ランニングを効果的にするお米の食べ方とは? 1日にどのくらい食べていいの?

栄養士の堀口泰子です。

暖かくなって、カラダを動かすにはよい季節になりました。スポーツ愛好家に根強い人気のランニングは、健康やダイエットを目的に始める人もたくさん増えましたね。

そこで、ランニングを効果的にするお米の食べ方についてご紹介します。


ランニングを行う場合のごはんの必要量


運動と食事には密接な関係があります。

一般的なランニングスピードで消費するエネルギー量は30分でおよそ200〜300kcalです。

単純に考えれば、摂取エネルギー量よりも消費エネルギー量が増えれば体脂肪率を減らしたり、運動の効果が期待ができたりしそうですが、意外にそうとは限りません。

筋肉や心肺を動かすためにはエネルギーが必要です。エネルギーが不足した状態でランニングをしても望ましい効果は得にくい可能性があるのです。正しいエネルギー摂取をした上でランニングをおこないましょう。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、平均的な体格と活動量の男女の推定エネルギー必要量は、成人男性でおよそ2700kcal前後、成人女性でおよそ2000kcal前後としています。

「日本人の理想的なエネルギー産生栄養素バランス」から炭水化物割合を全体の60%とすると、ごはんの必要量は男性およそ1040g/日、女性はおよそ790g/日です。

さらに、アメリカスポーツ医学会(ACSM)は体重と強度に応じて1日の糖質摂取のガイドラインを定めており、1日1時間以内の中強度のトレーニングなら体重1kg当たり5〜7g/日必要としています。糖質は運動のためにエネルギーとして最も利用しやすい栄養素だからです。

このため、炭水化物の中でも脂質が少ないお米は、ランニングをするために効率がよい食事といえそうです。

これらの目安から、ランニングをしている人の糖質必要量をごはんに換算してみると、平均的な日本人の体格の男性はおよそ900〜1340g、女性はおよそ740〜1040gとなります(※1)。

ごはんは茶碗一杯で約150gです。ランニングで望ましい効果を得るためには、一般の人よりも多くお米を食べる必要がありそうです。

食事はランニングの前? 後?



運動効率を上げるためのエネルギー摂取として運動1~4時間前までに体重1kgあたり1~4gの糖質を摂ることが奨められています。

エネルギーが不足した状態で運動を行うと、ランニングの効果が十分に得にくいのです。体が思うように動かなくなったり、集中力が続かなくなったり、激しい疲労感を招き回復が遅れます。

さらにエネルギーが枯渇した状態で運動を行うと、身体は筋肉を分解してエネルギーを作りだそうとするので、筋肉量が落ちて効率よく体脂肪を燃焼することができないだけでなく、貧血や疲労骨折などに繋がる原因となります。

食べてからエネルギーに変わるまでの時間に配慮すると、遅くとも2〜3時間前までに糖質中心の食事をしておく必要があるのです。

また、ランニングをすると、エネルギー消費と同時に、筋肉、骨、血液など細胞の消耗が起きています。疲労感の軽減や壊れた細胞の修復のためには、ランニング後にも補食や食事を摂ることが必要です。

膝を痛めた、疲労が抜けずに3日坊主になってしまった……など、せっかくの努力を無駄にしていまうことがないように、ランニングの前と後の両方に食事から十分に栄養を補給することが大切です。

ランニング前後に食べる補食やおやつはどんなものがいい?



脂質量が少なく理想的な補食はおにぎりです。

おにぎりは1個100gくらいなのでランニングのためのエネルギー補給としてもちょうどよい量です。

ランニング前なら、塩むすびや梅干しおにぎりなど、脂質やたんぱく質が少ない具材を選びましょう。

もし、エネルギー補給の時間がどうしても直前になってしまう場合は、消化時間を配慮してバナナやエネルギーゼリーを選びましょう。

ランニング後は糖質とたんぱく質の補給として鮭おにぎりがおすすめです。

ランニングを1時間以上行う場合は、運動中にスポーツドリンクも利用するとよいでしょう。

いかがでしたか。より健康的なスポーツライフにお役立ていただけると嬉しいです。


※1 日本人の平均体重(男性68.5kg、女性63.1kg)として算出厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」(pdf)アメリカスポーツ医学会の共同声明:Nutrition and Athletic Performance(英語)
堀口泰子
栄養士。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。健康食育事業やアスリートサポートに従事。健康的で美味しく食べる食事術を伝える。講演、栄養指導、コラム執筆、レシピ、商品開発、料理講師など幅広く活動。離乳食から介護予防まで様々な食育活動のなかで、健康に役立つお米の食べ方を紹介。スポーツの現場ではジュニア育成と競技力向上ための心と体の成長に注力している。
HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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