リバウンドしないためのダイエット中の「ごはん」の食べ方

管理栄養士の大槻万須美です。

ダイエットの成功のカギは「リバウンドしないこと」といっても過言ではありません。そのためには、短期的ではなく長期的に見ることが必要不可欠です。

ダイエットを成功させるためには、また、リバウンドしないためには、どんなことに気をつければよいのでしょうか。

ダイエットを成功させるコツやダイエットを効果的に行うごはんの食べ方について解説します。

ダイエット成功のカギは「血糖値」


ダイエットの基本的な考え方は、身体活動などで消費するエネルギーよりも、食事で摂取するエネルギーを少なくする方法が一般的です。

そして、身体の負担を減らすために、一日の基礎代謝量である成人男性約1500kcal、成人女性で約1150kcalは下回らないように考慮します。成長期や日常的に高度な運動をしている場合はさらにエネルギーが必要となります。

また、体脂肪1kg=7200kcalとされているため、7200kcal分の食事を減らすか運動をすれば体重が1kg減ると考えてしまいがちですが、そうとも限りません。

代謝などに必要な栄養素を摂らずに食事を極端に減らしてしまうと、代謝や自律神経、腸内環境の乱れにつながり、効果的にエネルギーが燃焼されないからです。

一般的にダイエットを成功させるコツとして知られているのは、「無理のない食習慣と運動習慣を継続すること」であるといわれています。

基本的にダイエットが必要である場合は、食習慣と運動習慣の両面の改善が必須とされますが、極端に何かを減らして何かを増やす、というダイエット方法は生活習慣の改善にはつながらず、結果としてまたもとに戻るか、さらなる悪化につながることも多くあります。

摂取エネルギーを抑えるために糖質の摂取を厳しく制限する方法がありますが、食習慣の改善として注目されているのが、単なる糖質制限よりも、「血糖コントロール」によって血糖値の急上昇や血糖値スパイクを防ぐといった視点です。

普段は正常な血糖値でも、食後の血糖値が急上昇や急降下を繰り返す状態を「血糖値スパイク」と呼び、日常的な血糖値の急上昇に対応するためにインスリンが過剰分泌されることでかえって低血糖になり、頭痛や眠気・だるさが頻繁に引き起こされるようになることがわかっています。

高血糖は体脂肪の蓄積につながることから、単に糖質を制限することよりも、血糖値を上げない食べ方や栄養バランスに重きを置く傾向になっています


なぜリバウンドするの?


ダイエットが成功したかどうかの最終的な評価は、減量後の体重維持ができているかで判断されます。一時的に体重が減少しても、そのあとに体重が少しずつ、もしくは爆発的に戻ってしまうことも少なくありません。

リバウンドをしてしまう原因の一つとして考えられるのが、無理な食事制限です。継続できないほどの急激な食事制限は、いずれ元に戻ってしまうだけではなく、我慢してきたことによる精神的・代謝的な揺り戻しが起こり、元よりも悪化してしまうことが知られています。

また、今までと違った食事にすることで、高確率で腸内環境の変化も起こります。悪玉菌の割合が増加すると便秘や免疫力の低下などにつながり、食事量を減らしているはずなのに体重は減らない、もしくは増える、という状態にもなりかねません。

中でも糖質制限によるリバウンドが起こらないようにするためには、個々の活動量や体型・体質などに見合った糖質量を守ることや、糖質の急速な吸収予防、急激に血糖値を上げないことなどが大切であると考えられます。

極端な糖質制限は、一般的に脂質やたんぱく質摂取量が相対的に増加し、栄養バランスが崩れることで、別の健康リスクにつながる恐れも指摘されています。

糖質制限にはコントロールの難しさやデメリットもあるため、専門家の指導が不可欠ともいわれています。糖質制限自体も専門家の中で賛否があることを念頭においておきましょう。

ダイエットを効果的に行う「ごはん」の食べ方



それでは、ダイエットを効率的に行うには、どのくらいの量のごはんを食べればよいのでしょうか。

日本人の食事摂取基準では、理想のエネルギー比率を、炭水化物50~65%、たんぱく質13~20%、脂質20~30%としています。この割合は、個人の体質などによっても差があるため、ある程度の幅がもたされています。

脳、神経組織、赤血球などは、通常ブドウ糖しかエネルギー源とされないといわれており、中でも脳は基礎代謝量の約20%を消費するとされています。

肝臓においては、分解された筋肉や脂肪組織の一部を利用してブドウ糖の供給がなされるため、あくまでも参考値としてとらえる必要がありますが、前述の組織で使われるブドウ糖量を考慮すると、基礎代謝量を1500kcal/日として推定される糖質の最低必要量はおよそ100g/日と考えられています。

この糖質100gをごはん量に換算すると280g程度で、お茶碗小盛りでおよそ2杯分になります。

ダイエット期のごはんは、量を減らすことを主にするのではなく、食べ方を工夫することがおすすめです。

白米に比べ4倍もの食物繊維が含まれているため血糖値も上がりにくいといわれている「玄米や、ビタミン・ミネラルをプラスできる「雑穀米」などを取り入れると、ごはんの量を減らすことによりほかの栄養素の摂取量が減少してしまうことを防ぐことができます。

咀嚼回数を増やす、野菜の量を増やし先に食べる、なども効果的だといわれています。

極端にごはんを減らすダイエットは、リバウンドを招きやすいと考えられます。「無理のない食習慣と運動習慣を継続すること」を意識した、健康体を目指したダイエットが大切です。

ダイエットが必要だと感じたら、まずは玄米や雑穀米を取り入れてみてはいかがでしょうか。

▼こちらもチェック
ダイエットには白米・玄米・雑穀米どれがいい?
玄米がダイエットにいいって本当?管理栄養士がおすすめする5つの理由


文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
e-ヘルスネット「ダイエット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-090.html

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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