項目が書かれています(この表の場合、数値が大きいほど頻繁に動作したことを示します)。

以下、[制御情報]として、以下のようなものがあります。

  • 天窓の開閉有無(一層目+二層目×左右)
  • 側窓の開閉有無(一層目+二層目×左右)
  • 遮光カーテンの作動状態
  • 循環扇の作動状態
  • CO2発生装置の作動状態
  • (培地加温用)3WAYバルブ供給水温
  • 外部ファンの作動状態
  • 暖房機の作動状態

これらのデータは、日本での同種サービスと比べて非常に細かいのが特徴です。

また、さらに下の方には「・生育情報」があり、5株程度の固定調査株を決めて人力で測定した草高、花房高さ、茎径、葉長、葉幅、着果段数、果実数などの平均値が記載されています。

ここで重要なのは、[データセット]の名のとおり、温室内外の環境データ、温室の制御データ、作物の生育データの3点がセットになって提供されている点です。

加えて、現在のところ空欄ですが、「日々の収穫量」、「主要市場の単価」、「気象災害」などの欄もあり、将来的にはデータセットがさらに充実していくことが予想されます。

このように、SFKは、

  1. まず内外の環境条件を測定し、
  2. 環境条件の範囲内で最適になるようハウスを制御した結果、
  3. 作物がどのように生育するか

をセットにしたデータを多数生成し、それを提供するプラットフォームなのです。

もっと言うと、より最適な環境制御ができる技術開発にもつながるデータを、農家だけでなく企業や大学等に提供することを目的としているのです。


スマートファームでビッグデータを収集する究極の目標は?


ここまでで、なぜ韓国政府がデータ収集・提供を精力的に行っているのか、理由が気になる方も多いと思いますので、簡単に触れておきましょう。


上図は、農業情報院デジタル革新本部でスマートファームの責任者をしている李ガンオ氏の著書『楽しい農業の始まり、スマートファームのはなし(즐거운 농업의 시작, 스마트팜 이야기)』(※7)や、筆者の文献調査をもとに、補助事業→スマートファーム建設→データ収集→データ利用→技術開発……の関係を整理したものです。

なお、ここでの「農技センター」とは、市または郡ごとに設置された農業技術・経営支援を行う機関「農業技術センター」の略称であり、日本の「普及指導センター」とほぼ同様の業務を行っています。

図を簡単に説明すると、

1.補助事業では、スマートファームを導入することを前提に、農家の選定やハウスの仕様決定を行う
2.新たに建設されたスマートファームで得られたデータは、細かな項目に至るまで収集・提供の対象となる
3.個々のスマートファームから得たデータは、他のスマートファームから得たデータと比較できるため、栽培の失敗が少なくなる
4.個々のスマートファームから得たデータを統合することで、新たな技術開発がしやすい体制が整備される

といったことを目的としていることが見て取れます。

そして、究極の目標は、

5.個別農家の収量向上と新たな技術開発により、スマートファームがより一般化することで、国民に適切な価格で食糧供給が可能となる。また、海外への輸出に耐えられるスマートファーム技術が確立することで、国民の雇用創出にもつながる

と言えます。

ちなみに、前述の「ファームモーニング」も、いちご・トマト等の一部品目では、「予想開花日」、「予想収穫開始日」などが示されていました。「SFK」が提供するデータセットを基礎に、他の利用者の農作業日誌等のデータを加味して、利用者が判断しやすい情報を提供しているのです。


韓国の民間・政府の営農情報連携の例から学べること


以上、韓国スマートファームを語るうえでの前提条件である、営農に必要なデータの収集・提供体制を見てきました。

確かに、個別にみていくと、「ファームモーニング」ではビジネスとしての持続可能性が課題ですし、「SFK」では露地作物のデータが準備できていないなど、仕組みとして改善の余地が大きいです。

しかし、民間部門と政府部門の役割分担がうまくできているからこそ、今後さらに発展する可能性が高いのではないかと思うのです。

例えば「ファームモーニング」では、開発元自らアプリ利用者を通じて広くデータを集めつつも、重要な部分は政府のデータをうまく利用しています。一方、「SFK」のように、民間部門がより良い技術やプラットフォームを構築するために、政府部門が詳細なデータを集めて誰でも利用できる体制を構築できています。

これらのことから、韓国の営農支援システムは、民間と公共のどちらが欠けてもうまく機能しないと言えます。

日本にもメジャーな営農支援アプリは複数あり、多くの農家が利用しています。また、内閣府が主導し、参画するICTベンダーや企業が活用できる農業データ連携基盤「WAGRI」などもあります。しかし実態として、民間と政府の情報はほとんど連携できておらず、個々の企業間のデータ連携もなかなか進みません。企業ごとに自分たちのサービス利用者のために情報を活用するレベルにとどまっており、事例数もデータの量も韓国のように役立てているとは言えません。

韓国のような民間と公共の連携体制は、同じようなプラットフォームを日本で構築するために大変参考になると考えます。


※1 出典:農林漁業調査
https://kosis.kr/statHtml/statHtml.do?orgId=101&tblId=DT_1EA1016&conn_path=I2
※2 出典:「韓国経済」2022年7月6日付を筆者翻訳
https://www.hankyung.com/article/202207060417i
※3 出典:「マネートゥディ」2022.01.17付
https://news.mt.co.kr/mtview.php?no=2022011708570147253
※4 出典:「韓国経済」2024.04.23付
https://www.hankyung.com/article/2024042312161
※5 出典:グリーンラボ公式ウェブサイト
https://kr.grainscanner.com/?utm_source=other&utm_medium=greenlabs&utm_campaign=homemiddle&utm_content=default&utm_term=1_240514
※6 出典:グリーンラボ公式ブログ
https://blog.greenlabs.co.kr/21/?idx=18350082&bmode=view
※7 『楽しい農業の始まり、スマートファームのはなし(즐거운 농업의 시작, 스마트팜 이야기)』https://product.kyobobook.co.kr/detail/S000001953676


株式会社グリーンラボ(그린랩스)
https://greenlabs.co.kr/
ファームモーニング(팜모닝)
Google Play:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.greenlabs.smartfarm&hl=ko
APP Store:https://apps.apple.com/kr/app/%ED%8C%9C%EB%AA%A8%EB%8B%9D-%EB%98%91%EB%98%91%ED%95%9C-%EB%86%8D%EB%AF%BC%EB%93%A4%EC%9D%98-1%EB%93%B1-%EB%86%8D%EC%82%AC%EC%95%B1/id1463923831
農林水産食品教育文化情報院
https://www.epis.or.kr/main/view
スマートファームコリア(SFK)
https://www.smartfarmkorea.net/main.do#

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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