玄米ダイエットで痩せないのはなぜ? 効果的な食べ方とは【玄米の失敗あるある】

栄養士の堀口泰子です。

健康的でダイエットにもよいと聞いて玄米食を始める方は多いと思います。その一方で、期待通りの結果が得られなかったという方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、ダイエット目的で玄米食を取り入れたにも関わらず、痩せないのはなぜなのか? 期待通りの結果に導くためにどのようにしたらいいのか?

玄米を取り入れるメリットを振り返りながら、ダイエットをする際に気をつけたいポイントをまとめてみました。


玄米食がダイエットによいとされる理由


まずはじめに、ダイエットを意識する方にとって玄米食がメリットとなる要素について振り返ってみましょう。

食物繊維が豊富


腸内環境を整えてお通じを改善します。

ダイエット中は食事量を減らすことで便秘が起こりやすくなるため、食物繊維が豊富に含まれる玄米を取り入れることは理にかなっているといえます。

また、コレステロールや中性脂肪が腸内で吸収されるのを抑制したり、血糖値の上昇を緩やかにすることが期待できます。

ビタミン・ミネラルが多く含まれている


白米に比べてエネルギーの代謝に必要なビタミンB1、B2、B6やマグネシウムが多く含まれています。

ビタミンB群はエネルギーを効率よく作り出すために欠かせない栄養素です。さらにマグネシウムは骨や歯の健康を保ったり、神経の伝達に関わっていることからメンタルの安定にも期待できます。

ダイエット中は食事量を減らすことで栄養不足になりがちです。白米を玄米に置き換えて食べることで栄養不足を補うことにつながります。

よく噛める


白米に比べてよく噛む必要があるので、ゆっくり時間をかけて食べることで満腹中枢が刺激され、食べすぎを予防します。

さらに、血糖値の上昇を緩やかにすることが期待できる上、そしゃくを意識して食べることで消化酵素の分泌が促進され消化吸収を助けます。玄米食によって食べすぎを防いで腸内環境を整える助けにもなっているのです。

また、長いマスク生活で表情筋を使いにくい期間が続いていますが、そしゃくは顎の筋肉を使うのでフェイスラインの引き締めにも期待ができそうです。


ダイエットを成功に導く玄米の食べ方


続いて、玄米食のメリットを十分に発揮するために食べ方について考えてみましょう。

そしゃくを意識する


玄米はしっかりよく噛んで食べる必要があります。

そしゃくは消化の第一段階です。よく噛んで食べると唾液に含まれる消化酵素により、でんぷんが糖に分解されて甘味を感じます。唾液と混ぜ合わせるよう意識して食べてみてください。

しっかりよく噛んで食べて消化吸収が促されることで、玄米の栄養を体がしっかり受け止められるようになります。

食べる量は少なすぎてもNG


玄米を食べる量が少なすぎてはいないでしょうか。年齢や体重、活動量にもよりますが、日本人の食事摂取基準(2020年版)によると推定エネルギー必要量は成人男性でおよそ2600kcal、成人女性でおよそ2000kcalとなります。

カロリーオーバーしているのであれば調整が必要ではありますが、摂取エネルギー量を必要以上に減らしてしまうと、体がエネルギーを蓄えようとして代謝量が減少してしまうことがあります。

しっかり玄米を食べてエネルギー代謝のよい体を作ることも大切です。ダイエットのためにカロリーオフを意識しすぎないことも大切なのです。

ダイエットのための玄米の献立


最後に、玄米食を取り入れたのにもかかわらず痩せなかった理由として、食事内容を総合的に確認してみましょう。

バランスは玄米6割おかず4割


日本人の理想的なエネルギー産生栄養素(人の体でエネルギー源として利用される栄養素)のバランスは、炭水化物がおよそ60%、脂質が25%、たんぱく質が15%とされています。玄米食に置き換えをしただけでは痩せない理由として見直したい大きなポイントになります。

献立全体の6割ほどの量を目安に玄米を食べるようにしてみましょう。残りの4割はおかずや野菜を食べて、玄米だけでは足りない栄養素を摂るようにします。

たんぱく質は体をつくる大切な栄養素です。不足すると体調を崩したり筋肉量が減ることで代謝を落とす原因となります。

一方で、摂りすぎたたんぱく質は脂肪として体に蓄えられるため、ダイエットが成功しにくい原因となることがあります。玄米をしっかり食べておかずとのバランスを意識する必要があります。

玄米を補う食材を積極的に組み合わせる


玄米に不足している栄養素を献立に積極的に取り入れてみましょう。

納豆、豆腐、肉、魚貝類、卵などのたんぱく質、にんじん、パプリカ、ブロッコリー、ほうれん草などの緑黄色野菜、干し椎茸やキクラゲなどを含めたきのこ類は特におすすめします。献立と栄養バランスを整えることで玄米の魅力が最大限に生かされるのです。

いかがでしょうか。玄米食を上手に取り入れて理想的な体づくりに役立ててみてください。

日本人の食事摂取基準(2020年版)(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

堀口泰子
栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/


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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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