パラパラとまとまらない「玄米おにぎり」をきれいに作るコツ【玄米の失敗あるある】

管理栄養士の大槻万須美です。

おいしく栄養価も高い玄米ですが、白米と違っておにぎりにするとどうしてもパラパラとして、まとまりにくいと感じたことはありませんか。

今回は、玄米おにぎりをきれいに作るコツについてご紹介します。


<準備>洗米や炊き方のポイントは?


玄米が白米に比べてパラパラとしてしまうのは、玄米が白米に比べてねばりが出にくく脂質が多いことが理由のひとつだと考えられます。

玄米はもみからもみ殻のみを取り除いたもので、基本的には米ぬかや胚芽が残った状態です。

一方、白米は精米するときにほとんどのぬか層と胚芽を削り取っており、それが玄米と白米の風味や食感、栄養価の違いとなっています。

洗米と炊飯を工夫し、白米に近い食感に近づけることで、にぎりやすい玄米ごはんに仕上げることができますよ。

傷をつけるように洗米する


パラパラとしがちな玄米ごはんを粘り気のあるもちもちした玄米ごはんに炊き上げるには、長時間しっかりと浸水させることがポイントです。

そのためには、玄米の表面にある「ロウ層」と呼ばれる、水分が浸透しにくい層に傷をつけたりしてできるだけ取り除くように洗米し、吸水を促進させましょう。

ロウ層を取り除くことによって吸水しやすくなり、ごはんがやわらかくもっちりとした食感になり、まとまりやすくなります。

吸水には冷水を使い、水をこまめに取りかえたり、夏場は冷蔵庫で浸水させたりすることが大切ですよ。

水の量は多めに。白米と混ぜて炊くのもおすすめ


炊く時の水の量にも注意が必要です。

白米を炊く時よりも多めの水加減にすると、やわらかめのごはんに炊き上げることができます。目安としては白米の1割から2割増し程度ですが、炊飯器や浸水時間などによっても異なります。白米より多めの水加減でもパラパラになる場合は、もう少し多めの水加減にしてみましょう。

また、玄米だけではどうしてもパラパラになってしまう場合には、白米と混合にして、白米のもっちりパワーを借りるのもおすすめです。白米を1/3~半分ほどお好みに合わせてブレンドしてみましょう。白米が多いほどおにぎりがまとまりやすくなりますよ。

▼白米と混ぜて炊く方法はこちら
<白米と玄米を混ぜて炊く方法>おいしい水加減や浸水時間は?

<炊飯後>おにぎりのにぎり方、合わせるといい具材は?



炊き立ての玄米は、表面に余分な水分が集まっていることも多いので、蒸らしたあと、しゃもじでよくかき混ぜて表面の水分をある程度飛ばし、玄米ごはんの準備をしておきましょう。

にぎり方にもちょっとしたコツがあるので、ポイントを押さえておくときれいなおにぎりに仕上げることができますよ。

炊きたてのタイミングでにぎる


できるだけ炊きたての状態でにぎるようにするのがポイント。アツアツなのでやけどには十分注意しましょう。

また、ごはんの量を少なく、小さめおにぎりにすると崩れにくいおにぎりに。

白米のおにぎりに比べて、力の入れ方にも工夫が必要です。玄米ごはんの粒同士がくっつきやすいように、おにぎりのかたまりを崩さないようにしながらある程度強めに力をかけて握りましょう。

小さめの具材をチョイス


混ぜごはんや具材を入れると崩れやすくなるため、玄米ごはんだけできれいなおにぎりが作れるようになってから、具材入りにもチャレンジしてみるといいですね。

崩れにくいように、小さめの具材がおすすめですよ。ちりめんじゃこやかつおぶし、昆布のつくだに、梅干しやごまといった和の食材と相性抜群です。

さらに、食べた時にポロポロと崩れてこないような工夫もしておくと安心です。

  • 海苔で包む
  • 薄焼き卵で茶巾にする
  • 大葉やとろろ昆布をまく
  • ラップでくるんでおく

こうすることで、おにぎりが崩れにくく食べやすくなりますよ。

▼玄米おにぎりにぴったり3種の具材レシピ
玄米おにぎりはひと工夫で食べやすく~じゃこ・肉みそ・梅こんぶ【玄米を楽しむレシピ】



栄養価が高く、健康増進やダイエットのお助けになる玄米おにぎりをきれいに作るコツについてお伝えしました。

洗い方や炊き方、にぎり方などのコツをしっかりとつかめば、崩れにくいきれいなおにぎりが仕上がり、おうちでの軽食だけでなく、学校や職場、おでかけなどにも玄米パワーを活用することができますね。ぜひお試しください。

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。

■レンジで簡単「寝かせ玄米ごはん」はお弁当にもおすすめ

SMART AGRI FOODから発売しているパックごはん「国産スマート米 寝かせ玄米ごはん」は、電子レンジで約2分温めるだけでもっちもち食感のおいしい玄米が食べられるレトルトごはんです。

圧力釜で炊き上げた後、3~4日寝かせる「寝かせ玄米(R)」の製法で仕上げているので、玄米特有の食べにくさがありません。

忙しい方や、お弁当に持っていく方、家族の中で自分だけ玄米を食べるという方も、いつでも手軽にふっくら玄米をお召し上がりいだだけます。


「スマート米」とは
全国各地のこだわりの農家さんと共にスマート農業を活用し、農薬の使用量を抑えて育てています。
玄米の状態で第三者機関の検査により「残留農薬不検出」と証明されたお米、農林水産省ガイドライン「節減対象農薬50%以下」のお米、そして「特別栽培米」も選ぶことができ、家族みんなにあんしんなお米です。

お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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