おむすびは太らない?心置きなく食べるためのお米基礎知識【ライター柏木の「お米沼にようこそ」第7回】

お米ライターの柏木智帆です。

「おむすびは茶碗によそったごはんよりもたくさん食べられちゃう」という声をよく耳にします。大人だけでなく子どもも同じようで、5歳の娘もおむすびにするとごはん1合はぺろりと食べてしまいます。

でも、大人の中には「太るのでは」と気にしてしまい、本当は2個食べたいけど1個にしておこうとか、本当は3個食べたいけど2個にしておこうとか、食べる量を減らしている人もいるのではないでしょうか。

今回は「本当はお米が食べたい!」という人が心置きなくお米を食べることができるような内容をお伝えしていきます。

山わさび味噌のおむすび

おなかの充実感はあっても「お米は太らない」


一時期の糖質制限食ブームが過ぎ去り、「お米は太らない」という情報も増えてきましたが、それでもやはりまだ「お米は太る」と思っている人もいるようです。

お米は水分が多いため、食べた後におなかの充実感があります。だからこそ、「たくさん食べてしまった」という気分になるのかもしれません。

しかしながら、お米は基本的に水だけで調理することができますし、しっとりとして程よい粘りがある日本のごはんには塩味や旨味のあるおかずも合います。あっさりとした和食と日本のお米の組み合わせは世界的に見てもヘルシーな食事です。

また、お米は粒のまま食べる「粒食」ですから、粉食よりも消化に時間がかかり、食後の血糖値の上昇も緩やかだと言われています。腹持ちが良いので、しっかりとごはんを食べておけば間食に手が伸びず、結果として太りにくいと言えるでしょう。

近年では海外でもおむすびブームですが、突然ブームが訪れたわけではなく、2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されて認知度が上がった後、2015年に食をテーマにした史上初の万博「ミラノ国際博覧会」の日本館で「醗酵」「出汁」「うまみ」「口内調味」といった日本の伝統食が地球上の人々の健康的な食生活となり得る「未来食」と紹介されるなど、海外で「日本食=ヘルシー」というイメージが広がったことも、現在のブームにつながっているように感じています。

塩むすび

おむすびがたくさん食べられるのは「身体の声」?


さらに、おむすびやお弁当などの冷めたごはんには「レジスタントスターチが比較的多く含まれています。

スターチは「でんぷん」、レジスタントは「抵抗力のある」といった意味があり、レジスタントスターチは消化抵抗性を示すでんぷんのことを指します。つまり、「体内で消化されないでんぷん」のことです。

かつてでんぷんはすべて小腸で消化されるものと考えられてきましたが、このレジスタントスターチは消化されずに大腸に運ばれることが明らかになっています。その量は食物繊維よりも比重が高いそうです。そのため、たくさん食べても実際の摂取カロリーは少し減ると言われているのです。

レジスタントスターチはごはんが冷めてでんぷんが老化していくことで増えるため、「おむすびにするとたくさん食べられる」という人が多いのは、通常通りのカロリーを摂取しようとする身体の声に従った結果もあるのではないだろうか!? と思うのですが、どうでしょうか(笑)。

塩むすび・紫蘇と胡麻の混ぜむすび・紫蘇巻きおむすび
さらに、レジスタントスターチは腸内細菌のエサになって有用菌を増やすなど食物繊維と同じような働きをするため、ある論文によると、便通改善効果や血糖値抑制作用、血液中コレステロールや中性脂肪の低下、大腸がんリスクの軽減など、食物繊維と同様の生理機能があるそうです。ちなみに、ごはんにはもともと食物繊維も含まれています。

私は医療者ではないので、血糖値やコレステロールなどへの影響については詳しくありませんが、ごはんをしっかりと食べている人は便通に悩みを抱えていないという実感はあります。便秘に悩んでいる人は、ぜひ積極的におむすびを食べてみてはいかがでしょうか。

1時間の放冷でも増える「レジスタントスターチ」


そうは言っても、おむすびが冷えすぎてしまうと、味わいの劣化につながってしまいます。ある研究では、1時間の放冷でもレジスタントスターチ量は増えることがわかっていますので、味わいを損なってしまうほど冷やす必要はありません。

個人的には、おむすびはむすびたてほかほかの状態もおいしいですが、冷めておいしいおむすびが真においしいおむすびだと感じています。

冷めたおむすびを電子レンジで温めようと思ったら、まずはそのまま食べてみてください(電子レンジ使用が前提のチルド冷蔵のおむすびは例外です)。そのままよく噛んで食べることで、おいしいおむすびのお米の旨味や甘味、粒感などをより味わうことができると思います。

塩むすび
お米には糖質の他に、タンパク質や亜鉛、鉄分などのミネラル、ビタミン、カルシウム、食物繊維など、さまざまな栄養が含まれています。さらに、冷めたごはんには、レジスタントスターチが含まれていることを知ると、「お米は太る」どころか栄養素に優れたヘルシーな主食であることがおわかりいただけると思います。

「おむすびにするとたくさん食べられる」のは、理にかなっていることだと考え、ぜひ心置きなくおむすびを楽しんではいかがでしょうか。

柏木智帆
米・食味鑑定士/ごはんソムリエ/お米ライター
神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。


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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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