白米の代わりに「玄米」と「オートミール」どっちがいいの?【栄養士コラム】

栄養士の堀口泰子です。

食物繊維が豊富で低糖質な食品として「オートミール」が話題となりました。

ダイエットなどで白米の代わりとして食べる方が多いと思いますが、同じくダイエットでよく聞かれる「玄米」と比べるとどちらがよいのでしょうか。

それぞれのメリットとデメリットについて詳しくご紹介します。

玄米とオートミールの栄養価は?


まず、白米と玄米、オートミールの100gあたりの栄養価を比較してみましょう。


オートミールは炭水化物以外の栄養素すべてが白米や玄米よりも多いことがわかります。

では、なぜオートミールがダイエットによいと言われているのかというと、食物繊維が多いので水分を吸着して膨らむことで満腹感を得られます。また、1食分は30gが目安とされ、食べる量自体はお米と比べると少量となる点などが挙げられます。

玄米とオートミールを「食べ方別」に比較


「おかゆ」で比較


オートミールは主にかゆ状で食べます。「おかゆ」にした場合で比較してみましょう。


かゆ状のオートミールはエネルギー量が少なく、たんぱく質や食物繊維は多く摂取できますが、脂質量は高くなっています。

オートミールはミルクがゆにして甘味や果物を添えたり、味付けした調理法が食べやすいため、実際にどのように食べるか、どのような食品と組み合わせて献立にするのかがポイントとなりそうです。

「ごはん」で比較


次にオートミールを「ごはん状」にした場合を玄米と比較します。

オートミールをごはん状にすると30gでは少量なので物足りないと感じるようです。玄米ごはんとおよそ同じ重量の60gとした場合を比較すると、こちらも、オートミールのエネルギーは少なく、たんぱく質と食物繊維は多く摂取できる一方、脂質は多くなります。


GI値はどうでしょうか。玄米とオートミールともにGI値は55で低GI値に分類され、食後血糖値の上昇は緩やかです。

どんな人に向いている? メリットとデメリット


オートミールのメリット・デメリット



オートミールは食物繊維が多く、お米よりもたんぱく質を多く摂取できる穀物です。調味を工夫すれば、糖質量を抑えることができます。糖質を取りすぎてしまった時の調整食やおやつとして食べるのも良いでしょう。

また、オートミールの中でもクイックオーツは水分を加えて電子レンジで加熱すると短時間で食べられます。調理時間がなく、急いで食事をしたい時に便利です。ミルクがゆにすれば、たんぱく質も同時に補給することができるので、欠食しがちな方のエネルギー補給にも向いているといえるでしょう。

一方で、柔らかいかゆ状で食するため、そしゃくが少なくなり、満腹感を得るまでに時間を要します。早食いをして物足りなさを感じれば過食の原因となります。1食分が少量なので、特に意識してゆっくり食べる必要がありそうです。また、淡白な味わいなので、味付けに気をつけましょう。

お米の代わりに食べる場合は、脂質摂取量が増えます。普段から脂質量が多めの食事をしている方は、脂質量の調整が必要です。また、腸内で水分を吸収して膨らむので、普段以上に水分摂取を心がける必要もあります。

なお、オートミールはグルテンフリーと言われていますが、製造工程などで小麦が混入してしまう場合もあるため、小麦アレルギーの方にはおすすめできません。

玄米のメリット・デメリット



白米に比べて、食物繊維が多く低GI食品に分類されます。そしゃくが必要になるのでよく噛んでゆっくり食べることができ、血糖値上昇は緩やかです。血糖値が気になる方や、つい早食いをして食べすぎてしまう方におすすめです。

そしゃくによって唾液の分泌が促され、新陳代謝、骨や歯の再石灰化の助けをするホルモンの分泌が増えることから、美容やスポーツを意識している方にも向いているといえるでしょう。

さらにそしゃくによって口内の筋肉をしっかり動かすので、最近マスクを外す機会が増え、フェイスラインが気になっている方にもおすすめです。

一方で、玄米は炊飯のために浸漬時間が必要となるので白米よりは炊飯時間を要します。時間がない時は前夜から冷蔵庫で浸漬したり、あらかじめ多く炊いて冷凍保存するなどの工夫が必要です。浸漬の必要のない無洗米の玄米などを活用するのも良いでしょう。

また、胃腸が弱い方や、小さなお子さまには炊き方の工夫も必要です。


いかがでしたか。玄米とオートミールはライフスタイルに合わせて上手に活用してみてくださいね。

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堀口泰子
栄養士。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。健康食育事業やアスリートサポートに従事。健康的で美味しく食べる食事術を伝える。講演、栄養指導、コラム執筆、レシピ、商品開発、料理講師など幅広く活動。離乳食から介護予防まで様々な食育活動のなかで、健康に役立つお米の食べ方を紹介。スポーツの現場ではジュニア育成と競技競技力向上ための心と体の成長に注力している。
HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/


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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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