カレーに合う炊き方って?古米の炊き方は?ごはんソムリエの【お米を楽しむQ&A】
料理研究家でごはんソムリエの秋元です。この連載ではお米をおいしく食べるために“知っておくと役に立つお話”やレシピをお伝えします。
前回に引き続き、たくさんあってよくわからない! と言われるお米の種類や選び方、古米臭はどうしたらなくせる? カレーに合うお米の炊き方は? といった「お米のちょっとした疑問」にQ&A形式で答えていきます。
前回のお米を楽しむQ&A(1)はこちら
正しい研ぎ方は?虫がついたらどうする?ごはんソムリエの【お米を楽しむQ&A】
寒い冬はお米を洗う水も一層冷たく、お湯で洗いたくもなりますよね。最近では、米とぎ専用の道具も数多く出ていますが、なぜお米をお湯で洗ってはいけないのでしょう。
1つは、お米の内部に水が浸透する前に、表面部分がやわらかくなってしまうから。そしてもう1つは、お米に含まれるアミラーゼという酵素の働きやすい温度が、ぬるま湯と一致するからです。酵素が働くと、お米のでんぷんは甘みのもとになる糖に分解されます。ぬるま湯で洗うということは、その「甘みのもと」をお米から出してお湯と一緒に流してしまうことになるのです。
低温貯蔵されているお米は劣化も少なく、新米時期を過ぎてもおいしくいただけますが、家庭や常温で長く保存されたお米は前回の記事「新米はなぜおいしいの?」でご説明したように、やはり味が落ちてしまいます。「古米臭」といわれる古い穀物のようなにおいがするのも困る点です。
では、古くなったお米をおいしく食べることはできないのでしょうか……。そんなことはありません。古米臭は、主に米の表面にある脂質が酸化することによって発生するため、再精米したり、しっかり洗うことで取り除くことができます。お米の表面にはサピオ層という旨味や香りの成分もあるため、やり過ぎはよくありませんが、においは低減します。
また、本みりんをお米2合につき小さじ1杯加えて炊飯すると、古米臭の主成分が低減するという研究結果もあります。手軽にできるこれらの方法を実践してみてください。
日本人の国民食ともいえるカレーライス。インドやタイのカレーにはパラっとした食感のインディカ米が合いますが、家庭のカレーライスとなると、米粒に弾力がありながらルウとも馴染む日本のごはんがやっぱり合いますよね。
カレーに合うお米のコンテストがあるくらい相性の良い銘柄もありますが、ご家庭で同じ銘柄のままカレーに合わせる場合は、水加減をお米1合につき大さじ1減らしてみてください。少し硬めに炊き上がり、おいしくいただけますよ。
Q4. 雑穀米、古代米、発芽玄米、胚芽米、むぎご飯……
最近よく目にする「〇〇米」。なんとなく白米より体に良さそうだな……というイメージだけをお持ちの方も多いと思いますので、1つずつご説明していきましょう。
大麦には食物繊維が豊富に含まれていることから健康食として注目を集め、テレビ番組で特集されることも多くなりました。
ごはんは嗜好品という面もあります。出身地やこれまでの食歴によって好みもさまざま。まずは、自分の好みを知ることが大切です。
お店屋さんで相談する際に、こんなことを考えてみてください。
1.ごはんは硬め(しっかりとした噛みごこち)とやわらかめ(すっと噛める)、どちらが好き?
2.さらっとした食感とモチモチした食感、どちらが好き?
3.いつも食べている銘柄は?
4.今まで食べておいしい! と思った銘柄は?(外食の時などに聞いておくと参考になります)
これらを軸に、香りや粒の大きさ、お弁当が多いなら冷めてもおいしいか、炊き方のコツなど、気になることを質問してみても良いと思います。
前回に引き続き、たくさんあってよくわからない! と言われるお米の種類や選び方、古米臭はどうしたらなくせる? カレーに合うお米の炊き方は? といった「お米のちょっとした疑問」にQ&A形式で答えていきます。
前回のお米を楽しむQ&A(1)はこちら
正しい研ぎ方は?虫がついたらどうする?ごはんソムリエの【お米を楽しむQ&A】
Q1.お米をお湯で洗っていけないのはなぜ?
A.お米の「甘みのもと」が流れてしまうからです。
寒い冬はお米を洗う水も一層冷たく、お湯で洗いたくもなりますよね。最近では、米とぎ専用の道具も数多く出ていますが、なぜお米をお湯で洗ってはいけないのでしょう。
1つは、お米の内部に水が浸透する前に、表面部分がやわらかくなってしまうから。そしてもう1つは、お米に含まれるアミラーゼという酵素の働きやすい温度が、ぬるま湯と一致するからです。酵素が働くと、お米のでんぷんは甘みのもとになる糖に分解されます。ぬるま湯で洗うということは、その「甘みのもと」をお米から出してお湯と一緒に流してしまうことになるのです。
Q2.古いお米のおいしい炊き方は?
A.しっかり洗いましょう。本みりんを加える手も。
低温貯蔵されているお米は劣化も少なく、新米時期を過ぎてもおいしくいただけますが、家庭や常温で長く保存されたお米は前回の記事「新米はなぜおいしいの?」でご説明したように、やはり味が落ちてしまいます。「古米臭」といわれる古い穀物のようなにおいがするのも困る点です。
では、古くなったお米をおいしく食べることはできないのでしょうか……。そんなことはありません。古米臭は、主に米の表面にある脂質が酸化することによって発生するため、再精米したり、しっかり洗うことで取り除くことができます。お米の表面にはサピオ層という旨味や香りの成分もあるため、やり過ぎはよくありませんが、においは低減します。
また、本みりんをお米2合につき小さじ1杯加えて炊飯すると、古米臭の主成分が低減するという研究結果もあります。手軽にできるこれらの方法を実践してみてください。
Q3.カレーに合うお米の炊き方ってあるの?
A.水加減を「お米1合」につき「大さじ1」減らしましょう。
日本人の国民食ともいえるカレーライス。インドやタイのカレーにはパラっとした食感のインディカ米が合いますが、家庭のカレーライスとなると、米粒に弾力がありながらルウとも馴染む日本のごはんがやっぱり合いますよね。
カレーに合うお米のコンテストがあるくらい相性の良い銘柄もありますが、ご家庭で同じ銘柄のままカレーに合わせる場合は、水加減をお米1合につき大さじ1減らしてみてください。少し硬めに炊き上がり、おいしくいただけますよ。
Q4. 雑穀米、古代米、発芽玄米、胚芽米、むぎご飯……
最近いろいろ見るけど、違いがわかりません。
最近よく目にする「〇〇米」。なんとなく白米より体に良さそうだな……というイメージだけをお持ちの方も多いと思いますので、1つずつご説明していきましょう。「雑穀米」
主要穀物といわれる米、小麦、トウモロコシ以外の穀物のこと。アワ、キビ、ヒエ、そば、ハトムギ、アマランサスなどそれぞれ食感や栄養素も異なり、かつては庶民の生活を支えていた食材でもあります。現代人に不足しがちなビタミンやミネラル類が多く含まれていることで近年注目を集め、白米に混ぜて炊飯できる五穀米、十穀米など、食べやすい配合にブレンドした商品も多数販売されています。「古代米」
私達の祖先が栽培していた「古代の稲」が持っていた特徴を受け継いでいるお米のことです。身近なものでは「赤米」や「紫黒米(黒米)」「緑米」がこれに当たります。ぬか部分に色素を含んでいるので、炊くと一緒に入れた白米がほんのり紫色に色づき、お弁当や混ぜご飯なども華やかに仕上がります。色素部分にはそれぞれ「赤米:タンニン」「紫黒米:アントシアニン」「緑米:クロロフィル」が含まれ、抗酸化作用、血液をサラサラにする効果などがあります。「発芽玄米」「胚芽米」
これらは収穫した玄米を加工したものです。詳しくはこちら「胚芽米、発芽玄米の栄養は玄米、白米とくらべてどう違う?」「むぎご飯」
白米に雑穀の1つ「大麦」を混ぜて炊いたごはんのことです。大麦もお米同様にうるち種ともち種があり、とろろと一緒に出てくるごはんは、うるち種の大麦をつぶした「押し麦」がブレンドされたもの。もち種はプチプチとしていて冷めてもモチっとした食感のため、白米に混ぜて炊く他、スープの具材としてもおいしくいただけます。大麦には食物繊維が豊富に含まれていることから健康食として注目を集め、テレビ番組で特集されることも多くなりました。
Q5.お米の銘柄ってどう選ぶ?
A.硬め?やわらかめ?自分の好みを知りましょう。
ごはんは嗜好品という面もあります。出身地やこれまでの食歴によって好みもさまざま。まずは、自分の好みを知ることが大切です。
お店屋さんで相談する際に、こんなことを考えてみてください。
1.ごはんは硬め(しっかりとした噛みごこち)とやわらかめ(すっと噛める)、どちらが好き?
2.さらっとした食感とモチモチした食感、どちらが好き?
3.いつも食べている銘柄は?
4.今まで食べておいしい! と思った銘柄は?(外食の時などに聞いておくと参考になります)
これらを軸に、香りや粒の大きさ、お弁当が多いなら冷めてもおいしいか、炊き方のコツなど、気になることを質問してみても良いと思います。
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