無洗米の白米や玄米は本当に洗わなくていいの?【管理栄養士コラム】

管理栄養士の大槻万須美です。

忙しくてごはんを洗う時間がない! ごはんを今すぐ炊かなきゃ! そういう時の強い味方である無洗米。銘柄も増加し、日常使いのほかにキャンプやアウトドアで利用している人もいるようです。

では、無洗米の研がなくていい理由はなんでしょうか。

無洗米の白米と玄米について、それぞれの製法などの解説や、無洗米ってほんとうに洗わなくてもいいの? それともさっと洗ったほうがいい? といった疑問にもお答えします。

無洗米はどんなお米? メリットは?


収穫されたお米は、適度に乾燥させたのち、もみ殻を取り除いて玄米となります。そして、玄米を精米してぬか層と胚芽を除去したものが精白米です。この普通に精米した状態では、お米の表面に取り切れていない「肌ヌカ」と呼ばれるぬかが残っているため、炊飯の際に洗米をしてこの肌ヌカをある程度研ぎ落としています。

一方で無洗米は、特別な精米装置を使い、精米の段階で肌ヌカをほぼ完全に除去した状態に加工しているので、洗米せずに炊飯することができます。

無洗米は、洗米が不要となることによるメリットがたくさんあります。

  • 調理時間の短縮
  • 洗いすぎまたは洗米不足による食味低下の予防
  • 家庭における水の使用量の削減やぬかで汚れた排水の軽減
  • 洗米の際の水溶性ビタミンやミネラルなどの栄養素の流出防止
  • けが・手荒れ・ネイルアートなどが気になる時に水にさわらなくてもよい

しかし、製法がいろいろありわかりにくい、価格が高めといったデメリットも存在します。


無洗米は本当に研がなくていい?


無洗米は、通常の精米では取り切れていない肌ヌカを特別な技術で除去しています。そのおかげで、白米の表面には肌ヌカがほとんど残っておらず、基本的に無洗米は洗わずにすむというわけです。

肌ヌカを除去する方法には、

・ヌカ式
ステンレス製の筒内で撹拌させ粘着性の強い肌ヌカを壁に付着させ除去する方法
・タピオカ式
肌ヌカと水が混じったとぎ汁をタピオカ澱粉で吸着させたのち乾燥させる方法
・水洗い式
肌ヌカを短時間水で洗い乾燥させる方法
・研磨式
ブラシや研磨機などで肌ヌカを擦り取る方法(取り切れていない肌ヌカが残っている可能性もあるため、1~2回洗米が必要な場合も)

などがあります。

また、無洗米の安全性やおいしさに基準やガイドラインを設けて、その品質を守っている機関もあります。例えば、全国無洗米協会では、安全面やおいしさにおいて基準をクリアした無洗米に認証マークを付けています。

1. 米(米の一部も含む)、空気、水以外は使用・添加されずに製造されていること​
2. まったく人手に触れずに袋詰めされる​
3. お米以外の異物を取り除く装置を設置している
4. 洗わずに炊ける(濁度基準28ppm)
5. 無洗米の食味が元のお米に比べ、同等以上であること
引用元:全国無洗米協会

その他、業界の自主的なガイドラインである、米穀公正取引推進協議会による「米穀の品質表示ガイドライン」(濁度基準40ppm以下、一般精米と同等の品質の確保)もあります。

このような基準に沿って作られていたり、独自の基準であっても安全性などについて厳しく守って製造されている無洗米であれば、基本的に洗う必要はないと考えられています。

玄米の無洗米も研がなくていいの?


玄米にも無洗米があります。玄米の無洗米も白米の無洗米同様に、基本的には洗わずに炊飯することができます。

通常、玄米はぬかの層でおおわれており、特に外側の層は防水性が高くなっています。精米工程で取り除かれるぬか層や胚芽が残った状態である玄米は、食物繊維やビタミン・ミネラルなどが豊富に含まれていて栄養価が高い反面、ぬか層が吸水を阻むために、洗米に時間をかけ、長時間浸水させなければなりません。

白米と同じように炊くとおいしく炊き上がらなかったり、消化しづらくなってしまったりするため、手間とコツを必要とするのです。

玄米の無洗米は、ぬか層の表面に細かな傷をつけたり、表面の層を薄く取り除いたりして浸水しやすく加工しているため、玄米ならではの栄養価の高い部分が残っている上に、消化にもやさしくなるというのが大きな特徴です。

無洗米加工のおかげで、洗米だけでなく浸水時間も短縮できたり、白米同様に炊飯ができるようなものもあります。

白米の無洗米に比べて銘柄の数は全体的に少なくはなりますが、残留農薬の検査や工程など、安全や品質管理にこだわるものも手に入りやすくなっています。


無洗米は基本的には洗わなくてOK! 中には洗米方法の指示がある商品も


無洗米の白米・玄米にはいろいろな品質のものや製法のものがあるので、信用できるお店やメーカーのものを選ぶようにするのが安心ですね。

基本的には、無洗米は洗わずにすぐに炊飯ができますが、袋の裏面に洗米についての説明があるものも。初めての銘柄はまずは少量のものがおすすめです。製法によってはぬかが完全に取りきれていないものもあり、食べてみてぬかの味が気になる場合には、1~2回洗米するなどの対応が必要でしょう。


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農林水産省「無洗米はどのような米なのですか。また、無洗米を上手に炊く方法も教えてください」
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1812/01.html
米穀公正取引推進協議会「米穀の品質表示ガイドラインの制定について」
https://www.jrma.or.jp/pdf/guideline_of_rice_quality_label.pdf
特定非営利活動法人全国無洗米協会
https://www.musenmai.com/

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。

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  1. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  2. 沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  3. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  4. 福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  5. 窪田新之助
    農業ジャーナリスト。福岡県生まれ。日本経済新聞社が主催する農業とテクノロジーをテーマにしたグローバルイベント「AG/SUM(アグサム)」プロジェクトアドバイザー、ロボットビジネスを支援するNPO法人Robizyアドバイザー。著書に『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』『GDP 4%の日本農業は自動車産業を超える』(いずれも講談社)など。