白米と同様に炊ける玄米も。玄米を選ぶときに知っておきたい3つのポイント

料理研究家でごはんソムリエの秋元です。この連載ではお米をおいしく食べるために“知っておくと役に立つお話”やレシピをお伝えします。

食物繊維やビタミン・ミネラルを豊富に含む玄米を「食べてみたい!」と思う方が増えていますが、皆さんはどのように選んでいますか?

白米より商品数が少ないこともあり、店頭では「玄米」と一括りになりがちですが、選び方を変えるだけで、味わいや調理のしやすさにも違いが出てきます。

今回は、玄米を購入する際に知っておきたい3つのポイントをご紹介したいと思います。


1.白米と同様に炊飯できるもの

玄米は一晩水に浸したり、圧力鍋など特別な鍋を使ったり、炊くのが面倒〜と億劫になってしまう方は、表面にある硬い部分のみを薄く取り除いた「無洗米玄米」、もっと白米に近い食感や味わいを求める方は、ぬか層を半分取り除いた「五分づき米」を選んでみてください。

玄米をわずかに発芽させた「発芽玄米」は、ぬか層がやわらかくなっていることに加え、発芽に伴い酵素が活性化しているため、栄養素がさらに高くなっています。これらは、玄米の栄養はそのままに、手軽に食べやすく、消化性がよいのが特徴です。

2.食感や味の違い

玄米も表皮の内は白米ですから、銘柄もその数だけあります。

やわらかくもちもちとした食感、甘みを感じやすいものを選ぶと、玄米が初めての方でも食べやすいと思います。ミルキークイーン、ゆめぴりか、だて正夢、おぼろづきなどの低アミロース米がやわらかもっちりの代表銘柄です。

食べ慣れてくると、噛むほどに甘みを感じる「もう少しあっさりしたタイプ」が良いなと感じたり、楽しみ方がさらに広がります。

3.栽培法

丸ごと食べるからこそ、栽培法にこだわりを持つ方が多いのも玄米。表示が曖昧なものには気をつけて選ぶようにしましょう。

農林水産省がガイドラインを設けているのは2つ。

有機栽培:有機栽培と表記できるものは、「JAS認定」がされたもののみ。化学肥料、化学合成農薬を栽培時のみならず、植え付けの2年以上前から使用を禁止するなど、農林水産省が定めた厳しい基準をクリアしたもの。

特別栽培:化学肥料、化学合成農薬の使用を各地域の基準の50%以下にして栽培したもの。

その他、有機肥料といわれる家畜の糞尿なども含め、肥料・農薬を使わないなど独自の基準を設けている自然栽培(現在認定は無し)、残留農薬の検出結果を第三者機関に評価してもらい公表しているものなどもありますので、マークや説明も購入の前に確認してみましょう。


さまざまな種類を店頭やネットで見かけるようになった玄米。ご紹介した3つのポイントを参考に、お気に入りの玄米を見つけてみてくださいね。


■新米もいよいよ登場、白米と同じように炊ける玄米も選べる「スマート米」

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、先進のIT技術を利用し、農薬や肥料の使用量を最小限に抑えて育てたお米です。特別栽培米や残留農薬不検出のお米も。各地のおいしい銘柄をラインナップしています。白米と同じように手軽に炊ける無洗米玄米もあります。お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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