理想的なバレリーナの食事とは? バレリーナ体型を保つ食事の秘訣

管理栄養士の大槻万須美です。

私はバレエダンサーの栄養サポートもしているのですが、バレエダンサーといえば、細くて華奢で体重が軽く、お弁当もサラダしか食べないようなイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。

少しでも体重が増えたら食事を減らさなければならない……。そのような指導をされることもあるようですが、実際にはどのような食事が理想的なのでしょうか。

バレエダンサーの栄養について解説します。

バレエダンサーは細いけど食事は少なくていい?



バレエダンサーの体型といえば、手足が長くてとても華奢なイメージです。

もともと持って生まれた素質ももちろんありますが、多くのスポーツと同様、正しいバレエの動きとバレエに合った食生活を身に付けていくうちに、バレエ向きの体型に成長していくようです。

バレエはとても優雅に見えますが、実際にバレエをしっかりと踊るには当然のことながらかなりのエネルギーを消費しています。

バレエは、アスリート並みの運動量を必要とされながらも、あくまでも「芸術」であるため、体型を含めた「美しさ」や表現などにおいて「芸術性」を求められます。

レッスンではレオタードを着用していて体型の変化がとてもわかりやすいので、常日頃から体型や体重のことを意識している環境でもあり、食事についても管理が必要となります。

当たり前のことですが、栄養素はそれぞれ生命の維持や活動に重要な役割を持っており、不足していても多すぎてもよくないものもあり、バランスが大切です。

特に成長期は体型が変わりやすく、無理なダイエットに走ってしまう人もいますが、バレエの運動量に見合ったエネルギー量と成長に必要なたんぱく質やビタミン・ミネラルもしっかりと摂っていないと、けがにつながったり、身長が伸びないなど成長に影響があったりします。

踊る前に食べすぎると体が重く感じてしまうこともあるため、食事のタイミングや種類、量などの内容についても精査します。

バレエ食のポイント「ごはんもしっかり食べてバランスよく」


バレエダンサーでは糖質を制限している方もいますが、サポートの際には、糖質が体の中でどのような役割を持っているか知ってもらうことから始めています。

糖質は、脂質、たんぱく質と並んで、エネルギー源となる栄養素ですが、脳、神経組織、赤血球などは、通常ブドウ糖しかエネルギー源とされないといわれており、中でも脳は基礎代謝量の約20%を消費するとされています。

厳しく糖質を制限していると、考えがまとまりにくかったり、頭がぼーっとしてしまったりするのは、脳へのエネルギーとなる糖質の不足が関連しているといわれています。

また、女性のバレエダンサーは、慢性的な貧血状態の方も多く、その理由の一つが、赤血球のエネルギー不足であると考えられています。

糖質の摂取不足時や有酸素運動時などには、体脂肪や筋肉中のたんぱく質を分解してエネルギー源として利用することになるため、筋肉の維持には、たんぱく質だけではなく糖質も必要であるといえます。

そのため、バレエダンサーといえども適切な量の炭水化物は必須であるとお伝えしています。

そして、炭水化物を多く含む食品の中でもごはん(お米)は、量や種類を個人に合わせて厳密に設定さえすれば、とてもバランスのよい主食になります。


ごはんは、主成分は炭水化物ですが、ビタミンB群・カルシウム・鉄分・マグネシウム・レジスタントスターチなどの栄養成分も含み、玄米や雑穀米にすると、さらにビタミン・ミネラルなどの栄養素が強化されます。

また、ごはんは腸内細菌の善玉菌が好むエサを含むため、有益な代謝物の短鎖脂肪酸が産生されやすくなるといわれています。短鎖脂肪酸は、腸内の働きをよくしたり腸管ホルモンを分泌させたりして、生活習慣病などの疾病予防に働くことがわかっています。

食べ方にもポイントがあります。

 

  • 食物繊維の多い野菜や海藻・きのこ類を先に食べる
  • しっかり噛んでゆっくりと食事をすることで、胃腸の負担を減らして消化吸収力を促進。満腹中枢を刺激して食べ過ぎを防止
  • 緑黄色野菜、豚肉・納豆などビタミンB群を多く含むたんぱく質などもバランスよく食べ、エネルギー代謝をアップ
  • 自分に合ったごはんの量を知り、適量の炭水化物摂取を心掛ける
  • レッスンが夜遅くなるときには、レッスン前に少量のおにぎりなどでエネルギー補給を。レッスン後は軽くて消化に良い炭水化物とたんぱく質食材を取り入れる。

さらに、野菜たっぷりのみそ汁を組み合わせるのがおすすめです。

副菜1品と同じ野菜の量を食べることができるうえ、ごはんに不足しているアミノ酸を補うこともできるため、体内で効率的に筋肉などの体たんぱく質合成がされやすくなります。

バレエダンサーにとって、ごはんは避けるべき存在ではなく、上手に活用すれば強い味方になります。ぜひ食べ方を工夫してみてくださいね。

▼こちらもチェック
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文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。


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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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