1日のごはんの量はどれくらい? 妊婦さんに必要な栄養を知ろう【管理栄養士コラム】

管理栄養士の大槻万須美です。

近年の傾向として、妊娠中の体重増加を必要以上に気にするあまり、妊婦さんの栄養素が不足しているケースが多いといわれています。すこやかな妊娠・出産とともに、赤ちゃんの成長のためには、母体のある程度の体重増加と栄養素の摂取が重要であるとされています。

妊婦さんや産後のお母さんに必要な栄養素について考えていきましょう。


妊婦さんの健康と食事の留意点


妊娠期には、妊娠前と比べて多くとることが推奨されている栄養素があります。

お腹の中で赤ちゃんの成長に利用されるだけでなく、血液量の増加などお母さん自身の体の変化や出産・育児に向けての体力づくりを支えるためのものです。

エネルギーはしっかり必要量を


1つ目に、エネルギー摂取量が挙げられます。

妊娠中には、適切な栄養状態を維持して健やかな出産をするために、「妊娠前に比べて必要なエネルギー摂取量が増加する」との考えのもと、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では推定エネルギー必要量が策定されています。

妊娠初期(〜13週6日):+50kcal/日
妊娠中期(14週0日〜27週6日):+250kcal/日
妊娠後期(28週0日〜):+450kcal/日
(これらを妊娠前の推定エネルギー必要量にプラスします)

ビタミン・ミネラル・食物繊維を意識的に


2つ目には、ほとんどのビタミン・ミネラルにおいて妊娠期には付加量が設定されており、不足しがちなビタミン・ミネラルを意識することが重要視されています。

特に、日本人女性はカルシウムや鉄、葉酸の摂取量が不足しやすいため、乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚、いも、きのこ、海藻、果物などでとるよう心がけることがおすすめです。

また、妊娠期には便秘が起こりやすいため、日常的に食物繊維も摂取したいですね。

たんぱく質はさまざまな食材の組み合わせで


3つ目は、たんぱく質の十分な摂取です。たんぱく質は、体の構成に必要な栄養素であるため、妊娠中期以降に付加量が設定されています。

魚介類や肉類を由来とするたんぱく質の摂取量は、全体のたんぱく質摂取量のうちそれぞれ2割程度にあたり、同様に、穀類由来のたんぱく質摂取量も全体の2割を占めているといわれています。

肉、魚介類、卵、乳製品、大豆製品だけでなく、穀類も含め、さまざまな種類の食品を組み合わせて、たんぱく質を十分にとるように工夫しましょう。

主食・主菜・副菜・牛乳・乳製品、果物をそろえバランスの良い食事を意識することで、これらの3つの留意点を満たした食事に近づけることができます。

妊婦さんのごはん(お米)の必要量は?



前述のように、妊娠期にはエネルギーをはじめとした栄養素の付加が推奨されていますが、若い女性においては、朝食の欠食や過度なダイエット志向の高まりなどの要因による摂取不足が報告されており、心配されています。

また、妊娠前に低体重(BMI18.5未満)であった女性では、ふつう体型の女性に比べて、早産や低出生体重児(2500g未満での出生)、さらには赤ちゃんがおとなになったあとの生活習慣病などの発症のリスクを高めることが報告されており、大きな問題のひとつとなっています。

そのため、妊婦さんの健康と食事について考えるときには、妊娠期の食事に大きな影響を及ぼすものとして、妊娠前からバランスのよい食事をきちんととることについても併せて重要視されています。

エネルギーをしっかりと摂取するためにはごはんなどの炭水化物を中心に食事を組み立てることが大切です。

出典:妊産婦のための食事バランスガイド(厚生労働省)

1日に何をどれだけ食べたらよいのかの目安が示された「妊産婦のための食事バランスガイド」によると、1日に推奨されるごはんの量は、茶碗普通盛(150g)を3.5杯~4.5杯程度となっています。妊娠後期にはおにぎり1個分程度をプラスするとバランスがとりやすいようです。

妊娠後期には、お腹の赤ちゃんもぐんと成長しますので、「妊産婦のための食事バランスガイド」の献立のモデルでは、主食だけでなく、主菜・副菜・乳製品・果物もそれぞれ1単位ずつ付加され、食べる量を全体的に増やして出産に備えます。

一度に十分な量の主食を摂取することが難しかったり、3回の食事で主食を食べきれなかったりする場合は、間食にお菓子やスイーツではなくおにぎりを準備するなど、主食からのエネルギーをしっかり摂取できるよう心がけるといいですね。ごはんからはエネルギーだけでなくたんぱく質も補えるため、おすすめです。

産後の食事について


産後は、出産で使われた栄養素や体力の回復、子育てに向けた体力づくりのために、妊娠前よりも栄養素を必要とします。また、授乳中のエネルギー必要量は、妊娠前に比べて350kcal/日がプラスされています。

授乳中には、エネルギーのほかたんぱく質、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、セレン、モリブデンなど、妊娠前よりも多く摂取することが推奨されている栄養素がたくさんあります。

しかし、産後は赤ちゃんのお世話などで忙しく、食事がしっかりととれなかったり、バランスを意識できなかったりと、きちんと食事ができないことも多々あるかもしれません。

また、産後は、ホルモンのバランスだけでなく、栄養素と睡眠の不足の影響などからメンタルも不安定になりやすいといわれています。

産後の食事を整えてお母さん自身の心身の健康を維持するためにも、家族や友人、自治体などまわりのサポートを頼ったり、ネットや宅配サービス、作り置きなどをフルに活用したりと、ひとりでがんばりすぎないようにすることが大切です。

赤ちゃんのお世話で時間が無い時には、ごはんを中心に、具だくさんのみそ汁と、時短がしやすい卵料理、買い置きの豆腐や納豆などのたんぱく源をプラスすると、簡単にバランスが整った献立になりますよ。

妊娠中と授乳中は、妊娠前よりも多くの栄養素の摂取が必要となります。赤ちゃんの健やかな成長とお母さん自身の健康のために、早くから余裕をもって食生活の見直しをしておきたいですね。


厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(pdf)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
厚生労働省「妊産婦のための食事バランスガイド」「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 ~妊娠前から、健康なからだづくりを~」(pdf)
https://www.mhlw.go.jp/content/000788598.pdf

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。

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WRITER LIST

  1. 堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
  2. 大槻万須美
    管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
  3. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  4. 田中克樹
    32年間の農業出版社勤務を経て、2020年末、故郷の八ヶ岳南麓に帰郷。仲間と共に農業・福祉系NPOを立ち上げ、遊休農地・耕作放棄地を再生し、心身の癒しや健康づくりにつながる有機無農薬の体験型農園づくりに取り組む。NPOでは田んぼ除草にホバークラフトを活用したスマート技術を開発中。農と風土(フード)を愛する人たち向けのブックカフェ・居酒屋を開くのが夢。
  5. 山田正美
    大阪工業大学大学院修了。福井県職員として、農業試験場研究員、専門技術員、農業技術経営課長、農林水産部技幹を経て退職。現在、日本生産者GAP協会常務理事、日本農業サポート研究所主席コンサルタント。
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