秋田の「サキホコレ」も話題に! いま注目したいお米の新品種【ごはんソムリエのお米コラム】

料理研究家でごはんソムリエの秋元です。この連載ではお米をおいしく食べるために“知っておくと役に立つお話”やレシピをお伝えします。

ここ数年、次々に新しい品種が発表され、テレビや広告でも目にすることが多くなった全国各地のお米。どうして毎年こんなに新しい品種が出てくるの? 何が違うの? という疑問が湧いてきませんか?

品種が改良されて行くのには理由があり、共通する特徴もあります。

今回は近年話題になった品種もご紹介しながら、新品種の傾向や特徴をお伝えしたいと思います。


お米の新品種が登場し始めたのはいつ頃から?


昭和に登録された「こしひかり」「ササニシキ」「あきたこまち」といった誰もが知る品種から新しい品種が登場し始めたのは平成に入ってからのこと。平成はお米戦国時代の幕開けとなり、平成20年代になると「つや姫」「ゆめぴりか」「きぬむすめ」といった良食味のブランド品種が次々と発表されるようになり、現在へと続いています。

なぜ次々に新品種が発表されるのか?


より評価される美味しいお米、多様化する食に合ったお米が求められているからというのも理由の1つです。しかし、もう1つの大きな理由は、年々進む地球温暖化に備え、高温に弱いこしひかりの後継となる、暑さに強いお米が求められているからです。

近年、高温によるお米の外観や食味の低下は、全国的な問題になっています。そんな中、各産地は自身の土地や気候に適した病気になりにくい、より美味しいお米の研究を行っているのです。

最近話題となったお米


2022年に最も話題となった新品種は、米どころ秋田の「サキホコレ」。秋田出身の壇蜜さんや佐々木希さんなど多くの著名人の方がPRに加わり、ネーミングも米袋のデザインにも新しさを感じるお米です。

商標登録でトラブルになったこしひかりを教訓に、中国や香港でも商標登録をして海外進出も視野に入れています。

さらに、この5〜6年の間に登場して注目された品種をご紹介すると、これだけの数、そして自治体があります。

青森県「青天の霹靂(せいてんのへきれき)」
岩手県「銀河のしずく(ぎんがのしずく)」
宮城県「だて正夢(だてまさゆめ)」
山形県「雪若丸(ゆきわかまる)」
福島県「福、笑い(ふくわらい)」
新潟県「新之助(しんのすけ)」
千葉県「粒すけ(つぶすけ)」
富山県「富富富(ふふふ)」
石川県「ひゃくまん穀(ひゃくまんごく)」
鳥取県「星空舞(ほしぞらまい)」
福井県「いちほまれ」
広島県「恋の予感(こいのよかん)」
熊本県「くまさんの輝き(くまさんのかがやき)」


新品種に共通する傾向や特徴とは?


そして、数多くの品種が発表される中で、評価されている品種には次のような共通する傾向や特徴があります。

  • 粒が大きい
・炊き上がりにツヤがあり、白い外観
・もちもちとして、甘味のある味わい

  • 米粒の表面に適度な粒張りがあり、内部はソフトな食感

  • 冷めても美味しく、使い方に汎用性がある

「ツヤツヤ、もちもち、甘い」は美味しいお米や炊飯器の説明にも必ずといっていいほど使われる表現ですが、このレベル感は年々上がっているように思います。

新しい傾向としては、上記の特徴で、ひと目、ひと口で違いを感じられる伝わりやすいお米が注目を集めています。

お米を購入する際に参考にしてみてくださいね。


■せっかく新米を選ぶなら「あんしん」にこだわりませんか


今年の新米は、どの産地のどんな銘柄のお米を選びますか? お米を選ぶときは、自分好みの味わいだけでなく“栽培方法”も大事なポイントです。農薬や化学肥料の使用量を抑えて育てられた、子どもや家族みんなにあんしんなお米を選びたいですね。

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、先進のIT技術を利用し、農薬の使用量を最小限に抑えたお米です。

おなじみの「コシヒカリ」から、石川県の「ひゃくまん穀」をはじめ、新潟県の「にじのきらめき」、福島県の「天のつぶ」などの新品種をラインナップ。

特別栽培米や残留農薬不検出のお米、白米と同じように手軽に炊けると人気の「無洗米玄米」もそろっています。
お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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