胚芽米、発芽玄米の栄養は玄米、白米とくらべてどう違う?

収穫されたお米は、調理の手間を省き、食べやすくするために、加工されたうえで出荷されます。この加工の度合いによって、お米の呼び方が変わるとともに、栄養価や食感なども変化します。


もっとも加工が少ないのが玄米。籾殻(もみがら)だけを取り除いた状態です。
その後、玄米の表面から胚芽(はいが)や糠層(ぬかそう)の部分を削り取る「精米」という工程があります。


この精米の際に削り取る割合を変えることで、白米や胚芽米などが作られます。では、それぞれどのように違うのか、くわしく見ていきましょう。

「胚芽米」は白米より栄養がある

胚芽米とは、玄米から糠層を削り、胚芽が8割以上残るように精米したお米のことです。白米にはないたっぷりの栄養を含んでおり、玄米よりも食べやすい味、食感が魅力です。

胚芽米の魅力は何と言っても、たっぷり含まれている栄養素にあると言えます。 糖質をエネルギーに変えてくれるビタミンB₁、発育を促進するビタミンB₂、老化を防止してくれる効果のあるビタミンE、そして白米からはあまり摂取できない食物繊維も含まれています。

玄米のような独特な食感もなく、消化がしやすいというのもメリットといえるでしょう。お米の栄養価を最大限に摂ることができ、白米の美味しさを楽しむことができるお米です。

「発芽玄米」は玄米よりもギャバなどが豊富

玄米に水を与えて、わずかに発芽させたお米を「発芽玄米」といいます。玄米を発芽させることで酵素が活性化し、目を出すために必要な栄養を玄米の内部に増やしていきます。玄米とは含まれる栄養素がすこし異なりますが、総合的に栄養価が高く、特にストレス軽減作用で知られるギャバは、白米の約10倍も含まれています。

発芽玄米に含まれている、カリウムやマグネシウムといったミネラルや不飽和脂肪酸は高血圧症の改善に、鉄分も含んでいるため貧血症の改善に効果があります。また、食物繊維も豊富のため、肥満症改善にもぴったりです。

「白米」はおいしさとつややかさが魅力

胚芽や糠層の部分をきれいに取り除いたお米です。胚乳のみが残されているので最もやわらかく炊き上がりますが、その分栄養価は低くなってしまいます。主成分は重量の約90%を占める炭水化物、デンプンです。体を動かしたり温めたりするために必要な栄養素の一つで、消化がよいためすぐにエネルギーとして活用することができます。

「玄米」はもっとも栄養豊富なお米

収穫した稲のもみから、もみがらだけを取り除いた状態のお米のことを「玄米」といいます。精白はされていないため、ビタミンやミネラルなどの豊富な栄養素がバランスよく含まれています。また、その栄養価の高さから「完全栄養食」とも呼ばれています。また、その独特の食感から噛む回数が増えるので、自然と健康的な食生活を送ることができます。


これらのお米の間で、栄養価にいったいどれくらいの差があるのか、くわしく数字で見てみましょう。下記は、白米、玄米、発芽玄米、胚芽米に含まれる主な栄養素の一覧表です(可食部100gあたり)。




玄米と発芽玄米がもっとも栄養価が高く、胚芽米、白米の順に栄養価が落ちていきます。これは、お米の栄養素のうち、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが、主に糠層と胚芽部に含まれているためです。精米で削り取る割合が大きくなるにつれて、栄養素はだんだんと失われていきます。



特に食物繊維、マグネシウム、ビタミンE、ビタミンB1、ナイアシンの含有量では、玄米と白米の間に大きな差があります。これらはどれも健康の維持に不可欠な栄養素。玄米や発芽玄米を毎日の食事に取り入れて、効率的に補うようにしましょう。

▼おうちで「発芽玄米」の作り方
発芽玄米とは?おうちで発芽させる方法・炊飯器での炊き方を紹介【管理栄養士コラム】 


■気になる農薬。安心な玄米を選ぼう!


玄米を食べる時に気になるのが農薬の問題です。

お米に残留農薬がある場合、農薬は油に溶けやすい性質があるため、7割〜8割は脂質が多いぬかや胚芽の部分にたまるとされています。
ぬかや胚芽は精米すれば取り除かれる部分ですが、それらが残ったままの玄米で食べる時には少し気をつけたいところ。

玄米を選ぶ時には、農薬残留検査をしっかりした商品を選びたいものです。

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、AI・ドローンなどを用いて農薬の使用量を減らした、農家にも消費者にもやさしいお米。

玄米でも安心してお召し上がりいただけます。

お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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