<やってみた>炊飯器で一度に「かため」と「やわらかめ」のごはんを炊く方法

管理栄養士の大槻万須美です。

毎日・毎食のように食べるごはんですが、家族の間で好みのかたさが違ったり、子どもから高齢者まで家族構成の年代が複数であったりする場合には、それぞれの消化吸収力に合わせて異なるかたさのごはんを炊いている家庭もあるかもしれません。

あるいは、お弁当やカレーなど、用途に合わせて一人分だけかたさを変えたいときなども、ごはんの炊き上がりのかたさを一度の炊飯で同時に炊き分けられたら便利ですよね。

今回は、「炊飯器で一度にかためとやわらかめのごはんを炊く方法」を検証しました。

1.クッキングシートで仕切りを作る方法


クッキングシートで仕切りを作って、水加減を区別する方法です。こうすることで、2種類のかたさに炊き分けることができるようです。

準備するもの
クッキングシート:<炊飯器の直径より少し大きめ×炊飯器の内釜の高さの2倍>の大きさにカットして3~4重に折ります。折り幅は水位より5cm程度高くしておきます。

手順


1.洗米後、炊飯器の内釜にお米を移し、水位線通りに水を加え、30分~1時間程度吸水します。

2.かために炊きたいお米をしゃもじなどで片側によせます。このとき水位ひたひたになる高さまで盛り上げるのがポイントです。

3.中央部分にクッキングシートを下まで差し込み、仕切りをします。

4.それぞれの部位のお米を水平にならします。

▲手前が<かため> 奥が<やわらかめ>
5.通常通りに炊飯します。

6.炊き上がりすぐに、それぞれの部位ごとにふんわりとほぐします。

▲炊き上がり
▲ほぐした後

結果:ある程度かたさに違いあり。明確な炊き分けは難しい……


クッキングシートで仕切りを作るだけで、2種類のかたさに炊き分けることができました。ある程度かたさに違いはありますが、<かたい+やわらかい>などの明確な炊き分けは難しいです。

水加減を少なめにすると、通常のかたさとややかためのごはんに炊き分けることができます。逆に、水を多めにすると、通常のかたさとやわらかめのごはんに炊き上がります。

2.お米を片側によせる方法


通常の炊飯ではお米の高さは水平にしますが、高低差をつけることで、炊き分けることができるようです。

手順


1.洗米後、炊飯器の内釜にお米を移し、水加減の線通りに水を加え、30分~1時間程度吸水します。

2.かために炊きたいお米をしゃもじなどで片側によせます。このとき水位ひたひた程度までよせるのがポイントです。

▲手前が<やわらかめ> 奥が<かため>
3.通常通りに炊飯します。

4.炊き上がりはごはんを混ぜずに茶碗に盛りつけてからふんわりとほぐします。

▲炊き上がり

結果:ほとんど差は感じられず……


スイッチを入れる直前にお米を片側によせて高低差をつけるだけなので、手間がほとんどありません。ただし、端と端でややかたさに差が感じられる程度でした。

3.耐熱カップに入れて同時に炊く方法


茶碗1杯分など少量を用意したい場合や明確にごはんのかたさを炊き分けたい場合は、次の方法がおすすめですよ。

かたさだけでなく、雑穀米を少量だけ炊きたい、というときにも使える方法です。

準備するもの
耐熱カップ

手順


1.お好みの分量のお米に、炊き分けたい少量のお米(今回は1/2合)をプラスして洗米します。

2.耐熱カップに(1)からお米1/2合を取り、水を加えます。

ポイント:水加減は1/2合のお米を普通のかたさに炊く場合の100ml前後を目安に、好みに合わせて調整してください。

3.炊飯器の内釜に残りのお米と規定の水位線まで水を入れます。

4.少しだけ埋め込むようにして(2)の耐熱カップを(3)のお米の上にのせます。

5.30分~1時間程度吸水をし、通常通りに炊飯します。

結果:おかゆとの炊き分けも可能


おかゆとかためのごはんというように、かたさのかなり違う2種類を炊き分けることができますし、耐熱カップに入る分量のみの少量だけ炊き分けたい時に有効です。

耐熱カップのごはんの付着が気になるときは、クッキングシートなどを耐熱カップのまわりにカバーしておくと防止できます。

なお、水加減ではなく、吸水時間を調整してもある程度の炊き分けができます。無洗米を使い、吸水時間をずらして早炊きモードで炊飯しましょう。吸水時間を長めにとるとごはんはやわらかく炊けます。逆に、吸水時間をとらずに炊くとかために仕上がります。

炊飯は意外と手間がかかるもの。ごはんのかたさの炊き分けが一度にできると、便利なうえ、全員が炊き立てのおいしいタイミングでごはんを味わうことができますよ。ぜひ試してみてくださいね。

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。


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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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